マクロビオティックを離れて牛乳や白砂糖などを考えてみると

毎日ちょっとした時間を盗むように記事を書いているので、一気にまとまった記事に出来なくてすみません。
「マクロビオティックと子供の食事」
「マクロビオティックと白砂糖・てんさい糖などの甘味料について」
上の2本の記事の続きとして今日も書かせていただきます。

先の記事では牛乳や甘味料をマクロビオティックの陰陽で考えました。
ではもっと砕けて一般的にはどうなのかとマクロビオティックの外に目を転じてみましょう。
たとえば牛乳ですが、最近では牛乳の問題点が公にされるチャンスも増えて、一般の人でも牛乳に距離をおく人も増えました。
でもまだまだ学校給食時代から刷り込まれたものは頑固に食生活を支配しています。
そして相変わらず無頓着な人が圧倒的です。

たとえば中川さん。
中川さんはお母さんが出産後病気になってしまったため、母乳は一切飲まされておらず粉ミルクで育ったそうです。
そして小学生のころ、牛乳が飲めない人の分も飲んでいたりして相当牛乳が入っていたようです。

私はといえば、北海道の十勝でまさに牛乳を生産している家で育ちました。
しかし母は子供たちに牛乳を飲ませませんでした。
自分が美味しく感じないからという理由で。
ところが私が小学校高学年の頃、学校の教室を会場として牛乳を使った料理講習が町の主導で行われ、その後我が家が会場となって「生活改良普及員」の指導のもと、様々な料理講習が行われました。
当然牛乳料理もあったのですが、母はやはり積極的に牛乳料理は作りませんでした。

ところが母の父は毎日一升(1800cc)の牛乳を飲み、顔の色艶も良く元気にお店を経営して95歳まで現役で働いていました。
その牛乳は毎日私が届けていたのです。
私が中学生の時、学校給食なるものが始まって脱脂粉乳とパンが提供されるようになりました。
日本食の欧米化はついにこんな片田舎にも及び始めたのです。
しかし私は母の手料理の味が好きで、高校生の時から一人暮らしを始めてもずっと乳製品とは無縁の食事をしていました。

それでも私はアトピーで苦しみ、祖父は牛乳の弊害もなく、中川さんはアトピーとは無縁の人生を送っています。
牛乳は牛の血液理論からいうと人間に牛乳が不要なのは理解できます。
そして牛乳の中に溶け出る様々な避けたい成分も納得できます。
でも、個人差によってそれが体に及ぼす影響には相当ひらきがあるのが現実です。
その個人差を抜きにして頭だけで考えると、子供の場合つらい場面になることがあります。
子供の人格形成の大事な時期には、食べ物を食べ物としてだけとらえるのではなく、社会性の一面としてもとらえた方が良いと私は思います。

うちの息子は重度のアトピーでした。
血液検査をすると22種類の検査項目のうち20種類が陽性反応で食べるものがない状態でした。
今は多くのものが食べられるようになりましたのでホッとしています。
でも牛乳はずっと飲んでいません。
本人がいやだというので、学校給食でも残していました。
本能で食べ物を求めているのがよく判るのですが、度胸のなさもわかって面白いです。

次に白砂糖ですが、白砂糖の弊害は私が40年前から知っていたのに、浅はかなドジをしたことがありました。
白いのが悪いので白いパン・白砂糖などは避けるという思考回路だったため、三温糖は良いと思っていたのです。
しかし良く調べると三温糖でも着色した製品があることを知ったのはそれから1年後でした。
三温糖に使われるカラメル色素の製造方法が化学合成ならかなり危険なのです。
それからきび砂糖を使ったり様々な変遷を経てマクロビオティックにたどり着いたら、お砂糖の問題は一挙に解決しました。
大いに納得の解決でした。

しかし世の中のほとんどがまだまだ白砂糖や甘味料の弊害を知りません。
私はこの砂糖とのつき合い方を丁寧に根気よく伝えて行きたいと思っています。
あ〜、今日もこれで時間になってしまいました。
ではこの辺で。

 
 

