息子へ

私がこのブログを始めたきっかけは、息子のアトピーとそれを治すために始めたマクロビオティックで大いに感動したためです。
もしアトピーの息子がいなかったら、あるいはもしマクロビオティックに出会っていなかったら、このブログの誕生はなかったかもしれません。

すべてを受け容れるという生き方が出来るようになったのは、間違いなく息子の存在があります。
息子がいなければ、私はもっともっと自分の願望を叶えることに走っていたかもしれません。
しかし、どうすることも出来ないことが世の中にはあって、それとどう折り合いをつけて生きていけばいいのかを、息子を育てながら学びました。

一般的に子育ては二十歳になったら一区切り、あるいは大学を卒業したら一区切りですが、息子の場合はその頃アトピーの再発でとても就職どころではありませんでした。
食べ物は十分研究したし、環境も理想的にしたし、これ以上何が彼を苦しめるのかを考えた時、きっとそれは精神面だと思いました。
そこから精神面とアトピーの関係の研究が始まりました。

どちらかというと気弱な性格の息子は、学校という場所では自分の存在感を示すことができません。
勉強も好きではないし、心が燃えるような感動的なこともないまま通う学校は、相当つまらなかったはずです。
息子が小学2年で転校して、ベッドの中で涙を流しながら私に言った言葉がずっと忘れられません。
「お母さん、ぼくね、お胸に電気がつかないの・・・」
私だったらとっくに欠席したでしょうが、生真面目な息子は大学を卒業するまで無遅刻無欠席を通したのでした。

*   *   *

そんな息子はハイハイをしている頃から車が大好きでした。
いつも車を見ると目が輝き、自分で作るオモチャも車、絵を描いても車ばかりでした。
息子がイキイキしていたのは小学校に入るまで。
小学生になってからというものは別人のように輝かない子供でした。
ただ、工作の時間や何かを作る時間は喜々として取り組んでいました。
お裁縫も上手でした。

だんだんエネルギーが強くなってくると、ロードバイクに夢中になり、結構遠出してビックリすることもありました。
高校1年の6月、待ちに待った二輪の免許を取ったら今度はバイクです。
もちろん高校ではバイクを禁止しているので校則違反です。
しかし、その頃の息子は全身脱毛のために神経がヘロヘロになっていて、そのストレスを発散させてやらないと事件を起こしそうな予感がしました。

校則違反になることも、もしかしたら事故で命を落とすことも覚悟の上で息子にバイクを買いました。
ただ生きていてくれることだけを祈って。
アトピーで汁だらけの頬とやっと生えてきた髪の毛をフルヘルメットに収め、毎日走りに出かけました。
帰宅するととっても素敵な笑顔で、あの幼かった頃の輝いた笑顔がそこにありました。
細胞全体が輝いているように感じました。

その時私は思ったのです。
目が輝く生き方をさせてやろうと。

*   *   *

早くに自分にピッタリのものを見つけられる人は幸運です。
なかなか自分にピッタリのものを見つけられない人は、のんびり人生を歩む人かもしれません。
あるいはそれだけ多くの経験をして、それを活かす道を歩むための準備期間なのかもしれません。
私は必ずその人の目が輝く道があると信じています。

その道を探すためには、まず信頼出来る人に接することが大事かと思います。
その人に接すると心が躍動するような気持ちになれたらなおいいですね。
常に自分の心と目が輝ける時間の使い方をすれば間違いありませんし、後悔しません。

息子は中川さんのことが個人的に好きなようだったので、信頼出来る大人として毎月接触するのは良いことだと思って幸せコースに来ることを許可しました。
もしかしたら小さい時からものを作ることが好きだった息子が、新しい自分を発見できるかも知れない期待をこめて。

幸いにして、桂剥き投稿はなんとか終えてまな板をいただけましたが、これからどのようになるのか誰にもわかりません。
ただ一つだけ言えることは、息子の中で「今まで出来なかったことが1か月間で出来るようになった経験をした」ことです。
1か月間の過ごし方如何によっては、人生にも大きな差が出来ることを知ったはずです。

この経験をいつしかウヤムヤにしてしまう生活に戻るのか、この経験からさらに自分を高める生活に進めるのか、それは息子次第です。
中川さんと二人三脚で頑張った1か月間を息子の人生の出発点として、これから本物の生き方を目指してほしいと思う母です。

中川さんはこの1か月間、ほとんど椅子の上で眠る日々を過ごしていたそうです。
ベッドに入ると投稿をさばききれなくなるからです。
そこまでして一人ひとりに真剣に対応してくれる大人の誠意を、私は息子に理解してほしいと思っています。

