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マクロビオティックの盲点

マクロビオティックの考え方は、東洋思想の陰陽を解りやすく整理して、世の中のすべての現象を哲学的視点で見直すものです。食という身近なテーマから入って、まずは健康を確立することが第一歩です。しかし、まだ健康段階で悩んでおられる方は、体質や体調に合っていない食べ方をしている場合が多いので、そこを明らかにするヒントがこのサイトには沢山盛り込まれています。ご自分の陰陽がよく判断できない場合は、どうぞむそう塾までお問い合わせください。一緒に考えてみましょう。

動物性を完全排除することがそもそもマクロビオティックではないことに気づくべきです

私は早い段階からマクロビオティックに疑問を抱いていました。

それは食べ物がそんなに偏って果たして大丈夫なんだろうかということでした。

しかし、試してみないで本を読んだだけでは意見をいう資格がないと思い、リマ・クッキングスクールに通ったのでした。

そしてその後の家族を含めた体の変化は決して悪いものではなく、むしろ喜ぶべき内容でした。

一番大きかったのは、物事を陰陽で考えるようになったことです。

このことは食べ物だけでなく、生き方や人間関係における複雑さを解決する糸口としてとても優れた視点となりました。

 

それまでの学校教育で習ったことの他に、もう一つ東洋的なものの見方や考え方が出来たことは、心に大きな柱が出来て強い生き方ができる自信にもなりました。

しかし、私自身はそれで調子よく暮らしていたのですが、全国に井戸端会議のために出かけると、そこにはむしろマクロビオティックの弊害に苦しむ人達がたくさんいる事実を知ってしまったのです。

それは徹底的に動物性を排除しようとするあまりに引き起こされた「心と体の不調」でした。

当時の私のブログタイトルは「マクロビオティックが楽しい♪」というものでしたが、地方でお会いする多くの人は「マクロビオティックが苦しい」のが現状だったのです。

 

その後「美風ゼミ」を経て、やはりマクロビオティックの駆け込み寺を作りたいと思って「むそう塾」が誕生したわけです。

ですから私は最初からマクロビオティックを受け売りで伝えるのではなく、必ず良い点と悪い点を伝えて来ました。

そして陰陽バランスこそがマクロビオティックの要であることも力説して、それに沿う講座を開催してきました。

コース授業の第1期生は原則としてベジ仕様でしたが、お魚の授業もあって、煮魚やお刺身の作り方もカリキュラムに入れました。

陰性に偏っている人がとても多いので、途中から一番出汁の取り方も教えたりして単発講座で対応しました。

 

それを踏まえて2期生からは動物性も積極的に教えるようになりました。

マクロビオティックの料理教室なのに、出汁巻き玉子が登場してビックリされたものです。

ちなみに、卵黄は陽性ですが、出汁巻き玉子は中庸の食べ物です。

食材の陰陽と料理方法の陰陽を知れば、鶏卵は動物性だからのひと言で排除するのはあまりにも現実的でないと思ったからです。

その理由は、世の中には鶏卵を食べてアレルギーになる人もいますが、圧倒的多数が鶏卵を食べても平気どころか元気になる人が多いのです。

そしてまた、卵焼きや茹で卵が大好きな人もとても多いのです。

それが証拠に卵料理のなんと多いことか。

その現実を無視してはならないと思ったのです。

 

それから、お肉やお魚が大好きで元気なお年寄りは多いのですが、完全玄米菜食で長寿番付に名を連ねた人はおりません。

(マクロビオティックが提唱されてからまだ70年余りなので、まだそこまで年齢が達していないこともあるでしょうが。)

ですから私は案外マクロビオティックをクールな目で見続けています。

それは陰陽バランスを説いたマクロビオティックだからこその視点にもなるわけです。

何事も偏りすぎれば揺り戻しが来ることは歴史が教えてくれています。

マクロビオティックはそれを陰陽で説明しただけですね。

 

そんなこんなを客観的に考えてみたら、決してマクロビオティックで著しく体調不良にならないと思うのです。

それは一部の盲信的(あるいは素直)な人が陥ったマクロビオティックの落とし穴であって、そこがマクロビオティックの一番の誤解の始まりだと思います。

桜沢如一氏の書物には動物性の問題点を書いた多くの文章はありますが、一方で動物性を使ったお料理もあったりして、弟子たちにすらその辺りが正しく伝わっていないことが分かります。

