三浦直樹医師の記事からマクロビオティックを盲信している人のことを思う
医師の立場で日々患者さんと接していると、きっとマクロビオティックをかじった人は厄介な患者に入ると思います。
頭でっかちになっていて、あれダメこれダメという狭い考え方に縛られてしまっていて、それを払拭するのに一手間かかるのではないかと思うのです。
もう10年ほど前の話ですが、某医師から突然私の所に電話がかかってきたことがあります。
「あなたはマクロビオティックを広めているけど、マクロビオティックを知った人間がどうなっているのか現実を知っているのか?」と。
とても怒った内容でしたが、私はその医師のお気持ちがとてもよく理解出来ました。
なぜなら、すでに私もマクロビオティックの現実を把握していたからです。
マクロビオティックつながりでご縁のあった人たちの体調に向き合っていると、まさに某医師の気持ちと同じになることが多いです。
ですから、最近はブログのタイトルも変えて「マクロビオティックの落とし穴」として、間違った方向に進んでいる人に気づいてもらうことを念頭においた記事を書いています。
こちらのコーナーの「マクロビオティックの盲点」も同じ趣旨によるものです。
私の知り合いで医師の三浦直樹先生が、Facebookに胸の内を語った記事を書かれていましたので、リンクさせていただきます。
三浦先生はきっとマクロビオティックを盲信している人にも手を焼いておられることと思います。
先生の文章の中で次の言葉が究極ですね。
>我々の人生の目的は、肉体を卒業するその日まで「幸せに生き切ること」。
>病気治しや病気にならないこと、食べたい物を我慢したり、やりたい事を我慢することだけが人生の目的では無いと思います。
ー引用開始ー
最近、色んな食事療法や健康法にこだわり過ぎて、また縛られ過ぎてストレスを感じている患者さんが多いと感じています。
「こうしなければ」「こうすべき」というルールが強すぎると、守れなかった時にストレスが生じます。
知識やルールは、ともすると自分や他人を裁く諸刃の剣になってしまいますよね。
往々にして、そういう健康法の指導者は「もし、これが出来なかったら病気が悪化するよ」とか、「いつか罰が与えられるよ」などという恐怖心を同時に植え付けることもあるようです(人により多少は必要な事もあるので、バランスが大切ですが)
どんなに良い健康法や心の教え(宗教的な物も含め)も、恐怖心の上に成り立っているものは交感神経の緊張をもたらし、結果的に健康には繋がりにくいのではないかと感じています。
我々の人生の目的は、肉体を卒業するその日まで「幸せに生き切ること」。
病気治しや病気にならないこと、食べたい物を我慢したり、やりたい事を我慢することだけが人生の目的では無いと思います。
とは言え、幸せに生きるためにはもちろん健康な方が良いので、その為には何を食べ、どういう生活をすべきか?という逆からの「幸せ思考」に基づいた健康法は必要かと思うのですが、根底に恐怖心だけがある健康法はいかがなものか?と感じた昨日の数件のカウンセリングでした。
我々夫婦の生活も、一般的な方からすると少しストイックで修行的な生活に見えるのかもしれませんが、今の我々にはこれが丁度心地よい。
もちろん個人の考え方でありますが、我々の根底に恐怖心や他人への押し付けは、ほとんどあまりありません。
自分たちが楽しいと思って、好きでやってるだけですので(笑)
自分を裁くのは基本的に自分ですので、その枠を少しでも広くして、楽しく充実した人生を創るお手伝いが出来ればいいなと考えています。
ご縁のある多くの方が、「自分はもっと幸せになっていいんだよ」という許可を自分自身に与えられるような活動が出来れば嬉しいですね。
個人的には人生に罰ゲームは必要ないのでは?と考えていますし、過去と他人は変えられないが、自分と未来を創造していく能力が、我々ひとり一人には備わっていると思います。
他人との比較ではなく、自分本来の自由を皆さんが取り戻せれば良いですよね。
ー引用終了ー
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マクロビオティックの盲点を医師が解説した文章が的を得ている
Facebookで医師の内海聡先生が次のような記事を書かれていました。
ー引用開始ー
