本当に美味しい(体に良い)玄米ごはんの見分け方

マクロビオティックを長年続けている人でも、玄米ご飯の本当の美味しさを知らないまま玄米ごはんを召し上がっている人が結構多いのではないかと私は思っています。
では、本当に美味しく炊けた玄米ごはんってどんな感じなの?と思われるでしょうね。
そのお味を文字で完全に伝えられないのが残念なのですが、大きな特長が2つあります。

第1に、冷めても美味しいこと。
玄米の皮部分が完全にα化して、中の胚乳部分と一体化していると、ほのかな甘味が感じられて冷めても美味しい状態になります。

第2に、おやつのように食べたくなること。
上のように完全に一体化した玄米ごはんは、つい手が出てしまいそうな誘惑にかられます。
それは、ほのかな甘味がそうさせるんですね。
人間って本能的に甘さのあるものには手が伸びやすいからです。

ところが、玄米ごはんが完全にα化していないと、それらの美味しさは隠れてしまい、米糠部分の糠臭さや、皮部分のザラザラ感などが前面に出て、とてもまずくて悲しい食べ物になってしまいます。
そういう玄米ごはんは少し褐色が多いので、パッと見ただけでも判ります。
本当に美味しい玄米ごはんは、色白で柔肌の美人さんです。
さらに、さら〜っとしていてしつこくありません。
(ご飯粒がしゃもじにねっとりとくっつかない。)

*   *   *

しかし、多くの人は色白柔肌美人でない玄米ごはんでも、“もっちり感”にだまされて召し上がっている場合があります。
もっちり感は、圧力鍋で炊いた場合になることが多いのですが、しゃもじにくっついてしまうのは本当に美味しい玄米ごはんとは違います。
最初は美味しく感じたとしても、そのうちにそのもっちり感がイヤになって食べられない日がやってきます。

それから、“カニ穴”が美味しさの証拠だと教えている人がいますが、そんなことはありません。
カニ穴というのは蒸気が下から上に抜けただけのことで、まずい玄米ごはんにだってカニ穴は出来ます。
美味しく炊けたかどうかは、フタを取ったときの表情でも判りますが、しゃもじを差し入れたときの“しゃもじ当たり”ですぐ判ります。

先日、むそう塾で玄米ごはんの炊き方を習った新しい塾生さんから、次のようなご感想をいただきました。
2行目の文章だけでも、本当に美味しい玄米ごはんが炊けているなあと判断できますね。

こんなに美味しい玄米ごはんは今までの人生で食べたことはありません。
食べたい❗とすごく思ってしまうごはんです。
甘みがあるのにあっさりしている。
こんなごはんがほしかった。
求めていた味です。

*   *   *

ところが、玄米は体に良い栄養があるからとか、玄米を食べると痩せるらしいとか、情報だけで食べていると、上の2行目3行目の欲求は少ないはずです。
玄米にそれほどの感動もないまま食べているうちに、体調が損なわれる場合がありますから、きちんと炊けていない玄米ごはんは要注意です。

不味い玄米ごはんでも痩せることは痩せます。
それは玄米の排出作用によるものですが、玄米の持つ栄養分がすべて吸収される炊き方でないと、そのうちに玄米を食べているのに不健康な状態になります。
それだったら白米の方が良かったねということになりますから、玄米を食べる場合は、一にも二にも炊き方を完全にしましょう。

いくつか画像を上げておきましょう。
【むそう塾で指導している炊き上がり】ここまでアルファ化させて、皮と胚乳部分を一体化させます。

(中川式玄米ごはん 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室むそう塾)

 
 

こちらは、いつでも比較できるように、中川善博のサイトのトップ画像として載せてあるものです。

 
 

【皮が乖離している状態】(ネットで見つけた写真)

【アルファ化がもう一歩の状態】(玄米投稿中のむそう塾生)

 
 

【アルファ化がまだの状態】(玄米投稿中のむそう塾生)

 
 

【水分が多くてアルファ化もまだの状態】(玄米投稿中のむそう塾生)

 
 

いかがでしたか?
あなたの炊き上げた玄米ごはんを写真に撮ってみると、色々な改善点が見つかってくると思いますが、それをどうやったら改善できるのか?
そこが難しすぎる問題なので、むそう塾では「玄米投稿」を通じて美味しくするために、二人三脚で頑張っています。