お魚の摂取についても末期には弟子たちの間で混乱が起きたまま解決することなく亡くなりました。

 

食べることは人間の体や精神に直結することでありながら、その伝え方は難しく、マクロビオティックの考え方をお料理を通じて伝えるのはフォローなしでは危険です。

それを痛感していますので、むそう塾は徹底したフォローをしながら少人数を対象として体温の感じる範囲でお伝えしています。

陰陽は塩加減・火加減・時間差などで刻々と変化するため、「その人にピッタリ」のお料理が一番美味しく感じることと、健康につながることを知っているからです。

 

でも、多くのマクロビオティック教室では充分なフォローなしで偏ったメニューを教えていますから、体調が今ひとつになってしまう人が増えるのです。

さらに、マクロビオティックの本だけを頼りに排除食を始めてしまうと、これまたとんでもなく体調不良になって入院騒ぎになってしまう場合もあります。

桜沢先生の時代にも桜沢先生の指導で体調不良になった人の後始末を任されてしまった医師の嘆きの文章も残されています。

桜沢先生は理想を打ち上げ、現場は医師に任された結果、死に至る人も出てしまったことがあるようで、それはアメリカでも同じことだったようです。(特に七号食が問題だったのです。)

 

それらの教訓をもとに、むそう塾ではあくまでも現場重視(その人重視)のマクロビオティックを伝えるために、孤軍奮闘しているのが日常なのですが、それにはとても時間が取られるので真似をする人は出てこないでしょう(笑)

しかし、マクロビオティック関連のサイトや出版物だけを見ていると、「動物性ダメ」みたいに受け取る人が多くて、次々と体調不良の人が今も生まれているのだと思います。

ここは総本山にしっかりと方向性を示していただきたいです。

現場は混乱しているのですから。

特に久司道夫先生亡き後は新しい動きがすでに出始めています。

 

ということで、東洋医学の原点である陰陽の視点で食べ物に関わり、それを料理方法で日常的に具現化出来るようお手伝いをしているのがむそう塾です。

そしてその先には体調の良い自分、健康で前向きに生きられる自分、そんな自己実現のお手伝いをしたいと思っています。

ですから、どこかのマクロビオティックが伝える世界平和より、もっともっと小さな最小単位の幸せと健康とに軸足を置いて、偏った思考や偏った食事でない現実的なマクロビオティックを愉しめたらいいなと思います。

 

みずみずしい出汁巻き玉子 マクロビオティック むそう塾

(中川式出汁巻き玉子 料理:陰陽京料理人  中川善博)

 

食べ物は「質」を最重要視しましょう。これに尽きます。

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動物性を摂らないことがマクロビオティックなのではない

実はマクロビオティックは禁じているものは何もないのです。
ただただ陰陽バランスを考えるだけなのですが、どうも「動物性禁止」というのが知られて、それが実践しやすいため色々な体調不良を招く要因になっているのです。
私はむしろ現代のマクロビオティックでは、①糖分を著しく減らし、②油脂の質と量を意識し、③ミネラルを積極的に摂取することで充分だと思っています。

糖分も油脂も現代では摂り過ぎの傾向にありますが、ミネラルは不足の傾向にあるからです。

 

①②③の偏りをなくして中庸ゾーンの食べ方をすることがマクロビオティックにほかなりません。

決して動物性を禁止しているのではなく、白砂糖だけを排除しているのでもなく、あくまでも自分の体と相談しながら「その時に食べたい(=体が必要とする)ものを食べる」のがマクロビオティックの食べ方なのです。
ですから、体が動物性を必要としている時にお野菜ばかり食べていたのでは体の声に応えていませんし、体が甘いものを求めていないのに癖で甘いものを食べることも体の声に応えていないことになります。

 

私がなんでこんなことを言うかというと、人は実に色々なタイプがいるからです。

そして体もまた100人100様で、食べ方に「これ!」という一元的な押し付けはできない現実を知っているからです。

朝からお肉を食べてもお魚を食べても元気な人はいっぱいいます。

反対にお肉を食べると消化に負担がかかって体調がイマイチという人もいます。

ですから、それらの個人差を踏まえることなく食べ方を画一的に拡めることは危険だといわざるを得ません。

 

