ありきたりのマクロビオティック料理ではなく、心に響く美味しさを!
2009年12月29日。京料理人中川善博は、可愛いむそう塾生のために、あるお料理をブログで公開しました。その名は「お持ち帰り鍋」。
その年には「陰陽ひとり立ち講座」というのがあって、3か月間の食べ方を私が指導していたのですが、これから彼氏を作りたい人のために、絶対に男性の胃袋をゲットできるお料理を気前よく中川さんが教えてくれたのでした。
このお料理は中川さんのお店でも大好評だったそうで、私も実際にいただいてみてその美味しさに唸りました。
何といってもお汁に美味しさが凝縮していて、一滴も残したくない気持ちになります(笑)
このお鍋を実際に作ってくれた塾生さんの感想がたくさんあるのですが、その中でも心を打たれたのが北海道のまりこさんの文章でした。
何気なく書かれた別記事へのコメントだったのですが、もったいないので私が記事にして残しておきました。
「美味しい力」って凄い!
この中でまりこさんは次のように述べておられます。
>義父は入院してしまい一人暮らしの寂しさから少食になっていた母ですが、無邪気に反応を返され、痛いほど食の力を見せつけられました。
> つくづく食べ物は身体にも気持ちにも糧になるものだと実感し、自分の役回りもよく見えてすっきりと嬉しかったです。
一人だとあまり食も進まないものですが、美味しいものなら進むのです。
反対に美味しくないものを食べようとするのは、ある意味で拷問みたいなものです。
一般的に美味しいというと、グルメのことをイメージされるかもしれませんが、本当に美味しいというのは、心が感動することなのだと思います。
魂が揺さぶられる感じですね。
では、一般的に知られているマクロビオティック料理にはそんな魂の揺さぶり感はあるでしょうか?
やさしいお味とか、体に良さそうとか、体の負担にならないとかいう表現が多いですね。
食材のことは充分吟味するのですが、どうもそちらに神経が行っていて、感動する美味しさは後回しになっているような気がします。
ここが今ひとつマクロビオティックが爆発的に広がらない要因のように思います。
食材の選定はもちろん大事ですが、それに胡座をかくのではなく、魂を揺さぶる美味しさを追求して、召し上がっていただくこと。
それが最後の陰陽バランスであるような気がします。
なぜなら、お料理は食べていただいてから力を発揮するものだからです。
食べてくださったあとの陰陽バランスまで考えるのがマクロビオティックだからです。
作ってお終いではないことに注意しましょう。
カテゴリー: | コメントする
男性は植物性だけのお出汁で本当に満足なのか? 体験談(1)
マクロビオティックを始めると、椎茸と昆布、もしくは昆布のみ、あるいは椎茸のみでお出汁を取ることを教わります。つまり動物性である鰹節や煮干し類は避けるわけです。
しかし一般的なお料理は和洋中いずれも動物性が何かしら入ったお出汁が多いので、私たちはすでにそれに慣れてしまっています。ですからマクロビオティックを知るとそれらを避けてお料理をして、家族からあまり美味しくないと言われた経験のある人も多いでしょう。あるいは今経験中だったりして(汗)
それはそれで意味のあることですし、体調の変化を確認できるので良いことなのですが、多くの場合は台所に立つ奥様がマクロビオティックを知って、ご家族にそれを押し付ける形になってしまうのです。そうすると、それまでのお料理に慣れていたご家族には物足りなさを感じさせることでしょう。でも、体に良いからといって動物性抜きのお出汁でお料理を作り続けるのです。もちろん、それまでたっぷりと動物性を摂り続けていた人は、動物性なしのお出汁が美味しく感じたり体が求めていたりします。それは体の声ですね。
往々にして男性は女性より動物性を好む傾向にあります。
それは男性としての行動や役割を果たすために、どうしても陽性を求めるのだと思います。動物性があるとそれだけで頑張れる気がするというか、潜在的に染み込んだ意識のように思います。でも、私はベジタリアンやビーガンを否定するものではありません。それらのスタイルで素敵な人の知り合いもいますし。
むそう塾ではマクロビオティックの理念はしっかりお伝えしたうえで、「この場合には動物性を使った方がもっと美味しくなる」という場合には陰陽バランスを考えて動物性も使用したお料理を教えています。もちろん、しっかりと毒消しした内容で。その結果、とっても美味しいお料理が出来上がって、ご家族の皆さんから大いに喜ばれています。今月の上級幸せコースのメニューである「蓮根饅頭入り餡かけうどん」もその一つで、すでに復習された塾生さんからのメールをご紹介しましょう。
<愛さんからのメール> 抜粋
「こんな美味しいうどんは食べたことが無い。
