身土不二と一物全体

マクロビオティックでは「身土不二」と「一物全体」を大切にしています。
そこで、お住まいの地に無農薬野菜を扱うお店がない場合、どのようにして買ったら良いか悩んでいらっしゃる人も多いことでしょう。
Kさんから次のようなご質問を受けました。
皆さんと一緒に考えたいので、記事にさせていただきます。
<Kさんのメールより>
私が居住する地域は農家が多く、地元産直JAショップなどもあり、
いわゆる「無農薬有機野菜」の店はほとんどありません。
25キロ車で走って出かけても、枯れかけていたり、高価で毎日買うこともできません。 
スーパーの野菜も、震災後、北海道(大根・キャベツ・人参)、青森(牛蒡)、群馬(キャベツ・白菜)長野(レタス)といった具合で地元産のものは消滅しました。
香川は有名なレタスの産地でもありますが、いままで見たこともない産地の野菜ばかりになりました。
桃も梨も初物は近県で採れたものでしたが、今年は福島と栃木でした。

さすがに、旬になりますとかろうじて小松菜やほうれんそう、ブロッコリーなどは地元産になってきました。
大根もキャベツもレタスも白菜も地元産はまだ出ません。
マクロビオティックでは「地産地消、一物全体」と聞きましたが、無農薬ではない食材を根も皮も取らずに刻んだりして不安でした。

元々、選択肢はあまりありませんが、何を選択すればいいのか、わからなくなります。
子供の下宿には「△△」という宅配を利用させています。
私は、できるだけJA産直品を購入していますが、農薬に関してくくりのあるものではありません。

美風さんはどんな風に選択していらっしゃるかとずっと思っていました。

<マクロ美風より>
Kさんのお気持ちは良く分かりますが、そんなに神経質にならないようにしましょう。
マクロビオティックを知ってしまうと、どうしても農薬や栽培方法のことが気になりますが、近くにそのような食材がない場合は、可能な限りで用意するしかありません。
あなたがお住まいの地には、「ちろりん村」さんや「らびっと」さんがありますが、ご利用なさったことはありますか?
そして、もし農薬のかかったお野菜であったとしても、よく洗ったり皮を向いたりしながら、ありがたくいただきましょう。
少々のことは玄米が体外に排出してくれますから、柔軟にマクロビオティックを出来るようになりましょう。
「無農薬・有機」の二文字にこだわるのではなく、もっと食材から直接受ける生命力みたいなものを感じ取る訓練をなさると良いですよ。
つまり、文字で選ぶのではなく、波動で選ぶ感じですね。
それから地産地消と書かれていますが、身土不二としてお答えしますね。
身土不二を厳格に解釈すると、東京の人は途端に調達困難になります。
ですから、できれば地元産が理想ですが、今年は特に流通の関係で全国のあちこちから集まって来ます。
主食のお米はなるべく近県のものを召し上がっていただきたいですが、その他の食材に関しては離れた土地からのものでも良しとしましょう。
出来れば国産であること。
その程度まで譲歩しても今の時代は仕方ないのかなと思ったりします。
いざというときにはどんな物を食べても生きられる体が必要なのであって、あれこれ選びすぎて抵抗力のない体も、ある意味では困ることもあります。
食材を選ぶことは大事な視点ではありますが、もっと大事な視点があります。
それは、いかに感謝をしていただくかということです。
農薬云々ではなく、目の前にある食材と、それをお料理させていただける健康と、食材の命をいただくことへの感謝の気持ちを持っているかどうかです。
最後にお値段のことについて書きます。
「高価」と書かれていましたが、生産する人の労力や想いまでを考えた場合、果たしてそれが高価なのでしょうか?
2個のキャベツがあった場合、Kさんは迷わず安い方を選びますか?
なぜ値段の差があるかを考えますか?
買うという行為は生産者を支持するということです。
あなたが支持したい人(あるいは企業)の物を買うことが本来の買い方です。
この考え方が基本にあれば、買い方で迷うことはないと思います。

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コメント

  1. 中川善博 より:

    こんばんは
    私はこのKさんの文面から心配になったのは「さすがに旬になりますとかろうじて・・」の部分です。
    農薬の有無や値段よりもまず「旬」のものを上手に食べることが自然からのエネルギーを頂けるという理をお分かりで無いようです。 無農薬なら南半球の季節外れでも良いのか? 良くないですよね。 上手に旬と付き合って生きて欲しいと感じました。

  2. マクロ美風 より:

    中川さん、こんばんは。
    早速のコメントをありがとうございました。

    私は旬を召し上がるのは食の大前提として、当然把握なさっているのだと解釈しておりました。
    若い学生さんではないのだから。
    ましてやマクロビオティックでの大前提でもありますから。

  3. いずみっち より:

    美風さん こんばんは。

    私も同じようなことを思っていたので、大変興味深く読ませていただきました。

    私が住む地も農家さんが多く、スーパーの一角にも地元農家さん作の農作物のコーナーがあるほど。それがとっても活き活きしていてエネルギーに満ち溢れてて…何より美味しそうなんです。