マクロビオティックは食べた物が肉体に影響するだけでなく、精神にも影響することを教えてくれています。

食べ物というとすぐ栄養素だけで考えがちですが、陰陽という東洋的な考え方もあるんだよと言っているのがマクロビオティックです。

物の見方は何通りもありますが、陰陽で考えるととても解りやすいので、動物性を摂らないことがマクロビオティックだなんて誤った考え方をしないで、ぜひ人生を愉快に夢を実現する方向でマクロビオティックを愉しみましょう。

 

 

胡麻豆腐の生雲丹載せ マクロビオティック料理教室 むそう塾 中川善博

(胡麻豆腐 生雲丹載せ 本わさび 加減醤油 料理:陰陽京料理人  中川善博)

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自分は二人いる

自分というのもマクロビオティックの陰陽で考えると面白いですよね。
ふだん私たちは「つらい・苦しい」(陰性)と感じる心の自分が主流になりがちなのですが、実はもう一つの心を持った自分がいるのです。
それは「喜び・感謝」(陽性)の心をもった自分です。
その比率がとても大事で、陰性に傾けば幸せから遠のく人生になり、陽性に傾けば外からは不幸のように思えても、本人にとっては幸せに感じる人生になります。

 

まずはそこそこ中庸の自分を目標にしましょう。
そして、とてもつらい時にはぜひ喜びや感謝の心を増幅させましょう。
そんなことによって、不幸のどん底だと思えるような時でも、一筋の希望と感謝の心が芽生えてきます。

 

さて、あなたはどの辺にいらっしゃいますか?
いつももう一人の自分を忘れずに暮らしていますか?
こんなこともマクロビオティックの陰陽で考えられるのです。

マクロビオティックはお料理だけではないんですよ。

 

桃

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マクロビオティックの伝え方 むそう塾の場合

マクロビオティックの指導者であった久司道夫先生亡き後、すでに色々な動きが出ていますね。これからもさらにマクロビオティックを伝える教室が出来たり閉められたりすることでしょう。そして内容はさらにバラバラになるのだと思います。

かつて望診法の山村慎一郎先生がこんな話をされていたことがあります。「マクロビオティックは伝えている内容がバラバラだから、医学会のように定期的に学会を開いて、統一見解をまとめるようにした方がいいよね」と。もう10年前の話ですが、今はその時よりもっとバラバラになってきています。

 

ですから、初めてマクロビオティックに出会った人は、誰から教えてもらうかで大きく異なるマクロビオティックを始めることになります。現にその異なる指導によって体調を崩した人がむそう塾には次から次とあらわれます。マクロビオティックを始めたのに減塩をして、ご主人に味が薄いと嘆かれているご家庭も多いことでしょう。せめてお塩の正しい知識だけは確実に伝えてほしいものだと心底思います。なぜなら、それは体調に大きく影響するからです。

 

ところで、マクロビオティックは特別なものではなく、すでにこの社会(宇宙)に昔から存在していることを陰陽で説明しただけのことです。言い換えると、すでにあることを陰陽の視点から追認するということになりますね。ですからマクロビオティックを意識していなくても、大いにマクロビオティック的な生き方ができている人が沢山いるわけです。むしろ変に受け売りの陰陽知識をこねくり回している人の方が不自然に見えたりします。

 

マクロビオティックに限らず最近の傾向として、「すぐ答えを求める」というのがあります。自分で考えて答えを出そうとせず、正解だけを欲しがるんですね。ですから、それを与えてくれそうなメソッドやセミナーに群がる人が多いわけです。そこで得られないからといって次から次へとジプシーのようにカタカナ資格を渡り歩いている人も多いです。しかし、外から得るものはあってもそのままでは一過性のものになってしまいます。教えられたらすぐ実践しなければ自分のものになりません。そしてそれを継続するのです。

継続はこちらの記事でも書いたように、とても陽性な力となってみずから変化できるだけのエネルギーを生み出します。これが本当の力であり、お金で得た一過性の知識とは異なるところです。

 

ですから、むそう塾では塾生さんと離れていても、日夜メールや写真や動画やTwitterを使って双方向でタイムリーに実践のサポートをしています。お伝えしたマクロビオティックの考え方と料理技術が確実にその人のものとなって、幸せを自分の手で紡ぎだしていける力にまで育ててあげることが、マクロビオティックを伝える者のあり方だと思うからです。マクロビオティックの理念だけがひとり歩きしている昨今、むそう塾のような教室が一つくらいはあってもいいかなと思っています。