カレーうどんもすごかったけれども、これも本当に美味しい。
すごいものを習ってきたね。」と夫が感激し、その後は黙々と食べてました。
気温が下がってきましたが、二人とも体温がホカホカになり
中川さんに教えていただくお料理の力と美味しさで幸せな時間となりました。
夫は家で仕事をしていましたが、
漂ってくる香りが心地よくていい週末だったと。
むそう塾に通えることが、本当にありがたいと感じる日々です。
ありがとうございます。
いかがですか? 何だか幸せな光景が目に見えるようですね。実はこのお出汁には鰹節が入っています。お肉系は一切入っていないのですが、こんなに喜んでいただけました。その秘密はプロの料理人である中川善博の長年の経験と研究心で編み出した絶妙の材料配分にあります。それは言い換えると陰陽バランスの問題でもありました。陰陽バランスが取れていると多くの人に美味しいと感じていただけます。反対に、極端に陰陽バランスの崩れたお料理は、体調を変える目的がある時には有効です。その時の体調に合わせて陰陽を駆使して食べ物を調整するのがマクロビオティックの考え方だからです。
動物性を一切使わないお料理も良いですが、たまには最小限の動物性で喜んでもらえることも、食生活には必要だと思います。健康は知識として頭で考えるというより、体で感じる方が効果があるように思います。それはきっと、人間にはその力が備わっているからなのでしょう。伊藤慶二先生の「人の身体は常に正しくはたらく」という視点、「もし正しくはたらかない時には、その原因を自分や環境がつくっている」とする考え方が腑に落ちます。
(蓮根饅頭入り餡かけうどん 料理:陰陽京料理人 中川善博)
カテゴリー: | コメント(4)
「ゆるマクロビ」と「なんちゃってマクロビ」
マクロビオティックを始めると、動物性や白砂糖を使わずに、いわゆるマクロビオティック甘味料を使ってお料理をする人が多くなります。(本当はこのマクロビオティック甘味料も問題なのですが・・・。)
その結果、それらの食材を完全に排除出来ない人は「ゆるマクロビ」とか、「なんちゃってマクロビ」という言い方をしている現状があります。この言葉は今も主に出版関係で使われています。その意図するところは、マクロビオティックの硬いイメージを払拭して、楽しくて健康に良い食べ方を伝えたいところにあるようです。
しかし、マクロビオティックは本来、食べる人の体調に合わせて陰陽バランスを取ることが目的であって、絶対的に動物性(肉・魚・卵・乳製品)を排除したり、頑なに拒んだりするものではありません。体調によってはそれらの食材を少し用いた方が陰陽バランスが良くなる場合もあります。ただその時に気をつけたいのが、動物性の質と量、それに陰陽バランスです。毒消しもしっかりするべきです。
マクロビオティックを盲信してしまっている人は、動物性を食べることに抵抗があって、罪悪感を持つ人が少なくありません。しかし、マクロビオティックは宗教でもないし、修行僧の食事でもないのですから、あくまで体調と相談しながら食べるものを選択すればよいのです。
ただ一時期、一切の動物性を抜いたり、白砂糖に代表される甘味料を抜くことは、本当の体調を知ることになりますし、何よりもその効果の大きさに驚くことでしょう。そして、今までなんと不必要なものを多く食べていたことかと食べ物革命が起きると思います。
ですから私は、排除食の効果は一時期でも感じた方が良いと思います。
なお、「マクロビ」という言い方は、マクロビオティックの創始者である桜沢如一氏が言い出したものではありません。関西の某マクロビオティック教室主宰者がつけたもので、商標登録をしています。(いろいろな噂が聞こえてきますが・・・。)
◆参照記事
カテゴリー: | コメントする
おせち料理に思うこと
私がマクロビオティック指導校(リマ クッキングスクール)の師範科を修了してから、色々な先生の講座を受講していたとき、ある人がおせち料理でこんな体験をしました。
動物性も甘いものも排除した食生活をきっちりと3年間続けたので、もう体も綺麗になったことだろうから、そろそろ普通のおせち料理を食べてみようかなと思って、お正月に一般のおせち料理を口にしたそうです。
すると、体中にアトピーのような湿疹が出来て皮膚がドロドロになってしまい、受けていた講座も途中で休むことになってしまいました。
その後、治るまで何年もかかったようです。
あちこちのマクロビオティック指導校では、今頃からベジ仕様のおせち料理を教えるところが多いのですが、病気治しでマクロビオティックをしている人は別として、健康のためにマクロビオティックをしている人なら、一般的なおせちのように少量の動物性は含まれていても構わないと私は思います。