    波動を感じられているかどうかはわかりませんが、自然と欲するこの感覚を大切にしていきたいと思います。

  4. マクロ美風 より:

    いずみっちさん、こんばんは。

    おお、それはいいですね~。
    そのお野菜はお子さんに食べてもらうと答えが出ますよ。
    お子さんは本能で召し上がるから、波動の良し悪しを感じ取ってしまいます。

  5. げんたろう より:

    ワタシは皆さんの書き込みも含め、拝読したところ、大いに納得するに至りました。

    ワタシも時々、JAが運営する直売所にも行きますが、
    我が県はJAS認定ではなくとも、無農薬や減農薬に拘る農産物を比較的多く見つけることが出来るので、恵まれているのかも知れませんが、
    基本的には自分自身の舌を頼りに選別しているので、
    ちょっとでも苦味があれば、これは窒素を入れ過ぎたなとか?芋を洗うだけでも何の抵抗も無ければ、
    無農薬を謳っていても手が痒くなるような物もあるので、自らの判断を頼りに選別し、過ごしております。

    また、確かに子供の本能は馬鹿に出来ず、大人が食べても旨いだけでなく、質の良さが判る物はモリモリと食べますし、
    ちょっとでも品質の劣るものは見向きもしませんからね。

    ちなみに甥と姪は普段パンを食べないのですが、我が母が焼いた硬いパンだけはなぜか食べるので、
    焼きあがったら即、東京へ送っているのが現実です。

    それと農産物を売る店について一つ。

    ワタシは典型的な地方都市の住んでいますが、
    ちょっと拘りのある、高級志向のスーパーでよく買い物をします。

    そこではトマト等を買うことが多く、
    ワタシはいつも皮を剥かずに食べますが、それで苦味を感じたり、気分が悪くなった記憶はありません。

    真土不二で言えば、人は他地域へ旅行すればその土地のものを食べるわけで、
    わざわざ地元の食材を持参する人は稀にしか見られないかと思いますが、
    ワタシはタマに遊び心で他地域の物産展などあったらそこの地域の興味あるものにも手を出しますし、
    一つの旅行気分で真土不二に反する食材を楽しんで食すこともあります(笑)

    昔のように移動するのに何時間も掛かった時代ならともかく、
    今は新幹線や飛行機もあり、人の移動も昔の基準では考えられない速度で可能になった時代ですから、
    人間も食の観点からそこに対応する術も必要なのではないかと思う部分も持っております。

    それでも今のほうが地元産の食材を大事にする気持ちは強いですし、
    それで季節を感じることが出来ますからね。

    東京人で面白いなと思ったことは、生まれ故郷の食材を食すようになった人のことで、
    身体の中のDNAがそれを覚えているし、例え今現在住む場所は故郷から離れていても、忘れることが出来ない本能が働くのかな?と思ったことです。

  6. たけ より:

    僕は自分で米と野菜を自給する前は、地元の朝市で野菜とお米を買ってました。

    農薬を使っている生産者も自給分は、無農薬、有機肥料で栽培してることが多く、はねだしの野菜や無農薬のはざかけ米を売っていることがあります。

    農家の人が多い地域であれば、朝市もある可能性は高いと思います。

    JAとかで売っている野菜とかも栽培方法が何も書かれてなくても無農薬で栽培してる物もあります。
    有機JAS認証の申請料はすごく高い(一品目につき五万円から二十万円)ので有機JAS付けない人の方が多いです。

    JASマーク付いてなくても、それ以上にこだわった農法で作っている人の方が多いですよ。

    朝市で農家の方と直接話してみると良いと思います。
    朝市とかなければ、JAの産直に出している生産者の畑に見学に行くのも良いかと思います。

    朝市に行く事で、その地方でどういった野菜が、どういった時期に作られているかも自然にわかるようになると思うし、地域や農家の方とも良い関係が築けると思います。

    農薬、化学肥料=悪ではなく、若い農業の担い手や自給する人が少なくなった背景に問題があると思います。

    農業はほとんど利益の無い仕事なので、このままでは高齢化は進む一方です。消費者が買い支える事で支援出来ると良いですね。

  7. えくりゅ(38-1) より:

    美風さん、こんばんは。
    ご無沙汰しています。

    記事を拝見しまして、文中のKさんは香川県の方と推測致しました。

    香川県も、この数年で有機野菜など取り扱う店舗は急速に増えつつあります。
    高松市内でしたら、ちろりん村さん、らびっとさんの老舗に加え、春日水神市場さん、ナチュラルスタイルさん、オーガニックビオスさん(西村ジョイ内)、どんぐりやさんなど。
    中讃以西ではポパイさん、こだわり市さん。
    その他、一般のスーパーで有機野菜のコーナーがあるお店もあります。