 

包丁砥ぎ マクロビオティック料理教室 むそう塾

(徹底的に包丁砥ぎを教えるのもむそう塾の特長です。)

 

包丁砥ぎ むそう塾

(包丁砥ぎは姿勢から指導が始まります。とても重要なことだから。)

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マクロビオティック不良のススメ(あえて毒を)

マクロビオティックを知ると、食べ物に神経質になって情報に振り回され、頭でっかちで身動きが取れない状態になる人がいます。もちろん食べ物を選ぶことは大切なことなのですが、人間関係を損なってまで押し通すのはどうかと思います。マクロビオティックのために夫婦仲がギクシャクしたり、友だち関係にヒビが入ったりする人も多く、マクロビオティック離婚なんていうのも結構ありました。むそう塾の玄米の炊き方講座に来られる人の中にもそういう人がおられますから、そんな時にはもっと考え方を柔軟にしてもらって、仕切り直しをおすすめしています。

 

ところで、いつも体のために良いものばかりを選んでいても病気になる人もいるし、大食漢で添加物なんてまったく気にしていなくても元気な人もいます。ちなみに私は空腹にコーヒーを飲もうものなら、すぐ胃の不調に見舞われるのですが、私の周りの男性たちは空腹にコーヒーを飲んでも涼しい顔をしています。きっと胃壁の質が著しく異なるのだと思いますが、こんなふうに人それぞれお顔が違うように、体の質も一人ひとり異なるのです。それはすでに離乳食の時にも現れますので、離乳食のコツは赤ちゃんのご機嫌と便が頼りですね。

 

私はマクロビオティックを知って食べ方に悩んでいる人に、時々不良のすすめをします。つまり、体に良い物ばかりを選んで食べていると、体にとって過保護な状態になるので、ちょっとよろしくない物を口にすると大袈裟な反応を体がすることがあるからです。それを良いことだと受け止める人もいますが、私はある意味で困ったことだと思っています。それはサバイバルな時には命をつなぐために何でも口にしなければいけない時があるからです。そんな時には体の拒絶反応で苦しむのではなく、体が著しい毒は毒と認識していち早く体外に排出をする弾力を持っている方が健康体だと思うのです。

 

お肉もお魚も弾力がある方が美味しいのです。人間も同じことで、排除食ばかりして薄っぺらくなって弾力のない体の人より、清濁併せ呑む思考と肉体を持っている人の方が強さがあります。毎日マクロビオティックの標準食とされているお料理ばかりを食べて面白味のない人より、少し脱線できるゆとりのある人の方がずっと魅力的です。私は野口整体を知った40年近く前からずっと心がけていることがあります。それは時々あえて「毒」と思われるものも体に入れることです。野口整体ではその比率を「毒2割」という先生もおられます。

 

この記事はマクロビオティックを知った人のために書いているのですが、この野口整体の教え方はとても陰陽的だと思います。マクロビオティックの本ばかり読むのではなく、案外そうではないところにこぼれている陰陽的な事象を探す方が真のマクロビオティックの勉強になったりします。ぜひ広い視野から陰陽を考えてみましょう。それが一番受け入れられやすく人間関係をギクシャクしないマクロビオティックだと思います。

 

「天皇陛下料理番の和のレシピ」元・宮内庁大膳課  谷部金次郎著

(「天皇陛下料理番の和のレシピ」元・宮内庁大膳課  谷部金次郎著)

 

この本の中にも「身土不二」と「一物全体」が書かれています。

マクロビオティックもこんな感じでいいんじゃないかなあと思うきょうこの頃です。

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マクロビオティックを整理してみましょう(マクロビオティック料理で終わっていませんか?)