 
 

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コメント

  1. ひな より:

    美風さん、こんにちは。
    玄米ご飯の貴重な記事を、ありがとうございます。

    この記事を見てから、これまでの玄米ご飯を振り返り、
    炊きあがりや食べ心地をさらに意識するようになりました。
    しゃもじにご飯がくっつかないか(ここも大事なポイントだったのですね…!)、
    見た目はきれいな白さがあるか、
    口に入れたときにざらつくような感じはないか、
    噛んだときの硬さはどうか、
    やさしい甘味を感じられるか、
    冷めても美味しさを感じるか、 …。
    玄米ご飯を炊くことの難しさと奥深さを、以前より感じている今日この頃です。

    「前回は美味しく炊けたのに、今回はあまり美味しくない…!」
    なんてことがあるのですが、その原因をいまいち掴めないままでいます…。
    炊く場所や炊いているときの自分の『氣』まで反映されるのですから、
    呆然と立ち尽くしてしまうような気持ちになります。
    美味しいと感じるご飯は53点までいっているのだろうか?と不安になることもあります。
    鍋のメンテナンスを怠りがちなので…しっかり行い、
    初心に帰って真剣に向き合ってみようと思います。

    • マクロ美風 より:

      ひなちゃん、こんにちは。

      一つ確実に言えることは、「道具は最高の状態にしなければ最高の性能を発揮できない」という事実です。
      あなたの体に置き換えたら分かりやすいでしょうか。
      あなたの体をあなたの人生の道具とお考えください。
      頭が痛かったり、お腹が痛かったり、熱があったりしては、あなたがご自分の能力を発揮しようにもできませんよね?
      ですから、あなたの能力を最大限発揮できるように、あなたの体調をベストな状態に調整しておくのと同じことです。

      今まで鍋や包丁を大切に扱わない人がお料理上手になった例はあまりありませんので、そのあたりから見直しをされるのがよいかと思います。

      • ひな より:

        美風さん、こんにちは。
        お返事をくださり、ありがとうございます。

        「道具は最高の状態にしなければ最高の性能を発揮できない」
        言われてみると、確かにその通りです。
        「体」の例え、とても分かりやすかったです。
        道具を「モノ」と捉えすぎず、
        生活を支えてくれる大切な存在として、きちんと愛情を捧げようと思います。

        >今まで鍋や包丁を大切に扱わない人がお料理上手になった例はあまりありませんので、そのあたりから見直しをされるのがよいかと思います。

        この言葉がぐさり、と刺さりました。
        しかし、頭でわかったようでまだ落とし込めていないようにも感じます。
        ばんびさんのにぬきやおはるさんのだし巻きの切り口はとてもきれいで、
        心が落ち着くという美風さんのお気持ちもわかります。
        その一方で、包丁の切れ味が美味しさとどうつながるのかが理解できていないのです。
        落とし込めていないと、よく「まあいいや」になってしまうので、
        何とか考えてはみるのですが…。
        きっと、これを理解するのは実際に体験するほかないのだと思います。
        とにかく今は、最高の玄米ご飯を炊き続けられるように、
        少しでもお料理上手に近づけるように、
        気持ちの良い生活を送れるように、
        お料理道具や生活道具を大切に扱うことから始めてみます。

        • マクロ美風 より:

          ひなちゃん、おはようございます。

          >その一方で、包丁の切れ味が美味しさとどうつながるのかが理解できていないのです。

          それは、よく切れる包丁と切れない包丁で同じお料理を作ったら、一目瞭然です。
          まだまだ頭で、文字で考えようとされていますね。
          まあ、大学生だから仕方ありません。
          社会人になって、実際にお料理と向き合ってみて答えを確認してみてください。
          今は、「そういうものなんだ〜」と知っておくだけでも財産になりますからね。

          • ひな より:

            美風さん、こんにちは。

            どうにも、体で感じるより頭で考えようとしてしまう悪い癖が…。
            失敗を恐れて行動できないことも、この癖が影響しているのだと改めて思いました。
            以前中川さんが教えてくださった「まずは体感」ということも、
            今後意識しようと思いました。

            お料理と真剣に向き合える時間、機会をつくりたいです。
            これからもむそう塾から、たくさん財産をいただいていきます!

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