・書名:「免疫療法に近づくな」〜長生きするなら「免疫力」より「抵抗力」〜
・発行:亜紀書房
・価格:1300円+税
癌に関する著書で有名な近藤誠医師の本ですが、その内容があまりにも具体的なので、参考のために記事にします。
免疫療法に対する反論が具体的な事例を通して多く書かれており、身近にいる癌患者のために、あるいは自分がもし癌になった場合の選択肢を考えるには良い内容です。
特に第九章の「<免疫力>より<抵抗力>を大切に」には重要なことが書かれています。
ー引用はじめー
病原体は「非自己」であるので、免疫システムはこれを攻撃し、排除します。しかし、がんは自分自身の一部であり、「自己」そのものなので、免疫はがんを叩けないのです。
がん腫瘍には、一センチの大きさでも、一〇億個のがん細胞が詰まっています。一〇センチならば一兆個。がんがその大きさにまで育ったのは、免疫ががんに負けたなによりの証拠です。それなのに、億個、兆個のがん細胞を免疫で何とかしたいというのは、発想からして無理があります。
ー引用おわりー
なお、「免疫力を落とさないためには栄養が重要」という考え方をもとに次の文章があるので、マクロビオティックを知っている人たちが不安になるかも知れません。
近藤医師は、若杉友子さんの「長生きしたけりゃ肉は食べるな」の本と菜食中心生活に触れていて、菜食中心の食事療法に反対しています。
ー引用はじめー
しかし、前述したように、菜食で健康になり、免疫力が上がることはありません。それどころか、動物性タンパク質を避けて菜食中心にすると、たいてい痩せてきますから、寿命を縮めてしまうでしょう。
がん患者の場合は、特に危険です。菜食中心にして体重が落ちると、がんが爆発的に増殖する恐れがあるからです。
ー引用中略ー
克己心が強いと、あまり美味しくもない食事療法を徹底的に実行してしまい、体重が激減し、がんの増殖が速まるのでしょう。
だから、がんにかかったら、食事療法には目もくれず、エビ、トロ、ステーキ、ウニ、ウナギ、とおいしいものをいっぱい食べて、体重維持を図るのが、延命するためのコツだと思います。
ー引用おわりー
* * *
免疫療法に問題提起し、食事療法にノーと言い、最後がエビ、トロ・・・の方向に行くあたり、いかにも近藤医師らしいです。
と同時に、お医者さんと食べ物ってまだまだ仲良くなれないんだなぁと思います。
いかに一つだけを信じることが危険かお分かりですね。
私はこの本から「免疫力」と「抵抗力」に対する自分なりの見解に答えをもらった気がします。
かねがね感じていたことですが、それで間違いないと思えるものでした。
近藤医師は「ちょっと太目」の方が抵抗力があると書いています。
それは私とて同じ実感です。
太り過ぎるメタボは問題ですが、痩せていることを美しいと思わせる風潮も問題です。
ガチガチの菜食一辺倒ではなく、穀物と野菜をベースにして陰陽バランスを調え、適宜動物性も組み合わせるというマクロビオティックの考え方は、痩せ過ぎを生みません。
もし痩せすぎているなら、食べ方をはじめとして心のありようも問題です。
ぜひ「ちょうど良い」を目指して陰陽バランスを調え、心身の調和もはかりたいものです。
美風さん、こんばんは。
今日もためになる記事をありがとうございます。
おばが末期癌だったとき、私も色々調べて免疫療法を知りました。
そしてこれはやってみた方がいいのかどうだろうかと
おばの家族とともに迷いましたが、なんとなく皆で気が進まず、
結局やらずにおばは亡くなりました。
でもやらなくて良かったのだなと、この記事を読んで思うことができました。
しかし一方で後悔していることもあります。
それは愛猫の晩年、伝染病のワクチンを打ってしまったことです。
室内飼いだったのであまりワクチンを打たなかったのですが、
高齢になり、動物病院への出入りが増えたので、他の猫から
病気がうつることがあるかもと考えて打ってしまいました。
19歳まで元気だったのに、ワクチンのあと一気に老けて
いったのを覚えています。
あれも今思えば、間違った「免疫療法」の1つであったと思います。
もう免疫が弱っているいのちと、健康ないのちとは
全く違うのだということ。
今日はこの大切なことに改めて気づかせていただきました。
これを頭に叩き込んで生きていきたいです。
そしてさらに陰陽バランスのよい食事を心がけたいと思います。
erinkoさん、こんばんは。
おばさまのことでは色々迷われたことでしょうね。
がん治療については多くの情報が出まわっていますが、案外「何となく気が進まない」というのは正しいことが多いのです。
人間の長年の直感力は大切にした方が良いです。
本来の病気で亡くなるのではなく、治療で精魂尽きて亡くなるのはあまりにも可哀想です。
元気なうちに、もっと命のあり方を正面からとらえておくことが必要だと思っています。
猫での経験は、同じ生き物として教えられることがありますね。
飼い主に身をもって教えてくれたのかもしれません。
私も含めて陰陽バランスの大切さを痛感します。
美風さん、お返事ありがとうございます。
特に、猫のことは、私も同じように考えておりました。
「彼」が教えてくれたことで、ワクチンをこわいと思える自分になれた気がしています。
それを思うと涙が出ますが、いつか母親になれたら、美風さんのように
「打たない」という選択肢を選べるお母さんになりたいです。
erinkoさん、こんにちは。
猫は人間より体が小さいので、反応も早く出るんですよね。
ですから、人間の場合なら時間の経過で見落としたかも知れないところも見せてくれたのかも知れません。
病気にもよりますが、その時に最も負担の少ない選択肢を選べたら良いなと思います。