卒乳と離乳食そして子供の食欲(マクロビオティックの指導現場から)

現在幸せコースに通われている塾生さんが育児のことで悩まれていました。
悩み事があっても自分で解決しようとされるタイプなのですが、悶々とする日々が続いているらしく、毎月の授業でも活気を感じられません。
その日はついにご主人と子供の前で夫婦喧嘩をしたそうで、反省の気持ちばかりが先行して今後どうしたら良いのか判断できない状態でした。
そこで授業中にしっかりと悩みに対して問題点をアドバイスしました。
彼女の悩みは育児中の人なら誰しも経験することなのですが、理想の育児をしようとするあまり、自分が疲れてしまってご主人にも優しく接することが出来なくなってしまったのでした。

彼女のお話を聞いて、この問題の解決の糸口は卒乳にあると判断しました。
お子さんが2歳になっているのですが、まだ夜間の授乳もしています。
そのためにお母さんは疲れに疲れて、昼間も眠いしおかずのことまで気がまわらないし、子供につき合うだけで精一杯の日々でした。
ですから、ご主人がお休みになると育児を手伝ってほしいのですが、それが思うとおりにならないと不満になってついに爆発してしまったのです。
もともと体力のある人なら2歳すぎまで授乳しても問題はないのですが、細くてキリギリスのような人なので、母乳の源である血液がどんどん消費されてしまって、母体の回復が著しく遅れてしまったのでした。

そもそも女性の体は授乳中は生理を止めてまで赤ちゃんのために血液をまわすようにしているのですが、それはせめて1年くらいまでで、それを過ぎたら赤ちゃんは自分で自分の栄養分は獲得出来るようになるため、母乳は不要になるのです。
母乳の成分は刻々と変化しており、すでに9か月くらいでまずくなってきて、赤ちゃんの方からバイバイするように出来ています。
それでもなかなか赤ちゃんがおっぱいを離さない場合は、スキンシップとしておっぱいを求めていることがほとんどです。
ですから、一般的な言い方でいう断乳や卒乳は1歳のお誕生日あたりが目安です。

さて、この塾生さんは私のアドバイス後「もうおっぱいが出なくなったの」とお子さんに言って、お子さんが泣いても飲ませないことでつらい一日目を過ごしました。
次の日はお子さんにあまり笑顔がなかったようですが、3日目には笑顔も見られるようになって来たそうでヤレヤレでした。
そして卒乳5日目までの変化を昨夜メールで教えてくれました。
ほらね。子供はちゃんと歯の生え方と比例して食べ物の受け入れ体制も準備できているんですよ。
それを阻んでいたのはお母さんの「泣くから可哀想」という気持ちだけだったんです。

育児というのは子供を観察することでもあります。
子供は勝手に育って行きますから、親はそのお手伝いをさせてもらうだけなんですね。
ですから、子供の成長の邪魔をしないように、その子の「今必要なこと」を見極めることなのですが、なかなかまわりの情報や自分の気持ちが相まって、悩みが複雑になってしまう人が多いですね。
では、塾生さんからの嬉しいメールをご紹介しますので、今育児中の方はご参考になさってください。

<塾生さんからのメール>

美風さん

こんばんは。

嬉しい変化があり、メールをお送りしました。
娘の食べっぷりが、本当によくなりました!
自分から『ごはんたべる!』とか、『~たべる!』と言い、お箸やスプーン、フォークなどを使って、モリモリ食べます。
前は椅子に座りたがらず、追っかけて食べさせていましたが、自ら椅子に座って、食べ残しもしなくなりました。
さらに、『おいしいね!』『これ、たべたい』と、食の感心も高まってきたようで、すごくすごく嬉しいです!

数日前、おもちゃのお台所で遊んでいた娘にエプロンをつけてやると、すっかり子どもの姿で、『ママもお料理教室でエプロンするよ』と言うと、得意気にぬいぐるみにご飯を作り、せっせと運んでいました。
その姿をみて、娘の成長を遅らせていたのは、私だったのかな…と思いました。
遊びも食事も、もっとおおらかに行きます!

