これからのマクロビオティック料理

「もどき料理にひと言」の記事に、色々なコメントをお寄せいただきまして、ありがとうございました。
ちょっと誤解があるといけないので、改めて申し上げますが、私は「もどき料理」のすべてが嫌いなのではありません。
たとえば「ウナギもどき」は、とても美味しいお料理だと思いますよ?。
初めてウナギもどきを習った時には、「ヘェ?」と半信半疑で作りましたが、試食すると「美味しい!」と感動したものです。
それで、一時期「もどき料理」の創作を楽しむこともありました。
そんなことをしているうちに、私は「名前のつけかた」にちょっと疑問をもったのです。
あえて鰻を意識するのではなく、「蓮根の蒲焼」として、蓮根料理の一バリエーションとしての位置づけでも良いのではないかと。
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私が独身の頃、ヌーヴェル・キュイジーヌの流れが日本にもやって来て、東京で初めてのそのお店に行きました。
当時はその新しい感覚に魅了されたものです。
今ではフランス料理も、キュイジーヌ・モデルヌの流れがあって、時代と共にお料理の世界も変化しています。
ここ日本でも、良し悪しは別としてお料理界にも色々な変化があります。
「創作料理」なる看板も多くなりました。
(怪しげなところもありますが・・・)
そして、マクロビオティック料理も少しずつ認知され始めました。
しかし、その伝わり方には大いに問題があったり、誤解もあるのが事実です。
それはそれとしても、お料理の世界ははっきり言って、「美味しくてなんぼのもん」です。
どんなに体にいいと言われても、まずいものは食べたくないのが普通です。
命がかかっていたって、「まずいものを喰うくらいなら死んだ方がましだ」という人だっています。
だから、マクロビオティック料理だって美味しいことが絶対に必要なのです。
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私は、過去のマクロビオティック料理においては陰陽の理論が優先されて、この「美味しい」ことが第二になってしまったように感じるのです。
一般的な料理と同じ土俵に上がった時、「素直にこちらが美味しい」と感じてマクロビオティック料理を選んでもらえるような味付け(料理名も含めて)が、これからの時代には不可欠だと思うのです。
かつてマクロビオティック料理は、「食養料理」としての時代がありました。
しかし、もうすでにマクロビティック料理は、「健康料理」の時代に入っているように感じます。
ストイックなマクロビオティック料理ではなく、笑顔で色んな人と食べられるマクロビオティック料理がなくては、マクロビオティックの目指す平和な世界は遠のくばかりです。
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よく、「普段はユルユルでやって、病気になった時にはきちんとマクロで治します」と仰る人がいます。
しかし、声を大にして申し上げますが、ひとたび病気になってしまったら、今の人達の体質を考えると、食事だけで治すのは(病気の進行度によっては)相当に大変です。
桜沢如一先生がマクロビオティックを提唱された時代に比べて、今は日本人の体質も環境も大幅に悪く、かつ複雑になっているのです。
そのことを認識しないで、中には「病気になったので、ゆるゆるマクロビオティックで治したい」という危険な人まで登場しています。
改めて申し上げます。
一番大事なことは、「病気にならない」ことなのです。
今の医療制度や医療事情を考えても、病院やお医者さんや民間療法に頼りすぎるのは危険です。
まず、自分の体は自己責任で病気にならないようにする。
そのための一方法として、日々の食事を大切にして理論的に考えたマクロビオティック料理があって、それが美味しい!
あるいは、「美味しい料理があるけれど、それはマクロビオティック料理って言うらしい」でもいいのです。
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そんなことをつらつら考えると、マクロビオティック料理の名前も、そろそろ新しい視点で考え直したいな?と思うのです。
そして、美味しいお料理が「気がつけばマクロビオティック料理」だったり、穏やかで心地よい生活が「宇宙の秩序(リズム)を意識すること」だったりしたら、最高に嬉しいですね。
そんなことをみんなで共有したくて、つたないブログを綴っています。
きょうも笑顔でイキイキと過ごせそうですか?
楽しくマクロビオティックライフを送れそうですか?
素晴らしい一日でありますように。

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コメント

  1. 鍼美人 より:

    ちょっと、昔のHNに戻って記事を書いてみました

  2. みぃにゃん より:

    食養料理か、はたまたおしゃれなカフェ風メニューか。
    とにかく偏りがちな今のマクロビオティック料理。
    また「マクロビオティック=料理」という狭い認識。

    もどきがあってもいい。
    それも沢山ある表現方法の中のひとつ。
    でも大元を忘れないで欲しい。

    今のマクロビオティックそのものの閉塞感が、もどき料理を通して浮かび上がっているように思えました。
    でも。
    美風さんやほかの皆さんから、新しい風も確かに感じています。

  3. Rainy より:

    手強い家族と実家暮らしをしております。

    美風ゼミに出席してから家族と食のことで衝突しないよう調和をはかるように調整し始めました。
    家族との調和をはかるという課題は、きっと乗り越えられるから私に与えられたんだと思いながら進めています。

    食について母や妹らと言い合いはありますが、痴話げんかみたいに軽く言い合う程度です。
    最近は母親の方が切干大根やひじきや高野豆腐を使った料理が以前より増えた気がします。
    私も、鶏肉を使った料理を作ってみたり。
    「ふつうの料理も作れるんじゃん」なんて言われながら。
    あまり「美味しい」とは言われない私の料理も「不味い」と言われないだけまだマシでして。
    徐々に歩み寄っているのかな?