マクロビ自体は賛否両論あるようだが、元は食文化研究家の桜沢如一が考案したとされる。いわゆる玄米正食、菜食を副食とする基本としているといわれてきて、陰陽論を持ち出すのだが、この陰陽論は古い東洋医学の観念に照らし合わせてもかなり「ヘボい」ものだと言わざるを得ない。ただ良いこともいろいろ言っており、身土不二、砂糖使用不可、天然由来の食品添加物使用、天然塩の使用、乳製品はダメ、一物全採などは現代科学に照らし合わせても間違いとは言えない。
ではなぜマクロビが否定されるのか、これには二つの観点が必要である。一つはいわゆる動物性たんぱく質の拒否が、非常に非科学的なだけではなく不健康に直結するからだ。いわゆる人類穀食動物論は、すぐに論理崩壊してしまうくらいおかしな話であり、肉食動物で歯の本数がこの理論に合致しないものは無数に存在する。古代民族の食べ方と彼らの健康状態、マクロビが導入された時代背景(欧米食の流入によりおかしくなった点、政治背景)などを考慮する必要がある。
しかしマクロビも裏というか分派していったいくつかの派の主張を追っていくと、すべてが間違いではないことも垣間見える。まず真の意味で古き説に従った分派によれば、肉を食べることも野菜を食べることも一切否定していない。つまり現在肉食や魚食を否定しているようなマクロビはインチキだとまで主張する。これは私も同意できる話である。さらにいえば砂糖はダメで黒砂糖やてんさい糖が良いなどというのも、後世に分派した人々の作り事だとさえも主張する。この砂糖代替論がよく否定されるもう一つの観点だが、これもまた私は同意できる話である。
マクロビは宗教的だといわれるが、別に私は思想や哲学を重んじながら生きることが悪いとは思わない。問題は強制もさることながら明らかに生物として歪んだ方向に進んだことだ。桜沢が支持した生体原子転換は部分的には存在するが、これには旧来物理学を用いても証明などできないだろう。また、この食事が健康に悪いといわれる一方で、厳格にしている人でもしていない人でも、時に非常に健康で何の病気もなく虫歯も何もない人がいるのもまた事実だ。割合としては肌つや悪く血色不良な人が多いといわれるが、玄米菜食で健康な人の理由は単に栄養学だけでは説明できない時もある。
この世界では不食で生きている人がたくさんいる。海外にも多いし日本でも何人もいるのが現状だ。一日一食や二日に一食でも非常に健康な人もいる。これは部分的には栄養学や食養学の矛盾を意味しているし、逆にたくさん食べても健康的に見える人もいる。つまりここで確実にいえることは、これらにおいて普遍的に当てはめることが出来る理論など、まだ存在しないということである。多重因子も考慮できない中で食事だけで全てが決まることは決してなく、生きることと食べることの本質に常に向き合いながら、すべての人々が自問していく必要があるだろう。
ー引用終了ー
* * *
動物性拒否の件や砂糖代替論などは、常々むそう塾の指導現場でも明らかに違うよねという結論を得ているので、どちらかというとこの記事は我が意を得たりという感じでした。
それとともに、実際に目の前にいる人を見れば果たして何を必要としているのか、よほど頭が麻痺していない限り判断がつくはずなのですが、受け売りでマクロビオティックを広めているとそこが盲点になってしまいます。
自分の体で試して、その他の人にも適用出来るのかどうかを確認しなければ、安易に偏った食べ方はしない方が安全だとむそう塾では思っています。
マクロビオティックの考え方が流行で誤解されたまま消えるのではなく、良い点は正しく伝わってほしいと思っています。
記事の末尾で内海先生も仰っておられますが、(多重因子も考慮できない中で食事だけで全てが決まることは決してなく、生きることと食べることの本質に常に向き合いながら、すべての人々が自問していく必要があるだろう。)その部分を各自が冷静に考えて選択をし、どんなふうに生きるのかを、こんな時代だからこそ真剣に考える必要があると思います。
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「心と食」のつながりを体系化した桜沢如一氏のマクロビオティック
マクロビオティックを紐解く時、最初に出てくるのは石塚左玄あたりですね。
その石塚左玄という人の考えを一歩進めて体系化したのが桜沢如一先生でした。