いま日本国内に広まっているマクロビオティックには、大きく分けて2通りの流れがあります。一つは東京の日本CI協会や大阪の正食協会に代表されるような、古くから存在する桜沢如一先生直系ともいうべき「マクロビオティック」。もう一つは2000年頃にアメリカから入って来た久司道夫先生が提案した「クシ・マクロビオティック」。この他にそれらのところから派生した小さな流れがたくさんあります。

 

問題なのは、桜沢先生の提唱したマクロビオティックと久司道夫先生の提案したマクロビオティックとでは、陰陽理論のスタート部分が異なることです。久司先生は桜沢先生のお弟子さんだったわけですが、アメリカに渡ってからアメリカ人の理解しやすい方法で伝えたのが陰陽五行論だったわけです。それをそのまま日本に持ち込んだため、マクロビオティックと一口に言っても、異なった視点から解説するマクロビオティックが存在することになったわけです。

 

こちらの記事の引用図(下にも転載)を参考にしていただくと解りやすいのですが、陰陽五行論は桜沢先生が伝えたものではありません。桜沢先生が示されたのは、あくまでマクロビオティックの陰陽基本理論として、『宇宙の秩序』の「7つの法則」「対数的スパイラル図」、『無双原理』の「12の定理」「陰陽分類図」にあるのです。

 

ですから大雑把にいえば、桜沢先生はもっと大きな視点で哲学的な世界を唱え、そのお弟子さんたちはもっと具体的な視点で陰陽五行論や4つの体質論を唱えたわけです。なぜなら、実際に病気の人に陰陽を使おうとすると、桜沢先生の視点よりもっと細かな視点が必要になるからです。より具体的になって、目に見える形でイメージしやすい利点があるので、病気治しの現場では陰陽五行論を活用するのだと思います。

 

ここではどちらが良いか悪いかではなく、そのような経緯でそれぞれ異なる視点のマクロビオティックが存在していることを知っていただき、陰陽の理解で解らなくなったときには、桜沢先生の世界まで戻れば解決のヒントがあることをお伝えしたいのです。そして、病気治しに軸足を置いたマクロビオティックが存在することも忘れてはなりません。しかし、それらも究極的に行き着くところは桜沢先生が提唱したマクロビオティックの世界です。

 

マクロビオティックを知ってもお料理の時点で止まっている人がほとんどです。しかし桜沢先生が伝えたかったのは、そんなちっぽけなものではなく、もっとダイナミックで心躍る人生にするためのノウハウだったのです。それなのに「マクロビオティック料理」と称して、動物性・白砂糖・乳製品抜きのお料理だけがひとり歩きして、それを曲解した人たちの中には体調の悪化する人が出続ける現状があります。これでは桜沢先生は嘆き悲しまれることでしょう。

 

今あなたが知っているマクロビオティックは、桜沢先生の伝えたかった内容ですか? もし違うなら、ぜひマクロビオティックの奥義にたどり着いてください。いつまでもお料理でもたもたしないでください。マクロビオティック料理は陰陽の変化を心身で知る導入部分です。このお料理で感じた変化が陰陽の世界でもあるわけです。陰陽料理も無双原理も一生モノです。しっかり落とし込んでダイナミックな一生にしましょう。

 

困難な中にも光を! これがマクロビオティックの世界です。あれダメこれダメの世界ではありません。完全なる自由を手に入れるためのノウハウと、どん底にあっても這い上がる希望を与えてくれるのがマクロビオティックです。ですから、マクロビオティックを知っているのにつらかったり、悲しかったり、悩みが絶えないのは、まだマクロビオティックを真に理解しているとはいえません。それらを吹き飛ばす原理が陰陽基本理論にあります。ここを忘れないでくださいね。

 

「陰陽塾」(陰陽研究室便り) マクロビオティック1

「Macrobiotique」誌(月刊マクロビオティック2月号より)

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マクロビオティック「陰陽塾」(1) マクロビオティックの陰陽基本原理

日本CI協会が発行している「月刊マクロビオティック誌」に新しく「陰陽塾」のページが設けられました。もともとは「陰陽研究会通信」だったものを改題して、陰陽に関する記事を書いてくださるようです。ここに「高桑智雄」さんのお名前がありまが、この方はそれはそれは陰陽の生き字引のようなお人で、マクロビオティックの申し子として生まれて来られたような方です。一見すると飄々としてソフトなのですが、その頭の中は高速回転されています。私がマクロビオティックの第二の師として尊敬している人です。

 

日本CI協会では、マクロビオティックの陰陽を多くの人に理解してもらうために、難解な陰陽理論を少しでも解りやすくするための話し合いをされています。そのうちにハンドブックが作成されるそうですから、完成を心待ちにしているところです。
ところで、次のような図があって、これがマクロビオティックの考え方の参考になると思いますので、引用して掲載させていただきます。
「形而上学的無限絶対界と形而下学的有限相対界の2つをむすび、貫く原則」と「形而下の相対有限世界を支配する原理」との※印が理解を助けてくれることでしょう。

なんと解りやすいことか!