    「今日から私はマクロ!」という意気込みで始め、それを実践し続けられる人が羨ましいです。
    優柔不断な私はいつまでもふらふらとやれ植物性だ動物性だと気になりながら食に踊らされています。
    以前ほど動物性を食しているコトに負い目や後ろめたさを感じるのは減りましたが。

    >病気だからゆるゆるマクロ…
    というのはちょっとドキッとしました。
    このままだとたぶん私もキケンなヒトになってしまうのかな…なんて思ってしまいました。
    肌の表面に出てきたホクロだってそうそう即日に消えるわけじゃないのに、体の内側にある腫瘍なんてなおさら食で治すのも治せるかどうかですよね。

    環境・時代の流れなど大きな視野で見て、今後のマクロビオティック料理を考えていきたいです。

  4. はな より:

    美風さん、いつも為になる記事をありがとうございます。
    参考にさせて頂いております。

    私はマクロビのカフェにて働いています。
    「美味しい」マクロ食に関して、ここの所凄く悩んでおり、記事がとてもタイムリーでした。
    マクロ食を普段から頂いている私にはお店の料理は美味しいと感じます。
    ところがマクロ食が初めての方にはちょっと馴染まない方もいらっしゃいます。
    今日お店で「京都で食べた精進料理はとても美味しかったので、ここのも期待していたのに。こんな味ではリピートしようとは思いません。」とハッキリおっしゃったお客様がいらっしゃいました。(この方は男性で食後に血圧を下げるお薬を出して飲まれていたりしたので、普段の食事とは随分違う内容だったのかも知れません。)

    他の社員の方に伝えた所「そういう食事なんだから味はあまり考えてはいけない。いちいちお客様の言っている事を取り入れていたらやって行けない」との事でした。

    現場で働いていると、普段頂いている食事の内容によっては「美味しい」と感じない人も多いのかな?という実感です。

    何だか当たり前の様な内容を書き込んでしまいすみません。でも最近とってもモヤモヤしてしまっていて。。。

    「もどき料理」に関して。ネーミングって大切ですね。考えさせられました。
    「蓮根の蒲焼」の方が頂いた時にギャップを感じないし、より蓮根の美味しさを感じられそうな気がしました。

    >きょうも笑顔でイキイキと過ごせそうですか?
    >楽しくマクロビオティックライフを送れそうですか?

    この境地を目指して今日を楽しもうと思います♪

  5. kate より:

    こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいています。

    美味しくてなんぼ・・いや、ホントに!
    自分で自分のために作ってる料理なのに、ついストイックになったりして本筋を見逃しそうになっていました。ありがとうございます!
    マクロ美風さんの記事は、なぜかいつもタイムリー。困っているところにスッと入り込んでくる感じ(まさに風のような!?)で面白くって感動してしまいます♪

  6. マクロ美風 より:

    拝見させて頂きました。
    おー!
    やっぱり鍼美人さんの方がいいな~。
    同感の記事です!

  7. マクロ美風 より:

    みぃにゃんさんも日々進化されていますね~(失礼)
    私は「新しいマクロビオティック」とは言わないけれど、「マクロビオティックの実践における新たな提案」はしたいと思っています。
    現代に合わせた、実践しやすいマクロビオティックをみんなで作り上げたいですね。

  8. マクロ美風 より:

    いや~、Rainyさん、素晴らしいですね~。
    お母様との歩み寄りが見事です!
    その調子でバランスをとってくださいね。
    一見何の進展もないように見えても、ある日突然ちょっとしたきっかけで、コロッと事態が動き出すことはよくあることです。
    これがマクロビオティックをしていると、絶妙のタイミングでやって来るんですよ~。

    >「今日から私はマクロ!」という意気込みで始め、それを実践し続けられる人が羨ましいです。

    何事もそうですが、ストレートに行けば良いというものでもありません。
    回り道をしながら、実に多くのものを吸収しているんですね~。
    それがRainyさんの宝であり、財産になるわけです。
    今の状態は、決して無駄な時間の流れではありませんよ。
    回り道をすればするほど、人は優しくなれるし、痛みも解ります。
    これからを楽しみにしながら、日々を明るく過ごしましょうね。
    またお会いしましょう♪

  9. マクロ美風 より:

    考えさせられるコメントをいただきまして、ありがとうございました。
    とても重要な要素を含んでおりましたので、記事にさせていただきました。
    http://blog.goo.ne.jp/macro21/e/bc83c0c3f9f4b392af62da8c0d418215

    よろしくお願いいたします。

  10. マクロ美風 より:

    >美味しくてなんぼのもん

    これは私の口癖なんです(^^;)
    だって、食べ物ですからね~。
    「食を制する者は人生を制する」くらいに重要です。

    ま、楽しくまいりましょう♪

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