そして食養の段階からマクロビオティックとして変貌を遂げたのですが、未だに食養の域を出ないマクロビオティック指導者もおられます。
しかし、「心と食」の関係を体系化した桜沢先生の提唱されたマクロビオティックは、とても夢や希望が持てる内容で、人生のどん底にあるときでも勇気が湧いて来ます。
人生なんて思いどおりに行かないのが当たり前ですから、そんな時、どんなふうに考え、どんなふうに決断するかはとても重要です。
一日は等しく24時間ですし、一年間も等しく365日しかありません。
そして一生もおおよそ100年前後で終わるのでしょう。
その間に何を想って何を頼りに生きようと個人の自由ですが、私の体験上、マクロビオティックの考え方はかなり影響力が大きかったです。
それは私一人ではなく、家族も含めて、あるいはその他のご縁があった人々の体験も踏まえて、「心と食」の関係を確認したからです。
特にむそう塾を通じて食事指導をしていますと、食べ物の持つ力と心の変化が手に取るように確認できて、「食べたもののようになる」ということが嘘ではないと強く思えます。
そしてまた反対に、その人を見ると、それまで食べてきたものが結果として表れていて、やはり食べたものが細胞を作るんだなぁと思うと同時に、食べたものに支配されている心のありようまで如実に伝わってきます。
それは私たちが宇宙(自然)の営みの一構成員なのですから当然のことなのですが、ついつい私たちは目に見えるもので判断してしまいがちです。
しかし桜沢先生の説いたマクロビオティックは、目に見えないものにこそ真実が隠れていることを教えてくれました。
私たちは今まで見えるものを中心に判断することを当たり前として生きて来ました。
しかしそれはあらゆる分野で閉塞感を生んでいます。
そんな時にマクロビオティックは、違った視点で突破口を開いてくれます。
その突破口のもとになるのは、日頃私たちが口にしている食べ物なんだと教えてくれています。
ここがマクロビオティックの最も素晴らしいところです。
動物性には動物性の、植物性には植物性の良さがあり、それらを上手くバランスを取りながら「心と食」の関係を大切にするのがマクロビオティックです。
その土台になったのが、石塚左玄氏の「夫婦アルカリ論」でした。
今はまだ明治に導入されたドイツ栄養学が主流ですが、そろそろ東洋的な考え方も知られるようになって来て、食べ物を陰陽で考える人が増えてきました。
ここでも声を大にして言っておきたいのが、陰性が悪くて陽性が良いのではないということです。
一人ひとりにとって体調の陰陽は異なるし、ましてや食べ物もその反応も異なります。
「心と食」を結びつけることは、そんな末端の心の動きまで観察して初めて力を発揮するのです。
決して頭でっかちになって、知識の受け売りだけでマクロビオティックをしている「つもり」にならないよう、私は強く願っています。
結果を軽視したマクロビオティックは危険ですらあることをお伝えしておきたいです。
(化学的食養長寿論 石塚左玄著)
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ジャンプしましょう! 「別れのうた」(作詞・作曲/桜沢如一)から学ぶ
マクロビオティックの創始者である桜沢如一先生は、たくさんの本を書いただけでなく、歌も残しています。
その内容を知っている人は今は少なくなってしまったことでしょう。
何しろ、マクロビオティックとは食べ物のことだと思っていて、偏った料理しか頭にない人が多くなってきたからです。
でも、マクロビオティックは精神を豊かにし、夢をもって生きることを可能にする考え方なのです。
次の「別れのうた」には、力強く生きようとするエネルギーを感じませんか?
むそう塾をしていると、この歌の6番に該当する人を見かけるのですが、せめて4番の気持ちを持ち続けて「今!」を決心してほしいと思います。
一緒にジャンプしましょう!
「別れのうた」 作詞・作曲/桜沢如一
1)会えば別るるサダメなり 別れはモトにかえること
会えばはかなき喜びも 別れて会えばトコシエよ
さよなら ツァイチェン ドスィダーニャ ボン ボヤージュ!
グッラック! グッラック! また会いましょ
「おもいで」のクニは 「しらなかった」トキよ 「マコト」のクニよ
a Dieu a Dieu a Dieu!
2)いまし会ったと思えども 早も別れの時が来た!
