マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

変わりたいと思うなら、今迄しなかったことをする。あるいは今迄していたことを止める。

アトピーは様々な要因で発症するので、その改善の仕方も人それぞれです。
私も息子のアトピーで、アトピーに関しては相当勉強しましたし、自分自身も重度のアトピーで苦しみました。
そこから得られた結果は、まさに陰陽を駆使することで改善に向かう事実です。
一般的には乳児期、幼児期、成人期でアトピーの対応は異なりますが、特に厄介なのはストレスによるアトピーです。
これは単に除去食で対応してもお話になりません。
皮膚を見て心を見ていないと完治は無理でしょう。

むそう塾生のOさんは、私が記事にも書き、講座でも話している言葉を実践してくれました。
【変わりたいと思うなら、今迄しなかったことをする。あるいは今迄していたことを止める。】
たったこれだけのことでも決意できるには陽性さが必要なのです。
そして、それを実行するにはさらなる陽性さが要求されます。
よく口では「変わりたい変わりたい」と言っている人がいます。
そして、あっちのセミナー、こっちのセミナーと、変われるツールを探しに出かけるのですが、案外とそれは自分の中にあって、それに気づいていないだけなのです。
すべてのセミナーを否定するわけではありませんが、自分が本気で変わりたいと思えるかどうか、ここが一番肝心です。

陽性を食べ物から摂ろうと思っていると失敗します。
よくマクロビオティックは食べ物のことだと勘違いしている人がいるので要注意です。
実は人間にとってかなり大きな部分を占めるのは環境です。
目に見えないもの。これが目に見えるものを動かすのです。
マクロビオティックの陰陽はそのことまで理解できなければ本当に知ったとはいえません。
サイトの「マクロビオティックの盲点」にOさんからの近況報告を掲載しておきました。
とても参考になる内容なので、ぜひご一読くださいませ。

【ストレスからのアトピーには陽性になれる道をつくる】

上級幸せコース むそう塾

 
 

(上級幸せコースの楽しそうな一場面より)

 
 
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食事日記から現代の食生活の崩壊を実感しました

マクロビオティックでは「食べたもののようになる」「You are what you eat.」(あなたはあなたが何を食べているかで決まる)
ということを大切にしています。
ですから、この言葉を知っている人はとても多いと思うのですが、じゃあどの程度身体で確認しているかとなると、一気にその数は減ると思います。
そのくらい知っていても実践できていないことや、確かめていない人は多いのです。
言葉だけ知っていても何もしなければ知らないのと同じです。
でも、一つでもいいからそれを時系列で追っていくと見えて来るものがあります。

むそう塾では食事日記をつけて、自分の身体と食べ物の関係を知るカリキュラムが幸せコースにあります。
今月は恒例の食事日記の提出月でした。
そこで感じたことは毎年同じなのですが、やはり人間は「食べたもののようになる」ということです。
1年毎にその確信は強く深くなって行きます。
これはもう100%間違いがありません。
そして私は望診の的中率も上がるのでした。

食事日記で感じた重要なこと。
それは日本人としての現代の食生活が崩壊しつつあることを生で再確認したことです。
むそう塾の幸せコースに来られる方々は、玄米ご飯をパスポートレベル(確実に消化吸収できるレベル)で炊ける方たちが通われているのですが、それでも全体の食事日記を拝見すると改善点がたくさんある人が増えて来ました。
最も注目すべき点は主食が確立していない人がいること。
次はお味噌汁とお漬物があまり登場しない人がいることでした。
これらは日本人として欠かせない食べ物であったはずなのに、今はそれを親から伝えられていない人が多すぎます。

マクロビオティック料理教室としていくらお料理の陰陽を伝えようとしても、その土台になる食生活の想い出(光景)が貧しい人がいます。
親世代の食生活が崩壊している家庭もあるからです。
なんとなく食卓を囲む平和な光景。それすら味わえなかった人もいます。
事情は様々ですが、親世代がとった行動によって、子供世代が傷ついて苦労している姿を見ると、心の奥底から「日常のありきたりな生活」を大事にしてほしいと強く思います。