なぜなら、おせち料理というのは長寿や五穀豊穣、子孫繁栄などを願う意味も込められているので、それらの目的に沿った食材を使用するぐらいの柔軟性があっても良いと思うからです。
たとえば海老は長寿と出世を祈願する代表格ですし、海老の赤い色が入っているだけで重箱全体が華やかになってお正月の雰囲気が盛り上がります。
赤は縁起の良い色でもあるので、おせち料理にはぜひとも使いたい食材です。
1年にお正月だけ、それぞれのお料理と縁起にかけた先人の想いを感じながらおせち料理をいただくのも、日本文化の伝承としては大切なことだと思います。
もどき料理も結構ですが、お正月くらいはほんまもんの食材で陽を呼びこみ、勢いを感じるおせち料理が良いのではと思うのでした。
(活け車海老の具足煮 料理:陰陽京料理人 中川善博)
なお、アトピーに関する記事をブログでも書いていますので、そちらもお読みいただくと参考になるかと思います。
カテゴリー: | コメントする
必然の連続が今の自分であることを意識し、一期一会を大切にしましょう
先日こちらの記事で目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティックだと書きました。
そしてマクロビオティック料理は、見えない力を感じるための、感性を高める食事法を具現化したものなのです。
その主な内容は食材の陰陽を知り、料理方法の陰陽を知り、食べる人の陰陽と体調の陰陽を知った上で、食べるものを選択するところまで含まれます。
ですから、厳密には一人ひとりに合う食べ物が異なるわけですが、体調を改善したいときにはこれをタイトに選びます。
しかし、取り立てて不都合がないなら、陰陽バランスを重視して選びます。
なぜなら、この世の中はすべて目に見えない力(陰陽エネルギー)で包まれているので、その力に同期するような食べ方をしておく方が自然だからです。
それは私たち人間もまた自然界(宇宙)の一部であり、太陽や引力の影響を受けながら生活しているので、その力に沿っておく方が無理がないからです。
その力に反した生活の一例が宇宙船で宇宙空間に滞在することです。
無重力の世界では陰陽が逆になってしまいますから、根本的に私たちの体は狂ってしまいます。
身近な現象の一つには高山病があります。これも急に陰陽の環境が変わったことによるものですね。
ですから私たちは、自分が住んでいる所と同じ波動を受けている食材を選んで料理することによって、体に負担の少ない食べ方ができるわけです。
さらに暮らし方もしかりで、土から離れてどんどん上に伸びていく住まい方は、陰陽面からいってあまり理想的とはいえません。
地面から受けるエネルギーがどんどん弱くなっていくからです。
こんなふうに陰陽のバランスを考えながらお食事をして、暮らしていく中で、人間同士が織りなす様々な出会いがあります。
単に出会いだと思えば味気のないものになってしまいますが、これを一期一会と思えたらどんなに人生が愛おしくなることでしょうか。
明日の命があるかどうかも分からない中で出会った人たちは、かけがえのない存在で意味のあるものだと思えたら、その出会いを「必然」と思えることでしょう。
さらに目の前で起きた現象も「必然」と受けとめられることでしょう。
これらの必然に対して、どのような態度で接することができるか?
どのような判断をくだせるか?
日々の暮らしを当たり前と思わずに、必然の連続だと思えたら、あなたの生き方は変わってきます。いや、変わらなければ勿体ないと思えてきます。
そんな感性を高めるお手伝いがマクロビオティックでも可能なのです。
マクロビオティックは宗教ではないのですが、感性を研ぎ澄ませていくために陰陽を駆使します。
そのコツはただ一つ、宇宙界と陰陽バランスを同じくすることです。
なぜなら私たちの体は小宇宙であり、宇宙界の一部だからです。
生きるために食べたものの波動を受け、住んだ場所の波動を受け、接した人の波動を受け、身にまとったものの波動を受け、そんな波動の中で生きている私たち。
その波動が良いものなら結構ですが、そうでないなら違う波動に触れた方が素敵になれますね。
そんなことを見直すきっかけと答えがマクロビオティックの考え方にはあります。
すべての事象を陰陽で考え、今の自分を必然の結果と思えたら、次にするべきことが見えてきますね。
そうして、生き方が丁寧になってきます。
これが目に見えないことを感じる力であり、感性のなせる技でもあります。
カテゴリー: | コメントする
目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティック
よく「マクロビオティックをする」とか「マクロビオティックを取り入れる」とか表現することがありますが、正しくはマクロビオティックはすでに存在しているものなんですよね。マクロビオティックと呼んでいなかっただけです。