もうお別れよ! サヨーナラ! 君よ自由にジャンプせよ
3)おお さよなら! サヨーナラ! 想い出さずに 忘れずに!
自由に大きくジャンプせよ! 私も今にジャンプする
4)どうせこの世はせまいんだ! どうせこの世はしれたもの!
ジャンプが何よりかんじんだ! 皆んないつかはジャンプするんだ!
5)日に日にジャンプする人も 朝から晩までする人も!
10年に一度する人も どうせジャンプはせにゃならぬ!
6)おもいおもいでいいのだが どんなにジャンプがきらいでも!
この世に生まれてきたからは どうせ一度はせにゃならぬ!
7)一生に一度もせぬ人は つき落されてせにゃならぬ!
ひきずりこまれてせにゃならぬ! どうせ一度はせにゃならぬ!
(桜沢如一氏のG.Oレター)
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ありきたりのマクロビオティック料理ではなく、心に響く美味しさを!
2009年12月29日。京料理人中川善博は、可愛いむそう塾生のために、あるお料理をブログで公開しました。その名は「お持ち帰り鍋」。
その年には「陰陽ひとり立ち講座」というのがあって、3か月間の食べ方を私が指導していたのですが、これから彼氏を作りたい人のために、絶対に男性の胃袋をゲットできるお料理を気前よく中川さんが教えてくれたのでした。
このお料理は中川さんのお店でも大好評だったそうで、私も実際にいただいてみてその美味しさに唸りました。
何といってもお汁に美味しさが凝縮していて、一滴も残したくない気持ちになります(笑)
このお鍋を実際に作ってくれた塾生さんの感想がたくさんあるのですが、その中でも心を打たれたのが北海道のまりこさんの文章でした。
何気なく書かれた別記事へのコメントだったのですが、もったいないので私が記事にして残しておきました。
「美味しい力」って凄い!
この中でまりこさんは次のように述べておられます。
>義父は入院してしまい一人暮らしの寂しさから少食になっていた母ですが、無邪気に反応を返され、痛いほど食の力を見せつけられました。
> つくづく食べ物は身体にも気持ちにも糧になるものだと実感し、自分の役回りもよく見えてすっきりと嬉しかったです。
一人だとあまり食も進まないものですが、美味しいものなら進むのです。
反対に美味しくないものを食べようとするのは、ある意味で拷問みたいなものです。
一般的に美味しいというと、グルメのことをイメージされるかもしれませんが、本当に美味しいというのは、心が感動することなのだと思います。
魂が揺さぶられる感じですね。
では、一般的に知られているマクロビオティック料理にはそんな魂の揺さぶり感はあるでしょうか?
やさしいお味とか、体に良さそうとか、体の負担にならないとかいう表現が多いですね。
食材のことは充分吟味するのですが、どうもそちらに神経が行っていて、感動する美味しさは後回しになっているような気がします。
ここが今ひとつマクロビオティックが爆発的に広がらない要因のように思います。
食材の選定はもちろん大事ですが、それに胡座をかくのではなく、魂を揺さぶる美味しさを追求して、召し上がっていただくこと。
それが最後の陰陽バランスであるような気がします。
なぜなら、お料理は食べていただいてから力を発揮するものだからです。
食べてくださったあとの陰陽バランスまで考えるのがマクロビオティックだからです。
作ってお終いではないことに注意しましょう。
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男性は植物性だけのお出汁で本当に満足なのか? 体験談(1)
マクロビオティックを始めると、椎茸と昆布、もしくは昆布のみ、あるいは椎茸のみでお出汁を取ることを教わります。つまり動物性である鰹節や煮干し類は避けるわけです。
しかし一般的なお料理は和洋中いずれも動物性が何かしら入ったお出汁が多いので、私たちはすでにそれに慣れてしまっています。ですからマクロビオティックを知るとそれらを避けてお料理をして、家族からあまり美味しくないと言われた経験のある人も多いでしょう。あるいは今経験中だったりして(汗)
それはそれで意味のあることですし、体調の変化を確認できるので良いことなのですが、多くの場合は台所に立つ奥様がマクロビオティックを知って、ご家族にそれを押し付ける形になってしまうのです。そうすると、それまでのお料理に慣れていたご家族には物足りなさを感じさせることでしょう。でも、体に良いからといって動物性抜きのお出汁でお料理を作り続けるのです。もちろん、それまでたっぷりと動物性を摂り続けていた人は、動物性なしのお出汁が美味しく感じたり体が求めていたりします。それは体の声ですね。