    また、私は高松市在住ですが、市内の各所に貸し農園があり、私も利用している一人です。
    今の時期でしたら、大根や葉物などは自家製野菜で十分賄えます。
    今年初めて借りてみましたが、初心者でも何とかおいしいお野菜を育てることが出来ています。
    そして、自分で無農薬野菜を育ててみて、それがいかに難しいことであるか痛感する日々です。
    ましてや、完全有機でお野菜を育てることは、素人には不可能に近いです。
    それを思えば、有機野菜のお値段は、十分納得の範囲と考えられるのではないでしょうか。

    私がマクロビオティックを実践できているかは別として、マクロビ実践者にとって香川県はそんなに住みにくい土地ではないと思っています。
    同じ香川県民として、僭越ながら、私の情報が少しでも役に立てばと思い、コメントさせて頂きました。

  8. ぴよぴよ より:

    どうもありがとうございました。
    選びあぐねるということは、私に見る目がないのだと思います。
    そして有機・無農薬と、もうひとつの汚染問題と一緒にした文章にしてしまいました。
    産直市場で旬のものをいただいておりますが、震災後、表示される産地が激変してきたので戸惑いました。
    先日、椎茸昆布がどうしても習ったとおりにできないので、中川さんに購入先を教えていただきました。海産物専門の店やデパート、あれこれと捜し求めて買ったどれとも比べ物にならないくらいの実にきれいな昆布でしたので本当に驚きました。作る前から、これは出来上がりが違って当然と思えました。本当にいい勉強になりました。
    ものを見る目を養いたいと思います。
    ありがとうございました。

  9. ぴよぴよ より:

    えくりゅさん、
    ありがとうございました。
    こだわり市というお店は知りませんでした、行ってみます。
    ありがとうございました。

  10. ぴよぴよ より:

    朝、読み直していまして
    間違った表現に気がつきました。
    一気にたくさん出回り出したことを
    「旬」と書いてしまいました。
    旬の食材ではありませんでした。
    すみません。

  11. マクロ美風 より:

    げんたろうさん、こんばんは。

    >東京人で面白いなと思ったことは、生まれ故郷の食材を食すようになった人のことで、
    身体の中のDNAがそれを覚えているし、例え今現在住む場所は故郷から離れていても、忘れることが出来ない本能が働くのかな?と思ったことです。

    私は北海道出身ですが、片時も北海道の味を忘れたことはありません。
    いつも私のDNAと日常を支配しています。
    幼い時の味もよく憶えているものです。
    それは今の味が故郷の味を上書きするのではなく、故郷の味と今の味が二列で並んでいる感じです。
    ということで、今の私は北海道の味と東京の味と京都の味の三本立です~\(^o^)/

  12. マクロ美風 より:

    たけさん、こんばんは。

    >JAとかで売っている野菜とかも栽培方法が何も書かれてなくても無農薬で栽培してる物もあります。
    >有機JAS認証の申請料はすごく高い(一品目につき五万円から二十万円)ので有機JAS付けない人の方が多いです。
    >JASマーク付いてなくても、それ以上にこだわった農法で作っている人の方が多いですよ。

    そうなんですよね。
    ここが大きな問題だと思うのです。
    消費者が賢くなって、文字から選ぶのではなく、生産者とつながりながら買えたらどんなに素晴らしいことか!
    もっともっと消費者一人ひとりの意識改革が必要だと痛感します。

  13. マクロ美風 より:

    えくりゅさん、こんばんは。

    詳しいお店情報をお寄せくださってありがとうございます。
    私の香川県の印象が大きく食い違っていなくて良かったです。
    こうして情報を交換し合えて、Kさんが良いエネルギーのお野菜に出会って欲しいなと思っています。

  14. マクロ美風 より:

    ぴよぴよさん、こんばんは。

    皆さんに情報を寄せていただいて良かったですね。
    ぜひこの機会に食材選びについて考えてみましょうね。
    ちなみにむそう塾がお料理教室で用意する材料は、中川さんの目で厳しく選ばれています。
    それはお料理のプロとしてだけではなく、体に安全な物を使用するという大前提があるからです。
    それらのことは幸せコースでみっちりお教えいたしますので、楽しみにお待ちください。

  15. ぴよぴよ より:

    おはようございます。

    美風さん、深夜にもかかわらずコメントをくださり、ジーンとしています。いつも本当にありがとうございます。

    えくりゅさんが自分で作っおられることは、私の漠然とした将来の夢でしたので、「今やろう」と思いました。えくりゅさん、ありがとうございました。

    あっという間に幸運な運びで、畑も道具も貸していただけることになり、野菜作りの基本から教えていただけることになりました。ひときわ目を引いた収穫後の黒い土は有機の堆肥で、その土一つからも色々なお話を伺うことができました。自分で育てながら学んでみようと思います。
    どうもありがとうございました。

  16. マクロ美風 より:

    ぴよぴよさん、こんにちは。

    メールをオープンにすることで、色々な情報を共有することができて良かったですね。
    畑をお借り出来るようになったそうで、素晴らしいです!
    これからは自然からたくさんのことを学んでください。
    Twitterでのご報告も楽しみにしています。

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