命の連綿

母親って不思議なものです。
子供が何歳になっても母親なんですよね?。
当たり前の話ですが、きのうはそれを実感したのでした。
息子の部屋に洗濯物を置きに行った時のこと。
ベッドでお昼寝をしていた息子をみて、あれ?っと思ったのです。
タオルのケアラベルの部分を触ったまま寝ているではありませんか。
この姿に母の私は一気に22年前までタイムスリップしてしまいました。
息子は赤ん坊のときに、タオルがお気に入りでした。
お気に入りのタオルがないと泣きます。
そのタオルがあると安心したように眠ります。
ですから、同じタオルを何枚も用意してお洗濯に備えたものです。
その話をベビー布団を作ってもらったお布団屋さんで話をすると、「あら、ウチの息子なんて25歳になるけど、いまだに毛布の端っこをもってウットリしてるよ?。大人になっても残るみたい。」と、赤ちゃんのときに毛布の端が好きだった息子さんの話をしてくれました。
外出するときには毛布を持って行けないので、置いていったところ、大泣きされて大変だったから、毛布の端っこを切って持って行くようにしたら泣かなくなったとか。
へ?、そんなこともあるのかぁ、なんて思っていたのですが、息子のタオルはまさにその毛布の端っこと同じ状態でした。
小さいときの写真には、タオルを手にした息子の姿が、あちらにもこちらにも(笑)
             *    *    *    *
じーっと観察していると、息子はタオルの感触だけでなく、衣類についているケアラベルが好きなのでした。
ケアラベルって品質表示や取り扱い表示が書いてある小さなラベルで、お洋服の脇やタオルの端など色んな繊維製品についていますよね。
通常はナイロンタフタかポリエステルサテンに印字してあるのですが、息子はポリエステルサテンの方がすべりが良くてお気に入りでした。
それも輪になっているものがお気に入り。
そのラベルを右手の親指と中指でクチュクチュとこすり合わせるのが、彼にとって最も心休まる至福の時間なのでした。
きっと中指の腹のセンサーが鍛えられたことでしょう(笑)
22歳になった息子が、このケアラベルに手をやって眠りこけている姿は、形は大きくなっても22年前の乳飲み子の時となんら変わることのないものでした。
子供が寝ているときの姿や顔は、本当に愛しいものです。
もう腕の中に抱きしめきれる大きさの息子ではありませんが、私の気持ちは息子を抱きしめてやりたい思いにかられました。
22年前にお布団屋さんの奥さんがおっしゃったあの言葉は、今の私の気持ちと同じだったんだろうなぁと思いました。
私が子供の親になっても、私の母は私を子供時代と同じように躾をしようとします。
母は何歳になっても子供がいる以上、一生母親の意識なんだと思います。
嬉しいことも親としての責任も、死ぬまで続くものなんだと改めて認識しました。
逆に、親が生きている以上、私は何歳になっても子供で、親の前に出ると甘えたくなるのでした。
母親の膝でうたた寝をした幼い日の記憶とともに、母親の匂いのようなものが蘇ります。
こうして命は連綿と受け継がれていくのですね。
息子のお昼寝姿を一瞬見たことで、色々なことに思いが巡ったひとときでした。

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コメント

  1. てるこ より:

    美風さん、心の温まる記事をありがとうございます。
    美風さんと同じ想いを抱いていても、
    実際に面と向かっては、なかなか言葉にできないものですよね。

    私が慮ることができずにいたところ、
    今の私にまさに足りなかったところ、
    それを今感じることができます。

    ちなみに私もタオルがお気に入りで~す。
    枕の上にタオルを敷いて頬ずり+タオルケットをナデナデしながら眠りにつきます(笑)。

  2. てんこ より:

    美風さん、こんにちは。

    我が家の息子もお気に入りの綿毛布があります。
    疲れた時、眠い時。。。その綿毛布にくるまって、うっとりしています。(いまだに指も吸っています。。)
    先日の旅行の時、なんとその毛布を2枚持っていくと言い張って、結局えっちらおっちら運んで行きました。
    大人用ですから、結構かさばりました。
    でも息子いわく、置いて行くなんてかわいそう、連れて行かないなら自分も行かない!とのこと。
    息子の愛着を大切にしてあげたかったのでちょっと頑張りました。
    まだ小柄でしっかり抱きしめてあげられる大きさの息子ですから、これからももっともっとぎゅーっとしてあげたいです。

    でも、ぎゅーっと抱いて気持ち良くなっているのは、本当は私の方なのです。

  3. koto より:

    美風さん、こんばんは。

    この記事を読んで、じーーーーーーんとして思わず
    涙が出てしまいました…
    私の母もこんな気持ちで育ててくれたのかなぁ、と。

    私が小さい頃の母は、私に対して大変厳しかったのですが、
    最近ではもう叱られることもなくなりました。
    たまに、叱られた時のことが懐かしく思い出されます。
    そして、いつからか私の方が母にしてあげられることの方が多くなってきて・・・

    それでも母は、今でも変わらず私の心の中は全てお見通しのようです。

    やはり一生母は母。
    きっと、美風さんが息子さんを見るのと同じ眼差しで育ててくれたのでしょうね。

    それを思ったら、感謝の気持ちでいっぱいになって涙が出てしまいました。

  4. azukki より:

