「心と食」のつながりを体系化した桜沢如一氏のマクロビオティック
マクロビオティックを紐解く時、最初に出てくるのは石塚左玄あたりですね。
その石塚左玄という人の考えを一歩進めて体系化したのが桜沢如一先生でした。
そして食養の段階からマクロビオティックとして変貌を遂げたのですが、未だに食養の域を出ないマクロビオティック指導者もおられます。
しかし、「心と食」の関係を体系化した桜沢先生の提唱されたマクロビオティックは、とても夢や希望が持てる内容で、人生のどん底にあるときでも勇気が湧いて来ます。
人生なんて思いどおりに行かないのが当たり前ですから、そんな時、どんなふうに考え、どんなふうに決断するかはとても重要です。
一日は等しく24時間ですし、一年間も等しく365日しかありません。
そして一生もおおよそ100年前後で終わるのでしょう。
その間に何を想って何を頼りに生きようと個人の自由ですが、私の体験上、マクロビオティックの考え方はかなり影響力が大きかったです。
それは私一人ではなく、家族も含めて、あるいはその他のご縁があった人々の体験も踏まえて、「心と食」の関係を確認したからです。
特にむそう塾を通じて食事指導をしていますと、食べ物の持つ力と心の変化が手に取るように確認できて、「食べたもののようになる」ということが嘘ではないと強く思えます。
そしてまた反対に、その人を見ると、それまで食べてきたものが結果として表れていて、やはり食べたものが細胞を作るんだなぁと思うと同時に、食べたものに支配されている心のありようまで如実に伝わってきます。
それは私たちが宇宙(自然)の営みの一構成員なのですから当然のことなのですが、ついつい私たちは目に見えるもので判断してしまいがちです。
しかし桜沢先生の説いたマクロビオティックは、目に見えないものにこそ真実が隠れていることを教えてくれました。
私たちは今まで見えるものを中心に判断することを当たり前として生きて来ました。
しかしそれはあらゆる分野で閉塞感を生んでいます。
そんな時にマクロビオティックは、違った視点で突破口を開いてくれます。
その突破口のもとになるのは、日頃私たちが口にしている食べ物なんだと教えてくれています。
ここがマクロビオティックの最も素晴らしいところです。
動物性には動物性の、植物性には植物性の良さがあり、それらを上手くバランスを取りながら「心と食」の関係を大切にするのがマクロビオティックです。
その土台になったのが、石塚左玄氏の「夫婦アルカリ論」でした。
今はまだ明治に導入されたドイツ栄養学が主流ですが、そろそろ東洋的な考え方も知られるようになって来て、食べ物を陰陽で考える人が増えてきました。
ここでも声を大にして言っておきたいのが、陰性が悪くて陽性が良いのではないということです。
一人ひとりにとって体調の陰陽は異なるし、ましてや食べ物もその反応も異なります。
「心と食」を結びつけることは、そんな末端の心の動きまで観察して初めて力を発揮するのです。
決して頭でっかちになって、知識の受け売りだけでマクロビオティックをしている「つもり」にならないよう、私は強く願っています。
結果を軽視したマクロビオティックは危険ですらあることをお伝えしておきたいです。
(化学的食養長寿論 石塚左玄著)
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