ご飯とお味噌汁とお漬物とあと何か一品。
これだけでいいんです。
買ってきた品数の多いおかずより、たくさんメニューのあるファミレスより、リッチなグルメ三昧より、笑顔で囲む食卓の存在が大切なのです。
この積み重ねが家族それぞれの心身を強くし、中心軸を作り、ブレない精神を作るのです。
お味噌汁がなかったら何かさみしいな。
ご飯粒を食べなかったら何か物足りないな。
お漬物がなかったら何かしまらないな。
そんなちょっとした違和感にこまめに対処すると、実は大きな不調を防ぐのです。

家庭とはあらゆるバランスを取り戻す場所。
その場所が機能不全にならないようにするのがむそう塾の役目かなと思っています。

なお、食事日記や食べ物に関する過去記事があります。
ご参考になさってください。
マクロビオティックの「食べたもののようになる」は本当です
煮物料理と食事日記
かかとは綺麗ですか?

栗ご飯 マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(栗ご飯 料理:陰陽京料理人 中川善博)

 
 
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“陰陽の考え方”を身につけて直感力を高める(勝又靖彦著)

私はマクロビオティックが広まることを手放しで喜んではいません。
それはマクロビオティックを正しく理解していないために、体調を崩す人が後を絶たないからです。
さらに、伝える側がまだ未熟であるために陰陽判断を誤ったり、一方的な広め方でその後の質問に答えきれていない現状が多く、なにかと問題をはらんだ伝わり方があることを危惧しています。
そして、マクロビオティックとは食事法だと思っている人が大多数で、桜沢如一先生が一番伝えたかった哲学部分の考え方が取り残されてしまった感があります。

私はそのことをとても残念に思い、このブログを始めた当初から、お料理よりも考え方に力を入れて記事を書き続け、全国各地にお邪魔して色々なイベントを開催して来ました。
2009年から始めた料理教室は、全国を歩いていた時の感触から、マクロビオティックの理想と現実のギャップを埋めるべく、ひたすら体調不良者のフォローに時間を割いて来ました。

体調不良者が健康になってくれたらぜひお伝えしたかったこと。
それがマクロビオティックの考え方の真髄でした。
どんなに食べ物を調えても、精神面が調わないと体調は良くならない人がいますし、混沌とした時代に生きる希望も見出せません。
そんな時こそマクロビオティックの陰陽の考え方を駆使すると、困難が困難でなくなったり、苦労が苦労と思えなくなるような大転換も可能になるので、細かく精神面でのフォローをしてあげたいと思っていました。

本当は自分で原稿を書けば良いのですが、料理教室の仕事に忙殺されていて、なかなかその時間がとれません。
でも、精神面をバックアップしてあげられる講座は開催したいと思っていたところ、まさに私のために用意してくださったような本が出版されました。
日本CI協会の石井洋子氏が、「5分でマクロビオティックが分かる話」をとご希望されて、同協会の勝又靖彦会長が毎日の朝礼で話された内容がベースになっていて、湊屋涼子さんが文章化されている本です。

多方面にわたって生きた陰陽が散りばめられ、興味ある内容になっています。
マクロビオティックをまったく知らないビジネスマンや、子育て真っ最中の方や、とにかくありとあらゆる分野の人たちが読んでも勉強になる内容です。
もしあなたがすでにマクロビオティックを知っていらっしゃって、陰陽の奴隷になっておられるのでしたら、すぐこの本をお読みになることをお勧めします。
きっと鉛色の雲がスーッと晴れるように、あるいはがんじがらめに巻きついた紐がホロホロとほどけるように、爽やかな気持ちになれることでしょう。
そして、間違いなく夢や希望が湧いて来ることでしょう。
マクロビオティックとはそういう考え方だからです。

 
 

“陰陽の考え方”を身につけて直感力を高める 勝俣靖彦1

 
 