私自身は、授乳がなくなったことで身体が回復してきて、睡眠時間が短くても大丈夫になりました。
身体が楽で動けるので、心も余裕が出始めました。
寝かしつけはまだ時間がかかりますが、イライラすることが減りました。前は、食事の献立も思い浮かばないことが多かったけれど、これを作ってみようかな?と、チャレンジする気力が湧いてきています。

『むそう塾にお世話になっているのに、こんなに身体が動かないなんて、自分はどこまで陰性なんだ…』と、自己嫌悪に陥いることがなくなるのも嬉しいです。
もっと元気になって、愉しい毎日を過ごしたいです。
上級クラスのお料理を愉しみにしつつ、お箸使いの練習もがんばります。

<マクロ美風より>

Fさん、おめでとう。無事に卒乳が出来ましたね。
2年間の昼夜の授乳、お疲れ様でした。
わずか5日間でも大きな変化があったでしょう?
陰陽だと思いませんか?
お腹がすけば子供は食べるのです。食べてくれないと悩むのではなく、食べなくても良い環境を作り出していただけなんですよね。
今後お子さんが食べるのを嫌がったり遊び食いをする場合は、ズバリまずいからだと思いましょう。
お子さんの方が本能がまだ錆びていませんから、自分の体に入れたくないものは拒否しますので、その時には無理強いしなくても良いです。
大人になるまでに何度も食の好みは変わりますので、今食べないからといって神経質にならないでくださいね。

それから、お子さんはその時の自分に必要な食べ物を本能で知っていますから、「ばっかり喰い」をして栄養的に偏っていても気にしないようにしましょう。
1週間の間にバランスが取れるようならOKとしましょう。
今嫌いなものでも、仲の良いお友達となら食べることもあります。
つまり、「食べたくなる楽しい気持ち」が一番大事なのです。
ですから、お食事の時間をしつけや栄養バランスの問題で小言をいって暗い雰囲気にしないようにしましょう。
あなたはすぐ管理したがる癖があるので要注意です。

これからは、上級幸せコースで美味しいお料理がたくさん習えますから、お子さんが喜んで食べてくれるメニューが増えます。
どうぞご一家で笑顔の食卓にしてください。
マクロビオティックの陰陽はご主人との間にもお子さんとの間にも適用されます。
あなたは万遍なくお二人に愛情を注いで、中庸の立場でいてください。
今までお子さんが最優先だったので、そのバランス配分を少し変えましょうね。
そして、ご主人と昔のように仲良くなってくださいね。

 
 

菜の花の辛子漬け. マクロビオティック料理教室 むそう塾JPG

 
 

(菜の花の辛子漬け 料理:陰陽京料理人  中川善博)

 
 
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コメント

  1. 菜花 より:

    美風さん

    こんばんは。

    数日の間に大きな変化があり、驚きと感動の毎日です。
    そして、小さな娘が逞しく成長する姿に、私もしっかりしよう!と、気持ちが引き締まります。

    むそう塾にお世話になろうと決めた時の原点、『美味しい』と『楽しい』。
    これが大切なんだな…と、改めて思います。
    それから、あまり神経質にならないよう、意識します。

    ありがとうございました。
    そして、これからも、宜しくお願い致します。

    • マクロ美風 より:

      菜花ちゃん、こんばんは。

      頑張ってみて良かったですね。
      ちゃんとアドバイスに向き合ってくださって私も嬉しいです。

      >それから、あまり神経質にならないよう、意識します。

      これから子育てをするときは、ずーっと心に意識して欲しい言葉があります。
      「子育ては片目をつむって」。
      つまり、両目をあいていると子供を見すぎてしまうので、片目をつむっているくらいが丁度良いというたとえです。
      これはね、実際に片目で見るということより、干渉しすぎるなという意識のありようを伝えている言葉です。

      そして、これは子供だけでなくご主人様にも適用できますのでご参考までに(^_-)-☆

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