私たちが生まれるずっとずっと前、気の遠くなるほど前からこの地球には引力の影響もあったし、太陽の影響もあったし、そんな中に生命が生まれ育って来たのですから、当然私たちはそれらの影響を受けて生きて行くわけです。
好むと好まざるとに関わらず、この宇宙全体にそれらの影響は及ぶわけですから、私たち人類も、動物も、草木も鉱物も、海も山もすべて受けているエネルギーのことを理解しようというのがマクロビオティックです。
ですから、マクロビオティックはどちらかというと、気づくこと、感じること、意識することといった方が正しいでしょうね。
ですから厳密には教えてもらうものでもないし、教えるものでもありません。
あえて教えるとしたら、その気づき方です。
私たちは三次元の世界に生き、目に見える物ばかりを相手にしがちですが、実際には目に見えない力に動かされ、その中で生きているのです。
ですから、その目に見えない力を少しでも知って、目の前で起こる事象と関連づけて考えられたら、もっともっと深い生き方ができることをマクロビオティックは教えてくれています。
まるでそれはシンクロニシティの作用と同じで、自分の想いや波動が自分の世界を創っていることを気づかせ、だから自分の波動を高めようよと教えてくれているのです。
じゃあ、どうしたら波動を高められるの?という段階で、一つの方法として陰陽を意識して食べ物を整えたり、暮らし方を整えたり、考え方を整えたりするわけです。
ちなみにマクロビオティック料理は、波動の世界を目に見える形で整えようとするものですが、お料理だけがひとり歩きして、相変わらず物質社会にどっぷり浸かっている人が多いですね。
マクロビオティックをしていると言いながら餓鬼道に落ちている人は偽物です。
というわけで、マクロビオティックは、目の前で起きるあらゆる事象を「必然」ととらえて、それを生活の中で消化して行く考え方だと思った方がよいです。
ねたみの心をもてばねたみが、むさぼりの心をもてばむさぼりが、シンクロニシティよろしくやって来ます。
少しでも上昇した波動とシンクロするために、目に見えない世界を意識して暮らすこと。これが本当のマクロビオティックです。決してお料理だけがマクロビオティックではありません。ましてや排除一辺倒がマクロビオティックでもありません。
マクロビオティックとは陰陽バランスを取ること。このことに尽きます。
カテゴリー: | コメント(6)
日本に存在する二つのマクロビオティック
マクロビオティックは桜沢如一という人が、それまであった「食養」という食べ物で病気を改善する方法に、東洋哲学を加えた考え方です。
マクロビオティックが提唱された当時はこの哲学部分に共感する人が多く、陽性化する食べ方が功を奏して健康になって行く人が多かったのです。しかし、その食べ方を長く続けるうちに、体調が今ひとつになる人も多く、それはどうやら塩分の摂り過ぎではないかと思う弟子達も出て来ました。
時代は変わり、マクロビオティックが海外にも広まって行き、その一つに久司道夫氏がアメリカで提唱されたマクロビオティックは、桜沢如一氏のマクロビオティックより陰性にして伝えられました。それが日本でも逆輸入され、今ではこちら系統のマクロビオティックを実践される方が多くなりました。
このようなことから、日本には少し内容の違うマクロビオティックが2系統存在することになり、そのことがマクロビオティックを始めてからの体調の変化に影響しています。
むそう塾ではどちらのマクロビオティックも意味のある存在と認識していますが、体調不良になることだけは解消してあげたいと思っています。
もしあなたが体調不良で悩んでおられるのでしたら、食事内容をもう一度見直すきっかけにしていただきたいと思います。
カテゴリー: | コメントする
ストレスからのアトピーには陽性になれる道をつくる
塾生さんから嬉しい近況報告がありました。
このようなメールがあると、つくづくむそう塾をしていて良かったなと思います。
メールをくれたOさんは、5,6年前にストレスから全身のアトピーになりましたが、甘いものを食べていたので痒みがひどくなりました。
そこで東京にあるAマクロビオティック教室とBマクロビオティック教室に通われましたが、体調は戻らずに迷いは増える一方でした。
ストレスでいっぱいになりながら昨年の5月から幸せコースに通い始めました。
最初は横浜から京都まで通うのがやっとというくらい疲労感があって、よく泣いていました。
でも、私の話をきちんと聞いてくれて、お食事も頑張っているうちに、徐々に笑顔が出てきました。
北海道で入った温泉が彼女に大きなきっかけをくれたような気がします。
ストレスから来るアトピーは、単に食事をいじくっただけでは改善しません。