“陰陽の考え方”を身につけて直感力を高める 勝俣靖彦2

 
 

書名:“陰陽の考え方”を身につけて直感力を高める
著者:日本CI協会会長  勝又靖彦
出版:キラジェンヌ株式会社
購入は リマコーポレーションからどうぞ。

 
 
カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, 本の紹介 | 2件のコメント

玄米ご飯が美味しく炊けない理由

新米の季節になりましたね。
ご飯は美味しく炊けていますか?
毎年この季節になるとご飯がうまく炊けなくなる人が続出します。
それは新米というものの特徴を知らない人がいることと、田んぼや気候、作る人の体調や環境によって微妙にお米の仕上がりが変わることが原因です。
いつもお米は一定であると思うのは浅はかで、お米はれっきとした生き物であり、環境の影響を色濃く反映するものなのだということを意識しなければなりません。
夏の日照時間は影響がとても大きいので、今年の夏は西日本と東日本での大きな天候差を考慮しながらお米を判断しましょう。

さて、先日の愛クラスでどうしても美味しく炊けないからお米に原因があるのではないかと思われた塾生さんから中川さんのもとに玄米が送られてきました。
こういうことはよくあることで、むそう塾ではここまでフォローしながらその人にピッタリの玄米ご飯が炊けるようにご指導しています。
中川さんがその玄米で炊飯してみると、下の写真のように美味しく炊けました。
ということは玄米に問題はないということが判明しましたので、次の原因を探すことになります。

きっとご本人は認めたくないかも知れませんが、ご家族のことで大きな悩み事を抱えていらっしゃることが影響していると思います。
むそう塾生にはいつも口を酸っぱくしてお伝えしているのですが、お料理をする人の精神状態によってお料理の仕上がりが異なります。
プロとは違って普通の主婦やお嬢さんがお料理をすると、その反映度は大きいので、そこを意識して台所では気持ちを切り替えてお料理をする必要があります。

これはお料理に限ったことではなく、日常の会話やお仕事でも心当たりがありますね。
ですから、良いお仕事をするためにも、良い人間関係をつくるためにも、自分の氣を高めておくことがとても重要です。
良い氣をキープするには、良い氣を発する人や物に接すること、良い氣の集まる場所に出入りすること、悪い氣を発する場所や人や環境には距離をおくことです。

そうはいってもご家族や職場に悪い氣が満ちている時には、なかなか避けられない側面がありますね。
そんな時には努めて食べる物の氣(質)を上げることです。
本当に体に良いお食事をした時には、人間って何だか安心したり幸せな気持ちになりますよね。
一時的であっても満足感を味わいませんか?
それで良いのです。満足な時間を少しでも多く持続出来るようにして行くのです。

その一つの方法としてあらゆる角度から精神面をプラス方向に持って行くビジネスも大賑わいですし、その効果を否定するものではありませんが、人間はいつも食べるわけですから、そのお食事から見直すことが一番継続しやすいと思います。
これは地道ではあるのですが、確実な土台を作ってくれますので、まずは自分からその意識を持つことが重要です。
意識を持った上で主食を大事にすること。おかずはその後です。

ということで先述の塾生さんの場合ですが、色々心配事が多くてもすべてはあなたの気持ち一つでその心配度は軽くなります。
あなたがするべきことは、周りのご家族さまの心に響く玄米ご飯を炊き上げることではないでしょうか。
あなたの炊きあげた玄米ご飯を召し上がって、「ああ、幸せだ」と思ってもらえる時間を増やしてあげることです。
そこのところがついついいい加減になって今を迎えてしまったように思います。
今こそ過去を総決算するおつもりで玄米炊飯に真剣に取り組んでみませんか?
それがひいてはご自分の氣をアップすることにもつながって、結局気づいたら周りの心配事が減っていたということになります。

もう一度愛クラスを再受講されるのも良いですね。
中川式玄米炊飯はそれほど奥深いからです。

中川式玄米炊飯 生徒と塾長の比較 マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(同じお米で炊き比べた中川式玄米炊飯 右:中川善博作品)