身近に信頼出来る人がいる幸せ。
打てば応えてくれる人がいる幸せ。
そんな環境を利用して、目が輝く人生を送ってくれたら母は本望です。

*   *   *

<息子へ>

車が兄弟のようにいつもそばで支えてくれたね。
不安定な気持ちを慰めてくれたね。
でも、8分で新しいタイヤが磨り減ってしまうのはビックリしたよ。
中川さんに助けてもらった命を大切に生きてね。
発散のエネルギーが落ち着いたら、ハンドルを包丁に持ち替えて新しい世界に挑戦するのもいいね。

龍2

(バイクも色々乗ったね。自分で塗装までして。)

龍5

(こんな取材受けていたの知らなかったよ。)

龍4

(ロマンチックだね。)

龍 ハーレー

(綺麗な色だったね。)

龍 ドリフト

(いつもは峠を走っているのに、珍しくコースで走っているところだね。)

龍3

(雑誌にも出ていたね。)

龍 山田英二さん

(山田英二さんが試乗してくれたんだね。)

 
 

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*   *   *

でも、その腕はこんなことも出来たよ。

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記念に最終投稿の記事をリンクしておこうね。
【桂剥き投稿2016 Naさん(91-4)
痛い手でよく頑張ったね。
【自分を試される桂剥き投稿(息子の場合)】

 
 

中川善博と龍 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(男同士の握手 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

中川さんの体の3分の1くらいしか厚みがないね(笑)
この握手を忘れない日々でありますように。

 
 
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コメント

  1. 彩乃 より:

    美風さん、こんばんは

    コメントさせていただくのは久しぶりですが、いつも拝読しています。

    息子さんにバイクを買う決断をされたときの美風さんのお気持ちを想像して、
    身震いと号泣してしまいました。

    母親として、子供に何をしてあげられるのか。
    振り返るきっかけにします。

    特別な想いを、ブログ記事で共有してくださってありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      彩乃ちゃん、おはようございます。

      バイクを買う決断は複雑なものがありましたが、体中の毛が抜けて「死にたい死にたい」と毎日床や壁を叩く息子を見ていると、本当に死ぬか事件を起こすだろうと思える状態でした。
      この記事を読んでくださった皆さんも、高校の先生も息子の気持ちは理解していただけないでしょうが、母親の私だけでも息子の理解者でいようと思いました。
      そもそも校則でバイク禁止というのが気に入らなかった母親なので(笑)

  2. かのん より:

    美風さん、こんばんは。

    私も重度のアトピーで、20歳ぐらいのころ、頭皮も眉毛もごっそり抜け落ち外出もままならない時期がありました。(たしかに、アトピーは精神的な要因が大きいです。)

    今は息子に軽い湿疹があります。毎晩「痒い痒い」と掻いています。
    息子さんの気持ちも母としての美風さんの気持ちも(ほんの少しですが)わかるので、涙が止まりませんでした。

    目が輝く人生。
    親子で目指して行きます。
    このような記事を書いてくださり、本当に
    ありがとうございました。

    • マクロ美風 より:

      かのんさん、おはようございます。

      ああ、かのんさんもご経験されていましたか。
      つらいですよねぇ。
      当たり前にある髪の毛や眉毛がなくなると、それだけで恐怖になるんですよね。
      代われるものなら私が代わってやりたいとどれほど思ったかしれません。
      どんなことをしても子供を守ってやらなければと思いました。

      そんな状態でも毎日高校に通う息子は、人目がすべて刃物のように見えてしまうと泣いていました。
      何か言われたら反抗しようと、制服の胸にナイフを忍ばせていたことがあって、いつ事件を起こすかハラハラの毎日でした。
      そんな状態では生えて来るはずの髪の毛も生えないだろうと思って、目が輝ける時間を作ろうと思ったのです。

      かのんさんも息子さんとともに親子で輝ける生き方をしてくださいね。

      • かのん より:

        美風さん、お返事ありがとうございます。
        私の場合、化粧品と不規則な生活がきっかけでした。
        お年頃だったので(笑)息子さんのような勇気はなく、休学しました。(たくさん単位を落としました。)少しでも外出すると人の視線が刺さるようでした。

        息子は歌とダンスが大好きで、即興で披露してくれます。
        周囲に流されず、しっかりと目の輝く日々を送ります!

