日本の出汁の三大神器にみる哲学的感じ(小泉武夫氏の著書より)

発酵食品のことで気になることがあって先日から調べていたのですが、そこに出汁についての記述があって、さすがによく観察されているなあと感心しました。
発酵中の鰹節菌が油脂成分を分解してさらにその分解物を食べてしまう過程に発酵の凄さを感じます。
さらに、次の記述が発酵のみならず食文化の奥深さを感じさせます。

「日本の出汁の三大神器といえば鰹節、昆布、椎茸であるが、この三つの材料からはいずれも油脂が出てこない。質素にして格調高く、上品で肌理の細かい日本の出汁は、日本料理の方向を決定する要因とさえなった。粋や上品さ、淡白さの中にある優雅で奥深い味、油脂をともなわないだけに、哲学的にさえ感じる出汁。そういう出汁を使ったからこそ、この国ならではの精進、懐石、普茶といった侘び寂び料理が誕生したのである。」
(小泉武夫著 発酵食品礼讃より)

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品3

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品1

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品2

 
 
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コメント

  1. みーま より:

    こんにちは。日本人がいっぱんに油脂に弱いことと符合しますね。油脂に弱いから出汁なのか、出汁だから油脂に弱いのかはわかりませんが。

    • マクロ美風 より:

      みーまさん、おはようございます。

      そうですねぇ。
      日本人は海に囲まれた環境が大きく影響していることは間違いないのですが、この地域の湿度があまり油脂を好まなかったのかもしれません。

  2. ユーキチャン より:

    おはようございます。

    衝撃を受けました。
    この素晴らしい日本に生まれて、
    日本人でよかったなぁ、と思いました。
    ピシッと気持ちが引き締まります。
    微生物って本当に凄いです。

    大事なことを記事にしてくださってありがとうございました。

    • マクロ美風 より:

      ユーキチャン、おはようございます。

      この日本も、日本人も、食文化も素晴らしいですよね。
      これから海洋汚染が進んでしまうとしても、この発酵の力で解毒してくれないだろうかと期待をもってしまいます。
      そんな時代だからこそ、微生物のことをもっと知っておいた方が良いと思って記事にしました。

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