ぜひ、全文をお読みいただきたいと思います。
私がこちらの記事で書いていたことも、この「無双原理」の理解にほかならないのです。

 

「陰陽塾」(陰陽研究室便り) マクロビオティック1

(マクロビオティックの陰陽基本原理)

 

「陰陽塾」(陰陽研究室便り) マクロビオティック2

(月刊マクロビオティック誌2015年2月号より 58P)

 

「陰陽塾」(陰陽研究室便り) マクロビオティック3

(月刊マクロビオティック誌2015年2月号より 59P)

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マクロビオティックでは白砂糖を避ければ良いと思っていませんか?

私は常々砂糖の恐ろしさについて塾生の皆さんに話をしています。しかし、他のマクロビオティック教室で習われた方がむそう塾に来られると、「白砂糖は駄目だけれど、甜菜糖やメープルシロップなどのマクロビ甘味料に置き換えればよい」と思っている人がとても多くて驚きます。どうしてそんなことを信じてしまうのでしょう?

 

そもそも白砂糖も甜菜糖もメープルシロップも極陰性であることにかわりはありません。それなのに白砂糖だけが避けるべき食品で他の甘味料は良いというのはあまりにも陰陽を知らなさすぎます。というか、いかに緻密な目でお料理をしていないかが判りますね。こんなことはマクロビオティックを知らなくても、お料理を細心の注意で作ってみたら自ずと答えが出てきます。それをしないで受け売りでマクロビオティックを広めようとするから、白砂糖以外の甘味料は良いなどと言い出すのです。

 

では、むそう塾では白砂糖を絶対使わないのか?と言うと、たま〜に使います。それは白砂糖の透明感を利用したい時です。たとえば下の写真のように白く仕上げたいときに甜菜糖を使うと蕪がベージュ色に仕上がります。こんな時には白砂糖を使いますが、お菓子に使う量からみたら可愛いものです。それに大量に食べるものでもありません。それよりマクロビスィーツと称して、マクロビ甘味料を使ったお菓子を多く食べる方が体には悪影響を及ぼします。どちらにしても甘味料を使う時には必ずミネラルを摂っておくことを抱き合わせで教えます。

 

また、繊細な味の世界では、白砂糖のピュア感を必要とする場合があります。これを黒砂糖や甜菜糖に置き換えると台無しになってしまうお料理もあります。いわゆる雑味が入ってしまうからです。また、黒砂糖の中のミネラルが邪魔をして本来の陰性さを得られないお料理もあります。ですから私は白砂糖のみならず、甘味料全般が体に及ぼす陰性な作用をしっかり理解して、その上でどうしてもここでは必要という時に利用するのが無理のない使い方だと思います。原則は甘味料は極力避けるべしです。

 

内科医の内海聡先生が、Facebookに次のような記事を書かれています。先生はきちんと白砂糖もその他の甘味料についても説明されています。先生はちゃんとマクロビオティックの現状を把握されており、記事の中でも本来のマクロビオティックとそうでないマクロビオティックについて書かれています。どうぞご参考になさってください。

 

<内海聡先生の記事より>

砂糖以外の糖について

砂糖の記事については定期的に書いているが、そしたら黒砂糖は体にいいので砂糖ではなく白砂糖と書いてくれ、というメッセージを送ってきた素晴らしいバカがいた。面識もなく堂々と送ってくるその失礼ぶりにも失笑だが、こういう糖質ジャンキーはどこまでいっても嘘をつき、さらにそれを指摘されると逆ギレするくらいバカなので困ったものである。この辺の点において和食推奨派やマクロビの罪は重いといわざるを得ない。

 

そもそも本来のマクロビであれば、白砂糖はダメで黒砂糖はよいなどと述べていない。それは派閥別れした嘘つきたちが言い出した捏造である。科学的に考えても栄養学的に考えても、白砂糖がダメでほかがいいということは一切なく、黒砂糖もてんさい糖も三温糖もハチミツもメープルシロップも、すべて体に超悪い。所詮多少のミネラル・ビタミンが入っているかどうかの違いであり、直接糖の恐ろしさをさっぱりわからず正当化を繰り広げるのがジャンキーである。

 

