現代版マクロビオティック食事法(4)主食としての玄米

マクロビオティックの食事法に関しては、たくさんの本が出ていますし、ネットにもいっぱい情報が流れていますが、私はあくまで「マクロビオティック京料理教室 むそう塾」として直接手応えとして感じたことを記事にしています。
ですから、ここには指導体験から導き出された結果が凝縮されていますので、少しでも健康に関心をお持ちのかたには参考になるかと思います。
もしあなたが溢れる情報の中で迷っておられるなら、整理のためにお役立ていただけたら幸いです。

<主食という概念>

さて、今回は主食について取り上げます。
今の時代は食生活の欧米化とともに、主食の概念が薄らぎつつありますが、私は単純にいって誰でも健康を目指せる食べ方として、「主食」という言い方はあった方が良いと思います。
なぜなら、指導現場では主食の量や質がその人の精神面まで大きく左右する現実が日常的に起きているからです。
まさにその人にとっての主要部分を構成するのが主食だからです。

では、何が主食たりえるのかといえば、日本人の場合はやはり穀類のうちでお米が最もふさわしいといえます。
日本人全体では白米の方が圧倒的に多いのですが、自然食志向の人たちの間では玄米も広く受け入れられており、特にマクロビオティックでは「一物全体」の観点から玄米を積極的に取り入れています。
その他に小麦や蕎麦も主食に含まれますが、玄小麦・玄蕎麦は加工や味の点から一般的な広がりは少ないです。

<主食の量>
その主食はどのくらい摂ればいいのか知りたいところでしょうが、これこそ個人差がありすぎて一概にはいえません。
食べる人の体調や体質、年齢や性別やお仕事の種類、はたまたどこにお住いなのかなどを考えると、ブログには細かなことは書けないのですが、むそう塾では1回に自分が食べるご飯の量はg単位で把握してもらっています。
なぜなら、そのご飯に含まれる糖質がその人の病気にダイレクトに響くことがあるからです。
大体200g前後を1回のお食事で摂ることが多いです。

 
 

<実例>
【塾生作品の玄米お弁当:玄米ご飯160g、梅干、昆布佃煮、出汁巻き玉子、小松菜塩茹で、肉団子甘酢餡、この他にモバイル味噌汁、糠漬け】

%e3%83%9e%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%93%e3%82%aa%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e4%ba%ac%e6%96%99%e7%90%86%e6%95%99%e5%ae%a4%e3%80%80%e3%82%80%e3%81%9d%e3%81%86%e5%a1%be%e3%80%80%e7%8e%84%e7%b1%b3

 
 

(マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

いかがですか?
玄米ご飯とは思えないほど色白の炊き上がりですね。
実は今が1年中で一番玄米ご飯が美味しく炊けない時期なのですが、上手に炊いてご自身の体調を崩さないお弁当が完成しています。
なお、この塾生さんは1型糖尿病なので、主食を少なめにして糖質に気をつけています。

<玄米と白米の注意点>
・主食は一生食べ続けることを考えて中庸の仕上がりにすること。
・主食は玄米がベストですが、必ず無農薬栽培のものにすること。
・玄米のフィチン酸については、むしろ良い面もあるので心配しないこと。(後日記事にする予定)
・一日3食とも玄米は多いので、もう1食は白米や麺類でも良い。(何年も先のことを考慮して。)
・最低1食を玄米にするだけでも便の状態が変わってきます。
・玄米は白米に比べて米糠の部分の栄養がとれるので、ご飯の量もおかずの量も少なくて良い。
・玄米は炊き方によって消化が悪くなるので、必ず消化吸収の良い炊き方にすること。(中川式玄米の炊き方がおすすめ。)
・白米を食べる場合は、おかずやお出汁を陽性気味に。
・最初の一口だけは玄米なら60回、中川式なら40回噛みましょう。(よく噛むことを意識するため。)
・玄米を食べるメリットは米糠部分の摂取にあって、この米糠が威力を発揮します。実感出来るようになると玄米生活が楽しくなるでしょう。

 
 

<関連記事>
現代版マクロビオティック食事法(1)序
現代版マクロビオティック食事法(2)食事バランス
現代版マクロビオティック食事法(3)動物性の割合

*   *   *

【ご案内】
これから開催予定の講座案内 最新版
【サイト内の記事】
マクロビオティックの盲点
塾生のきょうの100点お弁当
陰陽を感じる日々の暮らし
中川善博から娘へのお弁当

 
 
カテゴリー: むそう塾スタイル, マクロ美風の体験的マクロビオティック パーマリンク

コメント

  1. Ka(107-4) より:

    美風さん、貴重なお知恵をたくさんありがとうございます。
    一つお教えください。

    >一日3食とも玄米は多いので、もう1食は白米や麺類でも良い。(何年も先のことを考慮して。)

    とありましたが、これはどのように理解したらよいでしょうか。現在私は毎日3食とも玄米を頂いておりますが、頻度を少し落としたほうがよいのでしょうか。主食だけでなく食事の回数(1日1食や2食など)も、どのように決めていくのが良いのか知りたいと思っています。

    よろしくお願いいたします。

    • マクロ美風 より:

      Kaさん、こんばんは。

      あなたはまだ玄米を食べ始めて間もないので、一日3食とも玄米で大丈夫です。
      そのうちにあなたの体質なら玄米が少し重くなる日が来るでしょうから、そういう時には1食を麺類にしたり、この記事のようなことを考えてみましょう。

      また、お子さんをお育てになっているので、朝からお食事する習慣まで変えなくても良いです。
      徐々にご自分で挑戦してみたいことが出てくると思いますが、その時には教室でご相談ください。
      一緒に考えましょう。

      まずは3か月、玄米ご飯を食べ続けて起きてくる体や心の変化を確認してから、次のステップに進みましょう。

  2. Ka(107-4) より:

    美風さん、ご回答ありがとうございます。

    そうでした、「誰でもいつでもコレ!」というのではなくて、その人、その時の体調に合わせるのが陰陽でしたね。ついつい固定的な捉え方をしてしまいました。

    これからの変化に合わせて相談に乗っていただけるというのはとても心強いです、ありがとうございます。まずは3ヶ月、家族で美味しく玄米ご飯を頂きます。

    • マクロ美風 より:

      Kaさん、おはようございます。

      人間の顔はみんな違うように、性格や体もみんな違うのです。
      大雑把に言えば、顔があって、胴体があって、手足が2本ずつあって、同じような臓器がついているのですが、実は、その強弱や弾力や細かな部分では微妙に違うのです。

      人が心から幸せに思えて、健康でいられるためには、それらの「使い方」や「環境」も影響します。
      そこまで、よ〜く考えて、何をどのくらい食べるかを決定するのが、マクロビオティックの考え方なんですよ。
      それを解りやすくするために、「陰」と「陽」という言葉で2つの特徴を分類しています。

      徐々に楽しくなって来ますから、解らない時には何でもご質問ください。

  3. Ka より:

    美風さん、こんばんは。

    食べること、料理する事の奥深さを感じられるご返信、ありがとうございます。
    今はまだ「奥深そうだ」という予感にとどまりますが、
    これから学ぶ中で、マクロビオティックを体感し、楽しんでいきたいと思います。

    どうぞよろしくお願い致します。

    • マクロ美風 より:

      Kaさん、おはようございます。

      最初は??でもかまいません。
      でも、だんだんと腑に落ちることが増えてきますから、安心してください。
      いつも陰陽で考える癖をつけておくと、どんどん楽しくなってきますよ。

マクロ美風 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です