心からの開放感、自分への自信、生きていることへの手応え、当たり前の人間関係、人並みの働き、そして異性関係、それらが一つになって上手く動いていることが必要です。
ですから、単に表面の皮膚だけを治そうとするのではなく、絡まった糸をほぐすように内側から徐々に自信をつけることが効果的です。
Oさんにとってはそれがお料理だったようです。
最初は通うだけでやっとだった体力も、少しずつ頑張れるようになってきて、今は上級幸せコースで楽しそうに笑顔でお料理に励んでいます。
毎朝OBENTERSでキュートなお弁当を投稿され、色使いのセンスを感じさせる組み合わせが可愛くもあり新鮮でもあります。
このOBENTERSは凄いエネルギーの集まりで、自分を奮い立たせて前向きに生きようとする人には格好のお料理道場のようなところです。
ここで文字通り切磋琢磨して強くなって行くことで、ますますアトピーは綺麗になって来ました。
もうOさんがアトピーだったなんて忘れてしまうほど綺麗なお肌です。
ともすると、マクロビオティックは食べ物のことばかりを考えてしまう人が多いのですが、こうして全体的に人間丸ごとを包み込んで行かなければ本当の意味でも快復にはなりません。
先に通った二つのマクロビオティック教室では、陰性の方向に向かってしまったため混乱していたOさんですが、むそう塾では陰性だけでなく、陽性になれる環境を用意するようにアドバイスしました。
アトピーにとって環境の影響はとても大きいからです。
ですから、アトピーであっても食べ物だけで改善しようと思うと限界が来ることになります。
何を食べても平気でいられる弾力。
これこそがマクロビオティックの到達点でもあります。
* * *
<Oさんからのメール>
美風さん
こんにちは。
だんだんと寒くなって冬の気配が近づいてきましたね。
今日はいろいろと近況をご報告したく、メールしました。
以前も美風さんにご相談させていただきましたが、わたしは仕事のことでずーっと悩んでいました。
体調も精神的にも最悪な時に始めた仕事で、条件も働く環境も陰陽的にもとても良くない苦しい状況でした。
仕事を始めてから体調はさらに悪化して、アトピーで苦しくてまともに仕事も
出来ずフラフラになりながらも辞めるという決断すらできないほどに弱っていて
自分に全く自信を無くしていました。
そんなわたしも幸せコースに通い始めて、すこしずつ元気になって体調も改善してきました。
OBENTERSにも参加するようになってお昼が充実していると力が出てきて、
でもその力を発揮できない自分の環境がとてももどかしく思えました。
元気にはなってきたけど、それでも心がすっきりしない一番の原因は
仕事だとわかっていました。でもなかなか踏み出せずにいました。
でも、やっぱり本気で自分を変えたいと思いました。
美風さんが以前おっしゃっていた、
「自分を変えるためにはいままでしなかったことをする、いままでしたきたことをやめる。」
という言葉がとてもこころに響きました。
だから、今までしてきたことで一番自分にとって悪影響だと思う仕事を先月辞めました。
仕事を辞めたものの、特にやりたいと思うこともなかったのでむそう塾に行くためと思って割り切って働ければいいなと思っていました。
正社員がいいけど、なかなか難しいかなと思って派遣社員で今月から働き始めました。
まだ働き始めて数週間なのですが、仕事ぶりが評価され、正社員にならないかという
お話をいただました。
条件が良くなるのもうれしいですが、何よりも自分の頑張りを認めてもらったことが
とてもうれしく思います。
最初から直接雇用も考えてくれているとは言っていましたが、半年か1年くらいは
時間がかかるかなと思っていたのでまさかこれほどの急展開にはびっくりでした。
これもむそう塾での学び、OBENTERSのおかげです。
むそうべんとうは出世弁当だなと改めて実感しました。
仕事は忙しくなりそうなので不安はありますが、来月は念願のモバ味噌講座も
受講しますので美味しいお弁当とモバ味噌で乗り切りたいと思っています。
アトピーは今は驚くくらい落ち着いていて、痒みもほとんどありませんし、再発する
という心の不安も無く気持ちもとても落ち着いています。
プライベートは、誰かに必要とされて、大切にされることの喜びを感じます。
自分に自信が無かった私が一歩踏み出せたのは、OBENTERSのみなさんの美味しそうなお弁当を毎日見ていてわたしも美味しくお弁当を食べてもらえるパートナーが欲しい、という気持ちが日に日にとても強くなったからです。
仕事に夢中になり過ぎて婚期を逃さぬよう気をつけないとです。。。。
むそう塾に通い始めて沢山の変化がありましたがこれからも
またよいご報告が出来るように頑張ります^^
いつも本当にありがとうございます!
これからもどうぞよろしくお願いします!