往々にして男性は女性より動物性を好む傾向にあります。
それは男性としての行動や役割を果たすために、どうしても陽性を求めるのだと思います。動物性があるとそれだけで頑張れる気がするというか、潜在的に染み込んだ意識のように思います。でも、私はベジタリアンやビーガンを否定するものではありません。それらのスタイルで素敵な人の知り合いもいますし。
むそう塾ではマクロビオティックの理念はしっかりお伝えしたうえで、「この場合には動物性を使った方がもっと美味しくなる」という場合には陰陽バランスを考えて動物性も使用したお料理を教えています。もちろん、しっかりと毒消しした内容で。その結果、とっても美味しいお料理が出来上がって、ご家族の皆さんから大いに喜ばれています。今月の上級幸せコースのメニューである「蓮根饅頭入り餡かけうどん」もその一つで、すでに復習された塾生さんからのメールをご紹介しましょう。
<愛さんからのメール> 抜粋
「こんな美味しいうどんは食べたことが無い。
カレーうどんもすごかったけれども、これも本当に美味しい。
すごいものを習ってきたね。」と夫が感激し、その後は黙々と食べてました。
気温が下がってきましたが、二人とも体温がホカホカになり
中川さんに教えていただくお料理の力と美味しさで幸せな時間となりました。
夫は家で仕事をしていましたが、
漂ってくる香りが心地よくていい週末だったと。
むそう塾に通えることが、本当にありがたいと感じる日々です。
ありがとうございます。
いかがですか? 何だか幸せな光景が目に見えるようですね。実はこのお出汁には鰹節が入っています。お肉系は一切入っていないのですが、こんなに喜んでいただけました。その秘密はプロの料理人である中川善博の長年の経験と研究心で編み出した絶妙の材料配分にあります。それは言い換えると陰陽バランスの問題でもありました。陰陽バランスが取れていると多くの人に美味しいと感じていただけます。反対に、極端に陰陽バランスの崩れたお料理は、体調を変える目的がある時には有効です。その時の体調に合わせて陰陽を駆使して食べ物を調整するのがマクロビオティックの考え方だからです。
動物性を一切使わないお料理も良いですが、たまには最小限の動物性で喜んでもらえることも、食生活には必要だと思います。健康は知識として頭で考えるというより、体で感じる方が効果があるように思います。それはきっと、人間にはその力が備わっているからなのでしょう。伊藤慶二先生の「人の身体は常に正しくはたらく」という視点、「もし正しくはたらかない時には、その原因を自分や環境がつくっている」とする考え方が腑に落ちます。
(蓮根饅頭入り餡かけうどん 料理:陰陽京料理人 中川善博)
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「ゆるマクロビ」と「なんちゃってマクロビ」
マクロビオティックを始めると、動物性や白砂糖を使わずに、いわゆるマクロビオティック甘味料を使ってお料理をする人が多くなります。(本当はこのマクロビオティック甘味料も問題なのですが・・・。)
その結果、それらの食材を完全に排除出来ない人は「ゆるマクロビ」とか、「なんちゃってマクロビ」という言い方をしている現状があります。この言葉は今も主に出版関係で使われています。その意図するところは、マクロビオティックの硬いイメージを払拭して、楽しくて健康に良い食べ方を伝えたいところにあるようです。
しかし、マクロビオティックは本来、食べる人の体調に合わせて陰陽バランスを取ることが目的であって、絶対的に動物性(肉・魚・卵・乳製品)を排除したり、頑なに拒んだりするものではありません。体調によってはそれらの食材を少し用いた方が陰陽バランスが良くなる場合もあります。ただその時に気をつけたいのが、動物性の質と量、それに陰陽バランスです。毒消しもしっかりするべきです。
マクロビオティックを盲信してしまっている人は、動物性を食べることに抵抗があって、罪悪感を持つ人が少なくありません。しかし、マクロビオティックは宗教でもないし、修行僧の食事でもないのですから、あくまで体調と相談しながら食べるものを選択すればよいのです。
ただ一時期、一切の動物性を抜いたり、白砂糖に代表される甘味料を抜くことは、本当の体調を知ることになりますし、何よりもその効果の大きさに驚くことでしょう。そして、今までなんと不必要なものを多く食べていたことかと食べ物革命が起きると思います。
ですから私は、排除食の効果は一時期でも感じた方が良いと思います。
