私はどうも無頼派に心が踊る性格らしい(笑)
好きな作家もそんな人が多かった。
私の中に流れるそんな一面は、きっと曽祖父や曾祖母の血をひいているのだと思う。
明治の人の精神面は、昭和の人間である私にも影響している。
夫と結婚する前、1冊の本を貸してくれたことがある。
これがまたロマンチストな内容で、私とは相容れない内容だった。
でも、ちゃんと読んで感想を伝えた。
その本の内容を絶賛しなかったから、夫はちょっと寂しそうだったけど。
結婚してから知ったのだが、夫は大学時代に某劇団に所属していて、卒業するまでにデビューできなければ就職しようと思っていたそうだ。
少し話を聞いていると、夫は案外夢見がちな性格だと知った。
そんな話をしたあと、夫のことを「夢見る夢夫さんだから」と言いながら、二人の性格の違いを認識することがあった。
だから、夫と結婚してからの私は、平和に静かに暮らして来れた。
これはひとえに夫の穏やかな性格によるところが大きい。
穏やかというのは、なんと幸せなことだろうか。
貴重な財産だと思った。
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先日亡くなった伊集院静さんの言葉で、気になるものがあった。
>人が見て陳腐、愚かに見えるものの中にこそ真理が隠れている。
>寿命が100歳になろうかという時代です。
>サラリーマンは定年からが第二の人生じゃなくて、そこからもう一度人生をやり直すくらいの気持ちじゃないと。
無頼派と呼ばれた伊集院さんの言葉には、時々ハッとする刺激をもらってきた。
75歳になった私も、この「人生をやり直す」という言葉には心を動かされる。
そんなふうに思うと、なんだか勇気や希望が持てるようになって来るから不思議だ。
もっと頑張ってみよう。
(京都の空 風強し)