もともと人間の体は糖を直接取るようには出来ていない。糖はコレステロールに影響を与え粥状動脈硬化を作り出す。この糖化は活性酸素を生み出し過酸化を誘導する。糖化が進むと体内ではAGE(糖化最終生成物)が生成され、それが粥状動脈硬化を助長する。糖は吸収すれば血糖が一気に上昇し、その後急速に下降することで人体を攻撃する種々ホルモンの分泌を促す。どんな糖であれ細胞を崩壊させやすくなり、ウイルスや細菌にも感染しやすくなり、アトピーなどアレルギーにもなりやすくなり、いわゆるメタボの主原因となり、癌にもなりやすくなり、精神的にも人を狂わせる。

 

間接糖(玄米や全粒粉や果実や皮付き芋)でさえ多くとりすぎれば害となる。事実、日本の死亡統計では結核などがかなり多かったが、これは糖質過剰を示唆している可能性が高い。また、昔の日本人にとって米はごちそうであり、そんなに簡単に食べれるものではなく、麦飯やひえやあわを食っていたのは皆さんも知っているはずである。また昔の種は今の米や麦より糖度が低く、タンパク質やミネラルの含有率も高かった。そんなのも知らない人が黒砂糖について語るというこの国のアホさ加減は、いったいどう説明すればいいのだろう。

 

極め付きはこの黒砂糖を勧めてくる写真もない誰かさんは、自分で講演もしているらしいというからお笑いである。しかし日本にはこういう人しかいないのが現実であり、嘘を広めながら徹底的に自己正当化と言い訳し続けるのがオチである。こういうことはあらゆる分野にわたって浸透しているが、こういうのゲスの極みというのが適当なのだろう。糖質ジャンキーなのだから当たり前だが、ジャンキーはそれでも正当化を繰り返す生き物なのだ。

 

菊花蕪 マクロビオティック料理教室 むそう塾

(菊花蕪 料理:陰陽京料理人  中川善博)

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あなたの「溜め込む=陽性 吐き出す=陰性」はバランスがとれていますか?

マクロビオティックでは陰陽で物事を判断しますが、今ではマクロビオティック料理の方が知られていて、もっと奥深いところにあるマクロビオティックの本当の良さを実感されていない人が多いように感じます。
私はマクロビオティックの哲学部分に惚れて、それで全国行脚を始めた経緯があります。

しかし、全国行脚をしていると、食べ方の段階で暗礁に乗り上げている人の相談があとを絶たず、よく話を聞いてみると、なんとお料理そのものがその人に合っていない物を召し上がっているケースが非常に多くてビックリしたのです。

それでついには料理の専門家である「京料理人  中川善博」さんに相談して、一緒にむそう塾を始めることになったわけです。

 

ですから、むそう塾は最初から体調不良の人を立て直す場としての使命を抱えてスタートしたのでした。

順調に講座も消化しつつ、お料理を通じてご家庭の幸せに貢献出来ていることを嬉しく思っています。

でもマクロビオティックはこれで終わりではありません。

その健康になった身体で何をするのか? どんなふうに生きるのか?

ここがマクロビオティックの目指すところであり、お料理や食べ方は導入部分にしか過ぎません。

健康になったといって手放しで好き放題をしていると、またいつしか体調不良が忍び寄ってくることになります。

 

食べ方にも暮らし方にも生き方にも人間関係にも陰陽を意識して、陰陽バランスを取りながら人生を愉しむのがマクロビオティックの醍醐味です。

私はその中でも人間関係の陰陽がとても好きです。

尽きることのない様々なタイプの人間がいますし、事情も色々なケースがあって飽きることがありません。

相手があって、その関係での陰陽もありますが、自分だけの陰陽もあります。

これが結構盲点になります。

なぜなら、人は自分のことってなかなか正確に判断しにくいからです。

そして癖が邪魔をするからです。

 

特に一人暮らしの人や、結婚していても配偶者との会話が少なかったり、あるいは配偶者の氣が仕事に没頭していると、一人で悶々としてしまう場合があります。

そんな時には、ぜひ自分の想いを外に出しましょう。

常々気楽に想いを外に出せる人は良いのですが、想いが屈折したり内攻したり考えすぎてしまう人は、その停滞した想いに潰されるようになってしまいますので、きちんと外に出しましょう。

