毎朝、お弁当をTwitterで投稿してご指導いただいていますが、
7月に投稿したお弁当を眺めていて
オクラとか茗荷とか伏見甘長とか、そびえ立たせている率が多いなぁと面白くなってしまいました。
(オクラ、好きなんです・・・笑)
(7月の丸弁当 一部)
それでふと思い出したのが、辻嘉一さんの『盛付秘伝』で
季節によって盛り付けが変わる、という話でした。
料理と余白、というところで
「日本料理の盛り付けには余白が重要で、
その余白は料理や器の種類、料理を出す場所の雰囲気や客によって左右されるため一定することはない」という前提のうえ、
一応の目安として、季節による余白の割合が示されていました。
夏 → 料理六、余白四の割合
冬 → 料理七、余白三の割合
図解では夏は、お皿に対する面積が六、その代わり冬よりお料理を高く盛り付けてありました。
(辻嘉一 (1982). 盛付秘伝 柴田出版)
この本を購入したのはむそう塾の上級コースに通っているときだったので幸せコースで盛り付けの授業は受けていたのですが
何せまだまだお料理もマクロビオティックも初心者だったもので
読んでも具体的にどんなお料理がそこにくるのかもイメージしたりできずにクラクラしたりしていたのですが
上記の季節によって盛り付けが変わる、というのはとても印象に残っていたところでした。
夏と、冬では景色がちがう、
これって夏と冬だと陰陽が違うからだよね・・・!と頭に「!!」が浮かんだ気分でした。
お料理方法や食材などは分かってきていたのですが、それ以外で
マクロビオティックの陰陽とお料理がつながっていることを納得できて、とても嬉しかったのを覚えています。
お弁当は「折詰」なので、箱底辺に余白があると持ち運びでずれてしまいますが
そういえば、「夏の景色」として一つ一つのお料理を少しつんもり気味にしたり、
前述のオクラのようにすっと立てたりして、高さを出した方がしっくりくるような気がして
自然とそうしていました。
本当は意識してそうしなくてはいけなかったのでしょうけど・・・
高さがある方がすっきりする、というのは、陰陽だから、というよりは
「しっくりくる」ものが陰陽に沿っているのだなぁと
改めて感じました。
【2016.8.2 舞記】
<マクロ美風より>
いや〜、素晴らしい文章です。
あなたでなくては書けない内容だったと思います。
この素直さ、この自然体、これがあなたの文章の素晴らしいところですね。
お料理の盛り付けをマクロビオティックの陰陽で考えられるところが、いかにもむそう塾生であり、秘伝コース修了の貫禄十分というところです。
多くの後輩さんも勉強になる内容でした。
中川さんが毎日口を酸っぱくして伝えている盛り付けの陰陽を、こんなふうに感じ取る力がついて来たことが本当に嬉しいです。
ところで、日本文化は「間」を大事にしますね。
最近では和室そのものの数が減ってきましたが、和室の素晴らしさは「間」にあります。
それを一番感じるのが「床の間」ですね。
あの感覚と辻嘉一さんの世界、そしてそれを解説して伝授し続けてくれた中川さんの指導がここで一つになった気がします。
まさに紙一枚ずつの進歩ですね。
歩み続けていたからこそ得られて、あなたの力になりました。
素晴らしい日々の暮らし方です。
なお、今後「器の陰陽」も記事にされると面白いと思います。