なお、「マクロビ」という言い方は、マクロビオティックの創始者である桜沢如一氏が言い出したものではありません。関西の某マクロビオティック教室主宰者がつけたもので、商標登録をしています。(いろいろな噂が聞こえてきますが・・・。)
◆参照記事
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おせち料理に思うこと
私がマクロビオティック指導校(リマ クッキングスクール)の師範科を修了してから、色々な先生の講座を受講していたとき、ある人がおせち料理でこんな体験をしました。
動物性も甘いものも排除した食生活をきっちりと3年間続けたので、もう体も綺麗になったことだろうから、そろそろ普通のおせち料理を食べてみようかなと思って、お正月に一般のおせち料理を口にしたそうです。
すると、体中にアトピーのような湿疹が出来て皮膚がドロドロになってしまい、受けていた講座も途中で休むことになってしまいました。
その後、治るまで何年もかかったようです。
あちこちのマクロビオティック指導校では、今頃からベジ仕様のおせち料理を教えるところが多いのですが、病気治しでマクロビオティックをしている人は別として、健康のためにマクロビオティックをしている人なら、一般的なおせちのように少量の動物性は含まれていても構わないと私は思います。
なぜなら、おせち料理というのは長寿や五穀豊穣、子孫繁栄などを願う意味も込められているので、それらの目的に沿った食材を使用するぐらいの柔軟性があっても良いと思うからです。
たとえば海老は長寿と出世を祈願する代表格ですし、海老の赤い色が入っているだけで重箱全体が華やかになってお正月の雰囲気が盛り上がります。
赤は縁起の良い色でもあるので、おせち料理にはぜひとも使いたい食材です。
1年にお正月だけ、それぞれのお料理と縁起にかけた先人の想いを感じながらおせち料理をいただくのも、日本文化の伝承としては大切なことだと思います。
もどき料理も結構ですが、お正月くらいはほんまもんの食材で陽を呼びこみ、勢いを感じるおせち料理が良いのではと思うのでした。
(活け車海老の具足煮 料理:陰陽京料理人 中川善博)
なお、アトピーに関する記事をブログでも書いていますので、そちらもお読みいただくと参考になるかと思います。
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必然の連続が今の自分であることを意識し、一期一会を大切にしましょう
先日こちらの記事で目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティックだと書きました。
そしてマクロビオティック料理は、見えない力を感じるための、感性を高める食事法を具現化したものなのです。
その主な内容は食材の陰陽を知り、料理方法の陰陽を知り、食べる人の陰陽と体調の陰陽を知った上で、食べるものを選択するところまで含まれます。
ですから、厳密には一人ひとりに合う食べ物が異なるわけですが、体調を改善したいときにはこれをタイトに選びます。
しかし、取り立てて不都合がないなら、陰陽バランスを重視して選びます。
なぜなら、この世の中はすべて目に見えない力(陰陽エネルギー)で包まれているので、その力に同期するような食べ方をしておく方が自然だからです。
それは私たち人間もまた自然界(宇宙)の一部であり、太陽や引力の影響を受けながら生活しているので、その力に沿っておく方が無理がないからです。
その力に反した生活の一例が宇宙船で宇宙空間に滞在することです。
無重力の世界では陰陽が逆になってしまいますから、根本的に私たちの体は狂ってしまいます。
身近な現象の一つには高山病があります。これも急に陰陽の環境が変わったことによるものですね。
ですから私たちは、自分が住んでいる所と同じ波動を受けている食材を選んで料理することによって、体に負担の少ない食べ方ができるわけです。
さらに暮らし方もしかりで、土から離れてどんどん上に伸びていく住まい方は、陰陽面からいってあまり理想的とはいえません。
地面から受けるエネルギーがどんどん弱くなっていくからです。
こんなふうに陰陽のバランスを考えながらお食事をして、暮らしていく中で、人間同士が織りなす様々な出会いがあります。
単に出会いだと思えば味気のないものになってしまいますが、これを一期一会と思えたらどんなに人生が愛おしくなることでしょうか。
明日の命があるかどうかも分からない中で出会った人たちは、かけがえのない存在で意味のあるものだと思えたら、その出会いを「必然」と思えることでしょう。
さらに目の前で起きた現象も「必然」と受けとめられることでしょう。
これらの必然に対して、どのような態度で接することができるか?