        • マクロ美風 より:

          かのんさん、おはようございます。

          >少しでも外出すると人の視線が刺さるようでした。

          そうなんです。
          このことを息子は「俺を見る奴は全部が敵だ」と言って、「蹴っ飛ばしたくなる」とも言っていました。
          本人でなければ分からない本当につらいことですよね。

          息子さんと後悔のない日々をお過ごしください。

  3. みちよん より:

    美風さん
    記事にしてくださりありがとうございます。

    お母さん、ぼくね、お胸に電気がつかないの…

    息子さんのこの言葉に涙が溢れました。そして、どんなときも潔い美風さんの心の内を
    思ってまた涙がぽろぽろこぼれました。

    私が人生に疲れて思い悩んでいるときに美風さんが話してくださったこと、アドバイス
    それは息子さんへの愛情とまったく同じであったことを深く感じています。私にも深い愛情を持ってくださっていることに感謝しています。

    むそう塾でお世話になり3年目になりますが、最近やっとなにか緊張したりすると、わたわたおたおたして、氣が上にあがりテンパってへんな行動をしてしまう自分を発見しました。(おそ過ぎですね)

    そして人と比べる自分(人にどう思われるかを一番気にした行動)から卒業して、自分がどうなりたいのかしたいのかをよく考えるようになりました。
    嫌な氣持ちになったときに、違う視点に立つ。これもとても難しいのですが、丹田を意識しながらそこに目をむけることをやめる練習をしています。

    馬には乗ってみよ人には添うてみよ

    この言葉を心から信頼できる友人に以前言ってもらったことを思い出しています。

    外は陽性でも中はとても陰性な私が誰かを信じて添うことで
    良い意味での陽性な人になりたいと思っています。

    息子が外に出て寂しくてふわふわしていましたが、周りの人生の先輩がたが
    私が寂しいと思う以上に外に誘い出してくれます。自分がかわることで
    周りもかわっていくことをとても感じています。

    息子さんの記事には、過去何度も私と息子を心丈夫にしていただきました。

    本当に記事にしてくださりありがとうございます。

     私もどんなときも子どもの見方でありたいと思っています。大きくなったとき
    誰かに愛された安心感を持って生きていって欲しいからです。それは私が子ども時代には手に入れられなかったものだからです。

    • マクロ美風 より:

      みちよんさん、おはようございます。
      きっとあなたからコメントをいただけると思っていましたよ。

      「お母さん、ぼくね、お胸に電気がつかないの・・・」の言葉を息子は憶えていないでしょうが、私は一生忘れません。
      住み慣れた自然たっぷりの町から、人口の多い街のマンモス校に転校してすぐ、帽子を隠されたりいじわるをされたので、そういう状況を生み出した親の責任もあると思ったからです。
      担任の先生のお話によると、いじわるをした生徒は家庭に問題のある子どもということでしたので、可哀想に思いました。
      幸いに仲良くしてくれる友達ができたので、心からありがたかったし、友達の大切さを痛感しました。
      その友達とは今も一番の仲良しで、本当に救われています。

      >私もどんなときも子どもの見方でありたいと思っています。大きくなったとき誰かに愛された安心感を持って生きていって欲しいからです。それは私が子ども時代には手に入れられなかったものだからです。

      息子さんは立派に巣立って行きましたね。
      むしろお母さんの方がメソメソしています(笑)
      息子さんのことを想うお気持ちは、氣として離れていても伝わって行きますので、安心してあなたが新しい生き方をしましょう。
      そうでないと、息子さんがあなたのことを心配しますよ。

      過去の記事にも書いたことがありますが、私は20代のとき自殺を試みました。
      でも、親に愛されて育ててもらったことを思うと、先に死ぬ親不孝を最後まで決行することが出来ませんでした。
      その時、人間は誰かに愛されている確信があると、最後の一線で思いとどまれる力が出てくるんだなと思いました。

      あなたが子ども時代に手に入れられなかったものは、今二人のお子さんにしっかり与えていますから、安心して自分のことにも氣をまわしましょう。
      お子さんたちはもう大丈夫です。
      立派に成長しつつあります。
      その成長とともに、今度は一人の社会人としてお母さんを見るようになります。
      社会人の先輩として、お子さんが憧れるような輝いた生き方をしましょう。

      誰にも大なり小なりの不満はあるものですが、それにとらわれてしまわないで、もっと自分を大きな視点から見つめてみましょう。
      自分が存在する意味、自分が生きる意味、それがはっきりしたらもっと落ち着けるはずです。
      生きるということは割り切ることでもあります。
      自分の存在をありがたく思ってくれる人がいる。ただそれだけでも生きられますね。

      私は誰に愛してもらえるの?
      そんな想いがあるかもしれません。
      でも、立派にお子さんから愛されているのではないでしょうかね。
      お子さんのいない人だっているのに、あなたには素晴らしいお子さんが2人もいます。
      安心して、自信をもって、前向きに生きてください。
      雑音に惑わされないで。

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