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マクロビオティックと白砂糖・てんさい糖などの甘味料について

昨夜東京から京都に向かう新幹線の中で書いたこちらの記事は、名古屋を過ぎたあたりで大急ぎで仕上げた関係上、少し尻切れトンボになっています。
二つ目の問題としてマクロビオティックの甘味料の問題がありますので、それを追加させていただきます。
これもきょうの授業前で時間切れになってしまうかも知れませんが。

マクロビオティックをしている人が誤解しやすいのは、白砂糖ではない甘味料のことです。
つまりマクロビオティックでは甜菜糖や米飴、メープルシロップなどを白砂糖の代わりに置き換えてお料理をすると思っている人がいます。
しかし甜菜糖も米飴もメープルシロップも体を緩める作用をすることに変わりはありません。
白砂糖のダイレクトさに比べれば少しはマシということです。
確かに白砂糖より甜菜糖の方が材料に少し陽性さが加わります。
それでも体内ではまだまだ陰性な作用をします。
ですからマクロビオティックでは白砂糖はいけないけれど、その他の甘味料は良いのだと短絡的に考えないようにしてください。

実際にお料理をすると、白砂糖とその他の甘味料の違いが歴然として納得してしまうこともあるのですが、反対にその違いが「体に良いのだろう」と良い方向に解釈してしまうことが多々あるのです。
確かに白砂糖の純度の高さは体に麻薬並みに影響しますが、それも使い方次第です。
純度が高いゆえに可能なこともあるのです。
お菓子を作られるかたはその差がよく判るのではないでしょうか。

つまり、体の組織を緩める働きのある甘味料は白砂糖だけではないということに気づいてほしいのです。
甘味料の違いはお料理では即仕上がりの違いになって表れます。
マクロビオティックの甘味料を使うと往々にしてまずい方向に行きがちですが、よく研究されて良いお味に仕上げている場合もあります。
こんなふうに美味しい結果を導かない限り、味覚は白砂糖に軍配が上がってしまうことが多いです。

子供はマクロビオティックの理論なんて関係ありません。
興味があるか美味しいかで判断します。
その時にマクロビオティックの説明をしても親の価値観を押し付けるだけとなってしまい、いずれ興味のある物は食べようとします。
成長にしたがって子供には知恵がついてくるので、親の前では親の禁止するものは食べなくても、友だちの家に行ったときに見苦しいほど食べたり、デパ地下で際限なく試食したり、はたまた盗んだりすることもあります。

子供にとって体に良い物だけで育てたい気持ちはとても良く理解できるのですが、もっと長い目で見ると、子供に判断力をつけさせる方向で取り組んだ方が結果的には子供のためになると考えます。
小さいながらも自分で判断して自分で選んだことに拍手をしてあげることが大事なのであって、親の気に入る結果をとったから褒めるのではないことを親自身が肝に銘じなければなりません。
アレルギーなどがあって命にかかわる食べ物でないかぎり、食べて判断させることも必要だと思います。

ピュアな子供の味覚は、案外と体に悪いものは本能的に排除することが多いです。
お乳を飲んでいるだけの乳児さえもちゃんと母乳の味を判って飲んでいるふしがあります。
子供をなめてはいけません。
子供は汚れていないので大人より敏感なのです。
大人の頭でっかちな知識より子供の本能を信じて、その本能を殺さないことが子育てだと私は思います。

マクロビオティックを知ってしまったがゆえに子育てで苦労している人が多いので、一足先に子育てをした者として自省の念も込めて書かせていただきました。

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マクロビオティックと子供の食事

むそう塾の幸せコースや上級幸せコースにご縁があった人は、動物性や甘いものの摂り方をバランスよく出来るようにアドバイスをしているので問題ないと思うのですが、マクロビオティックを独学されたり盲信している人は時として危険な場合があります。
大きくは二つあって、一つは動物性(乳製品・玉子を含む)を一切摂らないこと。
もう一つは白砂糖でない甘味料なら良いと思っていること。
これらを厳格に守れば守るほどマクロビオティックをきちんと実践していると思っているふしがあり、仮に体調や精神状態がSOSであっても見逃してしまう危険があります。