どのような判断をくだせるか?
日々の暮らしを当たり前と思わずに、必然の連続だと思えたら、あなたの生き方は変わってきます。いや、変わらなければ勿体ないと思えてきます。
そんな感性を高めるお手伝いがマクロビオティックでも可能なのです。
マクロビオティックは宗教ではないのですが、感性を研ぎ澄ませていくために陰陽を駆使します。
そのコツはただ一つ、宇宙界と陰陽バランスを同じくすることです。
なぜなら私たちの体は小宇宙であり、宇宙界の一部だからです。
生きるために食べたものの波動を受け、住んだ場所の波動を受け、接した人の波動を受け、身にまとったものの波動を受け、そんな波動の中で生きている私たち。
その波動が良いものなら結構ですが、そうでないなら違う波動に触れた方が素敵になれますね。
そんなことを見直すきっかけと答えがマクロビオティックの考え方にはあります。
すべての事象を陰陽で考え、今の自分を必然の結果と思えたら、次にするべきことが見えてきますね。
そうして、生き方が丁寧になってきます。
これが目に見えないことを感じる力であり、感性のなせる技でもあります。
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目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティック
よく「マクロビオティックをする」とか「マクロビオティックを取り入れる」とか表現することがありますが、正しくはマクロビオティックはすでに存在しているものなんですよね。マクロビオティックと呼んでいなかっただけです。
私たちが生まれるずっとずっと前、気の遠くなるほど前からこの地球には引力の影響もあったし、太陽の影響もあったし、そんな中に生命が生まれ育って来たのですから、当然私たちはそれらの影響を受けて生きて行くわけです。
好むと好まざるとに関わらず、この宇宙全体にそれらの影響は及ぶわけですから、私たち人類も、動物も、草木も鉱物も、海も山もすべて受けているエネルギーのことを理解しようというのがマクロビオティックです。
ですから、マクロビオティックはどちらかというと、気づくこと、感じること、意識することといった方が正しいでしょうね。
ですから厳密には教えてもらうものでもないし、教えるものでもありません。
あえて教えるとしたら、その気づき方です。
私たちは三次元の世界に生き、目に見える物ばかりを相手にしがちですが、実際には目に見えない力に動かされ、その中で生きているのです。
ですから、その目に見えない力を少しでも知って、目の前で起こる事象と関連づけて考えられたら、もっともっと深い生き方ができることをマクロビオティックは教えてくれています。
まるでそれはシンクロニシティの作用と同じで、自分の想いや波動が自分の世界を創っていることを気づかせ、だから自分の波動を高めようよと教えてくれているのです。
じゃあ、どうしたら波動を高められるの?という段階で、一つの方法として陰陽を意識して食べ物を整えたり、暮らし方を整えたり、考え方を整えたりするわけです。
ちなみにマクロビオティック料理は、波動の世界を目に見える形で整えようとするものですが、お料理だけがひとり歩きして、相変わらず物質社会にどっぷり浸かっている人が多いですね。
マクロビオティックをしていると言いながら餓鬼道に落ちている人は偽物です。
というわけで、マクロビオティックは、目の前で起きるあらゆる事象を「必然」ととらえて、それを生活の中で消化して行く考え方だと思った方がよいです。
ねたみの心をもてばねたみが、むさぼりの心をもてばむさぼりが、シンクロニシティよろしくやって来ます。
少しでも上昇した波動とシンクロするために、目に見えない世界を意識して暮らすこと。これが本当のマクロビオティックです。決してお料理だけがマクロビオティックではありません。ましてや排除一辺倒がマクロビオティックでもありません。
マクロビオティックとは陰陽バランスを取ること。このことに尽きます。
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