<追記>
両親は、私が最近落ち着いてるのでとても安心してます。
去年は大変だったねーとよく話しています。
最近いろんなことが良いタイミングで進んでいて驚きます。
フラフラだった私にこんな日が来るなんて・・・。(涙)
これも美風さん、中川さんのおかげです。
幸せコースも上級も受講して本当に良かったです。
O
【注】「むそうべんとうは出世弁当」の参照記事
・むそう塾のお弁当仲間(OBENTERS)にフランクルを感じた
ブログにも関連記事があります。
「変わりたいと思うなら、今迄しなかったことをする。あるいは今迄していたことを止める。」
(上級幸せコースの一場面より)
カテゴリー: | コメント(4)
マクロビオティックの現状を把握するための過去記事一覧
私がマクロビオティックを知った頃は病気治しの人が多かったのですが、今ではライフスタイルととらえてマクロビオティックを気軽に実践している人が多くなって来ました。
それはそれで良いことですし、マクロビオティックの考え方を多くの人に知ってもらいたいと私も思っているので嬉しいことなのですが、残念なことにそのマクロビオティックが原因で体調が悪い方に変化をきたしている人が増えています。
体調というのは、精神面やお食事の影響で良い方にも悪い方にも変化します。
ですから、それらのことを総合的に考えることが必要なのですが、なかなか最初は自分の体調を正しく把握することができません。
それどころか、マクロビオティックをしているから大丈夫なんだと、頭から盲信してしまっている人が少なくありません。
その結果、体調の変化に気づかず、何かおかしいなあ?、そのうち良くなるかなあ?、と思ってマクロビオティックの良さを享受していない人がかなり多いです。
そんな人たちにぜひ読んでいただきたい記事を一覧にしてみました。
2 古典マクロビオティックとニュー(new)マクロビオティック
4 マクロビオティックの「食べたもののようになる」は本当です
5 誤解されたマクロビオティック料理から解き放たれて真の陰陽料理を
6 マクロビオティック料理教室だからこそ一番出汁の取り方を教えます
7 マクロビオティックだからこそ動物性の食べ方を教えるむそう塾
9 間違ったマクロビオティックを体験した結果たどり着いたところ
10 マクロビオティックの指導現場から(6)間違いだらけの玄米選び
11 マクロビオティックの指導現場から(7)お鍋の陰陽と玄米の炊き上がり
13 マクロビオティックの指導現場から「現代のマクロビオティック考」
16 マクロビオティックとは真の自由を実現するための考え方です
17 「マクロビオティックの指導現場から」あらゆる束縛からの解放
18 玄米を食べて甘いものを減らしていない人はミネラル不足にご注意を!
21 マクロビオティックの指導現場から(12)土鍋と圧力鍋の差と玄米の炊き上がり
23 動物性を使ったマクロビオティック陰陽弁当(塾生作品から)
24 排除の食事は緊急避難的で本来のマクロビオティックではない
25 真のマクロビオティックは動物性と共存することではないのか?
27 中川式玄米の炊き方と指導法が他のマクロビオティック料理教室と違う理由
28 マクロビオティック料理はまずい? マクロビオティックは危険?
32 この他はマクロ美風のブログ内にある体験談のカテゴリーをご参照のこと
なお、今後はこちらのサイト内にある「マクロビオティックの盲点」欄で、マクロビオティックに関する記事を更新していきますので、引き続きお読みいただければありがたいです。
カテゴリー: | コメントする
マクロビオティックの落とし穴 胡麻塩の盲信
私はマクロビオティックを知ってから、玄米ご飯に胡麻塩は必須だと思っていました。
なぜなら、そのように教わったからです。
しかし、時が経ち、多くの人の体調相談を受けていると、どうしても「その胡麻塩」が問題ではないかと思える事例が次から次と押し寄せて来るのです。
そこで、マクロビオティックの現状を客観的に直視して、むそう塾として胡麻塩に対する見解を公表しておきたいと考えるに至りました。
これは、間違ってもマクロビオティックが原因で不健康にならないように、あるいは死に至らないように、私の危機感の表れと受けとめていただけたら幸いです。
1【陽性マクロビオティックと陰性マクロビオティック】
現在のマクロビオティック指導校は、大きく分けて二つの系統に分かれますが、胡麻塩の比率が「20:1〜4:1」と、大きく異なるのが現状です。
さらに両系統の指導内容は、油と塩の摂取量も異なり、そこから「陽性なマクロビオティック」と「陰性なマクロビオティック」の二つが「マクロビオティック」という名のもとに同一視されて広まっています。
それが大きな混乱の元なのですが、胡麻塩が体に及ぼす影響をよく理解しないまま、玄米ご飯と胡麻塩をセットにして広めてしまっているため、体調が偏ってしまう人が出てきているのです。