    美風さん おはようございます。

    いろいろなことを思いました。

    我が家の子供たちも「これがなくては眠れないもの」があったこと(タオルとぬいぐるみ)
    大きくなっても、寝顔は小さな子供のときのまんまだなあということ

    そして父と祖母のこと。
    父は10年前に亡くなったのですが、息をひきとる直前、薬がよく効いて眠っている父を見て祖母(父の母)が
    「まあまあ、子供のときとおんなじ顔して・・・」
    と涙ぐんでいたことを思い出しました。

    そして、幸せコース第一期の最初の日に、中川さんが披露してくださった家訓のひとつ
    「親より先に死んではいけない」
    も思い出しました。

    生まれてきてくれてありがとう
    生んでくれてありがとう
    育ててくれてありがとう
    育てさせてくれてありがとう

    いろんなことを思う今日です。
    父のお墓参り、そして95歳で気丈に生きている祖母の顔を見に、実家へ行って参ります。

  5. ふみよ丸 より:

    美風さん、おはようございます。
    いつも颯爽としてカッコイイ!イメージだった美風さんの、
    お母様としての一面に触れ、じ~~~んとしました。
    愛らしい小さなお坊ちゃまと美風ママの、ほほえましい光景が
    目の前に拡がり、とても温かな気持ちになりました。
    そして時には、いつも部屋に選択物を届けに来てくれた、
    若かりし頃の母を想い出したり。

    ちなみに、私は「ボタン」がお気に入りだったようです。
    洋裁が好きだった母は、いろんなボタンを集めていました。
    そのボタンが入れてある整理ダンスの前にたって、
    何時間でもボタンをより分けていたそうです。
    「1歳の頃は、すごい集中力だったのに・・・」とよく言われます(笑)

    今でもその整理ダンスからボタンを取り出す度に、
    1歳の頃の私を想い出すと、母からよく聞かされました。
    母もこんな気持ちだったんですね。

    素敵な記事をありがとうございます。

  6. マクロ美風 より:

    てるこさん、こんばんは。

    おお~。
    月日の経過とともに人の心は変われるんですよね。
    そして気づけるのです。
    こうしていつも前へ前へと進んで行けるんですよね。

    色んなことを時間が解決してくれます。
    これからも希望を持って生きていきましょう。

    てるこさんもタオル派でしたか~^^
    やはりタオル派がいましたね。
    それぞれの思い出をコメントしてもらったら、きっと面白い物が登場するでしょうね。

  7. マクロ美風 より:

    てんこさん、こんばんは。

    おやおや、旅行に綿毛布!
    それは大変でしたね~。
    ウチの息子はピカチュウをリュックに入れて、ピカチュウの顔を出してずっとおんぶしていた時期がありました。
    座席に座るとリュックからピカチュウを出して抱いていましたね。
    てんこさんの息子さんもそうですが、きっと自分の一部になっているのでしょうね。
    分かる気がします。

    >ぎゅーっと抱いて気持ち良くなっているのは、本当は私の方なのです。

    そうかも知れません。
    私にもそんなところがあるように思います。

  8. マクロ美風 より:

    kotoさん、こんばんは。

    お母様の想いはきっと私と同じでしょうね。
    おそらく普通の母親は、みんなこのような想いで子供を育てていると思います。
    何歳になっても親なんですね~。
    たとえ子供があの世に召されてしまっても。
    血のつながりは濃いです。

  9. マクロ美風 より:

    azukkiさん、こんばんは。

    >まあまあ、子供のときとおんなじ顔して・・・」

    泣けますね~。
    お子様が先に亡くなって悲しくない親はいません。
    その時にこのようにおっしゃるお気持ちを想うと、お婆様の愛の大きさを感じます。

    子供を育てることは自分育てでもありますね。
    育てさせてくれてありがとうという気持ちになります。
    私も子育ての機会をもてて幸せです。

  10. マクロ美風 より:

    ふみよ丸さん、こんばんは。

    おや、ボタンがお好きでしたか~。
    それにしてもそれを口にされなかったのは、凄いですね。
    小さい子はボタンを口に入れて飲み込む危険があるので、隠しておくことが多いですからね。
    きっとその頃からお行儀の良いお子さんだったのね。

    ボタンで想い出しました。
    私も洋裁が好きで、いっぱいボタンがありました。
    ボタンの箱があったのです。
    その中のボタンを見ると、今でも「あ、あの服のボタン!」と想い出せます。
    そうそう、こんな記事も書いています。
    http://blog.goo.ne.jp/macro21/e/4a6e2012a422f6058c17ca43b3b8ac92

    お母様のお気持ちは、いつまでも幼き日のふみよ丸さんのままですよ~。
    お言葉にされなくても、そのお気持ちに間違いなし!(ウッ、誰かの口調^^;)

  11. ふみよ丸 より:

    美風さん、お返事ありがとうございます。
    うちの母も、飲み込まないか心配で、ボタンの所に行ったら、
    ぞ~~っとしたそうです。
    でも、連れ戻しても「行く!」と言うてきかへんし、
    目を輝かせて夢中でボタンで遊んでいる姿が可愛くて(←親バカです)
    しょ~がないので、付きっ切りだったようです。
    気の毒~~(笑)

    「想い出のボタン」の記事読ませていただきました。
    素敵やわ~、美風さん。
    益々ファンに♪

    ※誰かの口調って、知らんまにうつってますねぇ
    。。。"8-(・_・;)==コワイ・・・(笑)

  12. マクロ美風 より:

    ふみよ丸さん、こんにちは。
    すみません、見落としていました。

    やっぱり、お母様はつきっきりだったのね~。
    「行く!」って、今もそのままのような^^;
    三つ子の魂は変わりませんな~(笑)

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