 
 
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マクロビオティックスイーツの落とし穴

現代の体調不良の主原因は、ストレス・脂肪・砂糖・食べ過ぎだと私は思っています。
細かくはまだまだあるのですが、実際に短期間でも脂肪と砂糖を控えてもらうと結果が出てきますので判ります。
食べ過ぎはちゃんと意識をもってもらわないと、いつの間にか従来の食べ方に戻ってしまいます。人間の癖(習慣)って恐ろしいものです。

ところで先日体調不良でメールを寄せられた人とやり取りしていたら、案の定マクロビオティックスイーツは大丈夫だと思って作って召し上がっておられるとのことでした。
やっぱりー・・・。
動物性を摂らないでスイーツを摂ると、マクロビオティックの陰陽を知っている人ならすぐお解りでしょうが、体がどんどん陰性になって行きます。
その上、蒸した野菜や土鍋での玄米ご飯を口にされ、お出しも昆布と椎茸なら、そりゃあ体調が悪くなるための特別コースみたいなものです。
これに耐えられるのは、相当陽性な人です。

そもそもマクロビオティックの甘味料はOKと思うこと自体が甘いです。
メイプルシロップであれ、甜菜糖であれ、米飴であれ、陰性に変わりはありません。
組織を緩める作用は白砂糖と同じなのです。そのスピードが白砂糖に比べて少し遅いのと、材料の違いによって若干の成分差があるだけです。
実際に比べてみたら実験みたいで面白いですよ。
甘味料の中でも陰陽がありますが、食べ物全体でみたら陰性に属しますから、そのことを忘れて白砂糖だけ排除している人は体調不良まっしぐらですね。

私はマクロビオティックを始めた当初から甘いものへの疑問があって、大森英櫻先生のご指導や山村慎一郎先生や松見歯科医師と納得出来る形で結論を得ております。
体は正直で、食べたもののようになっているのです。
ですから、むそう塾では今までお菓子は一切教えていません。
まだ陰陽が解らない段階でのお菓子づくりは危険がいっぱいなので、陰陽がちゃんと理解できて最小限の量を調整できるお菓子だけをお伝えしようと思っています。

型で焼いてしまうと、1ホールを食べてしまいがちですし、粉物の弊害も出てきますので、焼き菓子は一番おすすめしません。
どうしても食べたい時は老舗の和菓子屋さんから1個だけ購入しましょう。
それでもお菓子は月に4個まで。お休みの日のご褒美といった感じですね。
もしそれ以上食べたい時は主食が足りないか、おかずが多すぎるか、あるいはおかずの味付けが濃い場合です。
主食で糖質を補えていれば、特別にお菓子を求めることはしなくても満たされます。
なお、「動物性を摂るとその後に陰性を引くんだよねぇ」とは大森先生の口癖でした。

それでも甘いものを食べたい時はストレスが多い暮らし方をされていますね。
人間にとって程よいストレスはタイヤの摩擦と同じで前進につながりますが、過度なストレスは体調不良の主原因になります。
ですから、ストレスを減らせる考え方や視点をマクロビオティックの陰陽で知ってほしいと思います。
あなたがストレスと思っていたことは、陰陽で考えると実は自分に原因があったなんて日常的に起こり得ます。
穏やかな気持ちで日々を送れるよう、陰陽で物事を考える癖をつけてほしいなと思います。

林檎のパウンドケーキ 中川善博

 
 

(林檎のパウンドケーキ 料理:陰陽京料理人  中川善博)

写真は中川さんがかつて「ひるめし」を提供していたころ焼いていたケーキの一つですが、今ではまったくケーキを焼きません。
パティシェだった奥様とともに開発した美味しいお菓子は沢山ありながらも、洋菓子はきっと一生作らないのだと思います。
満足コースや秘伝コースで、中川さんから何品かの甘いものを習える人は、かなりラッキーな人になりますね。

 
 
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