そもそも胡麻塩はマクロビオティックの陰陽で考えるととても陽性が強いために、体が陰性に偏っている場合には特効薬となって昔の食養の世界では重宝がられました。
しかしマクロビオティックの指導者には、その陽性が過ぎて体が締まりすぎた人も多く、案外短命で亡くなっている人も少なくありません。
それは陽性になる食事を長く続けたからであり、体調が良くなったところで切り替えることをしなかったためです。
つまり、同じ食べ物を長く摂り続けるという点において、一種の生活習慣病と同じ結果になってしまったわけです。
ここがマクロビオティックの一番の欠点で、極端な食事は長く続けるべきではなく、毎日食べても体調を大きく変えない食事を提唱するべきだったのです。
昔は薬代わりになり得る可能性のある食事療法を、長い間続けたことによって死者も出たようです。
桜沢如一先生の弟子であった日野厚医師は、我が子を亡くし、自らの体験からもこの食事療法に疑問を感じ、独自の指導を始めることになったのは納得できるところです。(下段のおすすめ記事を参照のこと)
陽性になりすぎるとなかなか元に戻すのが困難です。
私も個人的に陽性になり過ぎて亡くなった人を知っています。
2【陽性マクロビオティック料理の問題点】
1)塩が多い
2)油が多い
3)根菜が多く葉野菜が少ない
4)加熱時間が長い
5)動物性食品が著しく少ない
6)顔色が黒くなりやせ細る
7)女性では生理が止まる場合がある(陰性マクロビオティックでも止まることあり)
3【陰性マクロビオティック料理の問題点 中庸の食事】
これに対して、アメリカを拠点にして広まった陰性マクロビオティックは、陽性マクロビオティックとは対照的な内容になっています。
一見すると陽性マクロビオティックの欠点を補っているかのような内容ですが、一番の問題点は塩と油を減らしすぎた点です。
白砂糖を避ける点では陽性マクロビオティックと同じですが、その他の甘味料の使用が多く、「白砂糖でなければ良い」と認識している人もいて大いに問題があります。
元々とても陽性な体調(体質)にある人なら陰性マクロビオティックでも良いのですが、貧血気味の陰性な人がこれを実践すると、陰性になりすぎて体調不良になります。
生理の止まっている人もかなりいます。(陽性マクロビオティックでも生理は止まる)
今は陽性マクロビオティックで体調不良になる人より、こちらの陰性マクロビオティックで体調不良になっている人の方が多いと推測しています。
動物性食品をたっぷり摂って来た人には、最初はこの陰性マクロビオティックで体調が良くなることを感じられるはずです。
しかし、こちらもそれで一生というのは少し危険です。
なぜなら、体の中に蓄えられていた陽性さが目減りして、段々陰性さが勝るようになってしまうからです。
つまり、陽性マクロビオティックも陰性マクロビオティックも、「ちょうど良い」と心身で感じたところを境にして、中庸の食事に移行する必要があるのです。
その中庸の食事とは何か?
それが日本人なら日本の伝統食であり、外国ならその国に伝わる伝統食ということになります。
ともに長い歴史の中で生き残れるだけの生体実験を繰り返していることになるので、伝統食は毎日食べても安心できます。
4【なぜ玄米ご飯に胡麻塩をかけるのか? 胡麻塩の問題点】
さて、表題の胡麻塩ですが、そもそも玄米ご飯に胡麻塩はなぜかけるのでしょうか?
この点が曖昧になっている人が実に多いです。
諸説ありますが、玄米ご飯に不足する栄養分を補うためと、玄米の持つ排出力で体外に出てしまうミネラル分を補うためとの考え方が有力でしょうか。
しかし、ここでもう少し踏み込んで考えてほしいのです。
仮に玄米ご飯と胡麻塩で栄養的にパーフェクトになったとしても、来る日も来る日も玄米ご飯と胡麻塩だけで過ごせるものでしょうか?
普通はお味噌汁を飲んだり、少しのおかずを楽しんだり、食卓の変化もいただいているのです。
ですから、一杯のお茶碗の中だけで完結させようと思わなくても良いのではないでしょうか。
さらに、胡麻は加熱されて擂られて空気に触れて酸化し始めています。
それを食い止めるために塩を使うわけですが、この塩を毎日摂取することは、結果として陽性になりすぎます。
普通の塩に比べて焼き塩は陽性さを増していることを忘れないようにしましょう。
これが「4:1」程度の胡麻塩ならなおのことです。
それを避けるために「20:1」なんて胡麻塩も登場するわけですが、これでは胡麻の酸化を止められません。
この場合は胡麻の栄養分が欲しくてかけている感じです。
胡麻は摺った時点から生鮮食料品になることを認識するべきです。
味の劣化が始まるからです。
確かに胡麻には惚れ惚れする栄養分や繊維質があるため、毎日摂取したくなるのでしょうが、それなら酸化していない状態で別料理として胡麻を摂ればよく、胡麻塩にする必要性がありません。
現に白米ご飯では胡麻塩はかけませんね。
そのように考えると、玄米ご飯だからといって胡麻塩をかけなければならないのではなく、「かける必要性のある人」だけがかければ良いと思えませんか?