これはあえて危険と書きましたが、まさにここから悲劇が始まる人も少なくないのです。
いわゆる特定の食品を排除した食べ方は、その人の体調に合っているときは素晴らしく効果があるのですが、ひとたび合わなくなると坂を転げ落ちるように体調が悪くなってしまう人がいます。
それはマクロビオティックで言うところの食べ方は、病気でも改善する力を持っている反面、病気にもなる力を持っていることになり、まさに諸刃の剣なのです。

マクロビオティックの陰陽がよく解らない人にご説明する時、私はよく「著しい偏食」という言葉を使います。
下手をするとマクロビオティックを実践しているのではなく、単に著しい偏食をしていただけという人に結構お目にかかります。
そこには食べる人の心身の陰陽と食べたお料理の陰陽が合っていないために起こる不協和音があらゆる不都合を引き起こしているのです。

その不協和音は重症で入院することもあるし、精神的に壊れる方向に進む人もいます。
そこまで行ってしまう前に目を醒ましましょう。
私が最も危惧するのは幼いお子さん達に親が良かれと思って排除食を実行することです。
いっぱい詰まった知識をもとにお子さんに最良と思えるお食事を用意したり、保育園や幼稚園、あるいは学校にかけあって排除食を実現してやれやれと安堵するのですが、当のお子さんは案外排除しないお食事を欲しがったりします。
特に好奇心がグングンと芽生えて来る年齢では、大人が考えている以上に子供には影を落とします。

昔マクロビオティックで立派な子育てをするんだと意気込んで、ストイックな食事で子育てをした親は、たいてい子供が成長すると反撃された例が多かったようです。
年月が経って、今ではマクロビオティック二世の不満を綴った記事もネット上には存在します。
私がリマ・クッキングスクールに通っていた時に、マクロビオティック二世と一緒に勉強しましたが、その人は親が比較的自由に食事を選ばせてくれたそうで、それが良かったらしくてマクロビオティックに興味を持って習いに来ていたのでした。

私は思います。
子育ての純粋培養は避けるべきです。
子供の目が輝くように、子供の好奇心を伸ばしてやることこそが親の仕事だと思います。
押し付けではなく選択できるように。

 
 

ちょっと気になることがあります。
マクロビオティックをしていると言っている人に多いのが、牛乳を豆乳に置き換えることです。
本来牛乳は人間にとってそんなに必要なものではありません。
作られた牛乳信仰があって、それを信じている国民がどれほど多いことでしょうか。
ですからその不要な牛乳をわざわざ飲むことはしなくても良いのですが、マクロビオティックを知るとそれを豆乳に置き換えてお料理をしたり、牛乳のように豆乳を飲む人がとっても多いです。

でも、牛乳と豆乳の陰陽は異なります。
それを忘れて牛乳の代替品として豆乳を使うことによる体調不良が多く見受けられます。
これはもう陰陽をいかに理解していないか、この一点に尽きます。
マクロビオティックは決して動物性を排除するものではありません。
必要なときには動物性も取り入れます。
陰陽のバランスを取るために。

何事も絶対ではないこと。
相対的に考えることがマクロビオティックであることを忘れないでください。

 
 

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「塾生の声」麗可ちゃんの場合

麗可ちゃん(2−1)から感想文が届きました。
Twitterでは「reika41」さんです。
彼女は出汁巻き玉子の練習に熱心に取り組んで、焼き上がる玉子をご近所さんに試食してもらううちに、次々と人のつながりが増えて行ったようです。
出汁巻き玉子の練習はまだまだ続くそうで、今度はどんな展開が待っているのでしょうか?