想いを中に閉じ込めておくことは陽性に偏ります。

この場合の陽性は良い陽性ではなく、悪い陽性です。

 

ですから、Twitterでつぶやくのも良いし、誰かに打ち明けるのも良いし、相談出来る人がいたら構えないで相談するのもいいですね。

それらを突破口として、思わぬ展開になって解決の糸口を見つけたり、発想が変わったりするものです。

「溜め込む=陽性」「吐き出す=陰性」の陰陽バランスは、一番基本のスタイルでありながら、なかなか実行出来ていない人が多いです。

マクロビオティックってこんな身近なところから意識して、人生を遊ぶ感覚で生きるための考え方なのです。

 

今年はこんなマクロビオティックの原点をお伝え出来る機会を多く持ちたいなと思っています。

迷える人にこそマクロビオティックが必要です。

 

仏手柑 むそう塾 京都

(仏手柑 京都駅 宝泉にて)

 

仏手柑(ぶっしゅかん)はとても縁起の良い果物で、陰陽で判断しても良い氣を運んで来る感じがしますね。
さすがに京都では、喫茶店でもこのような飾りをしていて奥深さを感じました。

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今年のマクロビオティックは拡散から収斂の方向へ

昨日は東京の日本CI協会に行ってきました。
マクロビオティックについて気になる最近の状況をいっぱい話し合って来ました。
4時間以上もお相手くださったCI協会のIさん、Yさんに心から感謝を申し上げます。
マクロビオティックの総本山として果たすべき役割、そして桜沢如一先生の説かれたマクロビオティック、さらに久司道夫先生が亡き後のマクロビオティックなど、テーマは「今後」のあるべき姿でした。

 

桜沢先生のマクロビオティックへの熱き想いはそのままに、現代人に正しく伝わって健康と幸せに貢献できるより良い方法を巡って、貴重な情報交換の時間でもありました。
末端で感じるマクロビオティックの現実、それを総本山にお届けして、現代にふさわしいマクロビオティックにして行くことが、これからのマクロビオティックへの正しい理解につながると信じています。

 

途中で勝又靖彦会長にお目にかかって、少しお話をすることが出来ました。
その時に勝又会長が話された言葉に感動しました。

ああ、今、日本CI協会のトップの方はこんな意識をお持ちなんだなと確認して、私も大いに勇気をいただきました。

今年はマクロビオティックの伝え方における変革の年になることでしょう。

いや、変革しなければ、マクロビオティックは間違っているという声が多くなって、淘汰されてしまう時期に来ていると思います。

 

マクロビオティックには素晴らしい理念がありますが、その理念が誤解されたまま一人歩きしています。

マクロビオティックの考え方は多方面に応用できるがゆえに、原則と例外をきちんと提示して、本来の哲学的考え方を拡めるだけでなく、日本人の正しい食文化としての和食の伝承に今こそ力を入れるべきだと思います。

国籍不明の得体のしれないお料理を作っているだけでは一般人の理解は得られません。

現場は混乱しています。マクロビオティック難民が右往左往しています。

それでは外部から叩かれるのも無理はありません。

 

こんな混迷の時代だからこそ、はっきりとした方向性と目標を持てるマクロビオティックの考え方を、現場目線で総本山が収拾に乗り出してくださることを期待したいです。

 

桜沢如一著 魔法のネガネ マクロビオティック

(魔法のメガネ 原作:桜沢如一 監修:陰陽研究会)

 

桜沢先生が目指した世界は、主に久司道夫先生を通じて世界平和を強調したものとなって日本に逆輸入されました。

しかし、それによって「世界平和」の言葉が踊るだけの陰性料理が広まりました。

今や「マクロビオティック=健康料理」の段階でストップしている人が多く、桜沢先生が目指した最高判断力を意識している人は本当に少なくなりました。

 

つまり、マクロビオティックが食べ物の段階でウロウロしているのです。

目指すはマクロビオティック料理で健康になった心身で「どんなふうに生きるか」なのに、単に餓鬼道で終わってしまっている人を多く見かけます。

それでは見苦しいだけですから、多くの人の支持を集めることは出来ませんし、叩かれもします。

そんな現状を打破するためにも、今年をマクロビオティック収斂の年として、拡散(陰)から収斂(陽)の方向に進むべきだと思います。

 

◆ブログの次の記事も併せてお読みください。
マクロビオティックの指導現場から(動物性のこと) 

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