塩の多い胡麻塩は薬のような存在になりますが、塩の少ない胡麻塩は単なる「胡麻ふりかけ」であると認識しましょう。
なお、むそう塾の胡麻塩はこのような背景のもとに作られています。
5【味のバランス】
ところで、お食事には味のバランスというものがあります。
五味といわれる味を体の求めや体調に合わせていただくのがマクロビオティックの食事法ですが、それを現実の食卓に展開した場合、あなたの感性はどんな反応を示しますか?
たとえば、有名料理店でコース料理を注文したとしましょう。
食前酒や前菜に始まって色々な料理方法や味の違いを目と舌で楽しんでいるうちに、ふっと無色透明の世界がほしくなりませんか?
これが本来の体の声なのです。
しかし、コース料理では品数も多く出てきて、最後の方のご飯まで混ぜご飯だったり、旬の食材の炊き込みご飯だったりします。
これでは陽が強すぎて体に負担になるのです。
この段階になると、何も味付けをしていないものが必要なのです。
それが白いご飯というところでしょうか。
ここでお分かりのように、お料理を楽しむためには、味のあるものとないもののバランスが必要なのです。
白米も玄米ご飯も純粋にはでんぷん質の甘味があるため、味のないものというより味の薄いものになるかもしれませんが、味のバランスとしての比喩的言い方ですので誤解なきように。
ですから、玄米ご飯に胡麻塩をかけるということは、その時の食事全体を見回してみて、味のバランスの楽しさが薄いことになります。
人間は塩分があればご飯が進むので、胡麻塩を美味しいと感じて玄米ご飯を召し上がる人もいると思います。
しかし、本来の玄米ご飯がもつ美味しさに味の楽しさを感じて、胡麻塩の力を借りない食べ方もあって良いと思います。
少なくても中川式玄米ご飯ならそれが可能です。
6【何のためにマクロビオティックをするのか?】
ここで、何のためにマクロビオティックをするのか確認しておきたいと思います。
それは桜沢如一氏が説いた「無双原理」を柱とする東洋哲学が素晴らしく、その実践哲学を取り入れた生き方をするためです。
昔の食養とマクロビオティックの違いはここにあります。
マクロビオティックは単なる病気治しの方法ではなく、生き方の哲学です。
「今、もしあなたが不健康なら、体調を良くしてこんな生き方をしようよ」といった人生哲学を示した考え方です。
そして、極端なマクロビオティック料理は「不健康な人が健康になるための一過性の食事法」なのです。
その一過性の食事法をスタートから内容を変えることなく続けるところに、上記で述べたような不都合が起きているのです。
本来は実践哲学を説いたはずのマクロビオティックが、今は残念なことに、核心部分である無双原理はおろか、哲学なしの食事法だけが一人歩きして、健康法の一種として広まってしまいました。
そのために著しい排除食を実行して栄養障害に陥り、命を落とす人まで出てしまいました。
最近の傾向は陽性になりすぎるより、塩分不足の陰性傾向が多くなっています。
塩分不足の場合は比較的短期間で体調が戻りますが、そのまま突き進んでしまうと死亡します。
心配な人はその食事を中止して、普通の食事に戻られることをお勧めします。
7【むそう塾のマクロビオティック むそう塾スタイル】
このままでは行き着くところ、マクロビオティックは危険な健康法として淘汰されてしまいます。
すでに陽性マクロビオティックの指導者の中には、塩と油の取り過ぎを反省して、修正のための動きをしている先生もおられます。
問題なのは陰性マクロビオティックが塩不足の人を日々生み出していることです。
塩の摂り過ぎはいけませんが、適量の塩は命の維持のためにも、活動的な日々を送るためにも必要になります。
ここのところをよく認識して、決して塩不足に陥らないようにしてほしいと願うばかりです。
むそう塾ではこのような状況に対応するため、陽性にも陰性にも偏らない中庸のマクロビオティックをお伝えしています。
そして、頑なに排他的な食べ方をするのではなく、周りの人達と一緒に「美味しいね♪」と言いながら食べているうちに、気がついたら健康になっていることを目指しています。
そのために「無双原理」を忠実に落としこんだ料理を伝え、しっかりと再現できるようにフォローし、陰陽バランスを取りながら生活できるように塾生全体で支え合っています。
なお、むそう塾の玄米ご飯は一生食べ続けられるように、中庸の仕上がりになっていますから、ご家族全員で「同じ釜の飯を食う」ことが可能となります。
極端でないマクロビオティックの食べ方を知り、体調の変化に応じてアレンジすることが必要不可欠であることを知ってもらうため、マンツーマンの対応でマクロビオティックの考え方をお伝えしています。
美味しさと愉しさの両方を追求したら、「気がついたらマクロビオティック」の人生を歩んでいたと思えるように。
それを「むそう塾スタイル」と呼びたいと思います。
◆おすすめ記事
「日野式食養生とマクロビオティックの違い」
(むそう塾の料理 by 中川善博)
カテゴリー: | コメントする