【幸せを呼ぶ出し巻き玉子】

私はマクロビオティックを始める前から卵料理が大好きでした
出し巻き玉子に関しては、プロに作って頂く物として時々外で食べていました
むそう塾に通うようになって中川さんの出し巻き玉子を初めて頂いた時、そのあまりの美味しさに感動しました
2012年3月出し巻き玉子講座に参加させて頂きました
料亭のお味やプルプルの食感に恋い焦がれ、少しでも中川さんの出し巻き玉子に近付きたい、その一心で毎日無我夢中で練習しました
講座の日も帰宅してからも玉子を飛ばしてばかりでなかなかうまく出来ませんでしたが、そんな私に中川さんは根気強く指導を続けて下さりました
鍋を上に上に上げ過ぎて火から遠のいてしまう私に、肘紐を使ってのオーダーメイドの練習方法を教えて下さりました
玉子を直火で焼いたり、鍋を振ろうと力み過ぎて左肩が上がらなくなったり色々ありましたが、ある時ふと力みが取れて無重力を体験する事が出来ました
それまで箸で出し巻き玉子をビャーっと投げていましたが、鍋を振って返す事が出来るようになりました
練習し始めて1ヶ月位経った頃、感動の一瞬でした

その後腱鞘炎からバネ指になり箸やフライパンが持てなくなり、練習が出来なくなりました そして、久しぶりに練習した時は恐ろしく下手になっていました
あれだけ練習したのに、練習量に支えられていただけで自分の物にはなっていませんでした

2012年12月の幸せコースで再度習うチャンスを頂きました 講座では緊張して、慌てて、失敗してと散々でしたが中川さんの的確なアドバイスの元練習していると、どんどん上達して行きました

これまでは上手く巻こうと思い過ぎて力んでました。傲慢でした。
ブログに掲載して頂いた時はリラックスしていて、ただ玉子液や巻かれていく玉子を見て赤ちゃんをお布団に寝かせるように優しくふうわり巻いてました
出し巻き玉子は卵料理ではなく、玉子が出汁をたっぷり抱く出汁料理だと教えて頂いた事もとても参考になりました

ふうわり巻かれた出し巻き玉子は、私達に幸せを運んで来てくれました
ご近所の方々や同僚に試食をお願いしたら、皆さん喜んで食べて下さりました
お帰り~、行ってらっしゃい等と声を掛けて下さったり、実家からお野菜を送って来たと届けて下さったり、都会でもご近所付き合いが出来るようになりました
お子さんが出て来て『お父さん、麗可さんがたまご持って来てくれたよー』と大喜びしてくれたり、遊びに来ていたご両親が出て来てお礼を言われたり、朝食後おもちゃで遊んでいたお子さんが、おもちゃを投げ捨てて出し巻き玉子めがけて飛んで来て食べてくれたと言う話や、つわりで食欲がなかったのに2切れも食べてしまったと言う嬉しい話もありました

夫は会社のスピーチで出し巻き玉子の話をして希望者に試食してもらい会社での人間関係が広がりました
職場の方々から感想を書いたお手紙も頂いて感動しました
夫より昨年の納会に出し巻き玉子を巻いて欲しいとリクエストをもらいました
スピーチを聞いて氣になっていた方々も食べて下さり、とても美味しかったと感想をもらったと夫から嬉しそうに報告を受けました
夫の両親が引っ越しする時には、お世話になったご近所の方々にお持ちしてとても喜ばれました
私の母は一人で暮らしています。時々練習した出し巻き玉子を沢山持って行きますがお世話になっているご近所の方に喜んで頂き、親孝行も出来て良かったです

形には残らないけど、心に残る物
思わず笑顔がこぼれる幸せの出し巻き玉子
財産になるようなお料理を教えて頂きました
本当に有り難うございました 食べて頂きたい方がいるので、さらに上を目指して頑張ります
これからも、どうぞよろしくお願い致します
(原文のまま)

 

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カテゴリー: むそう塾の雰囲気(塾生の体験談を含む) | 8件のコメント

富士山

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(田貫湖から臨む富士山の眺め 2013.1.1撮影)

むそう塾生のIs(26−7)さんが、実家に帰省されたおりに写された富士山の写真を送ってくれました。
Twitterでは「arinkoyuko」さんです。
目が覚めるような美しさの富士山を、あなたにもプレゼントします。

 


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