料理に現れる作り手の人格・性格などを意識すればもっと美味しくなります

明太子パスタ 中川善博

 

先日、中川さんのブログに突然こんな写真が登場しました。
「明太子パスタの作り方 Oyaji流」
午前10時過ぎに記事がアップされて、その日のお昼にはもうパスタを作った人がTwitterで写真を載せていました。
それから次々とむそう塾生の写真がタイムラインに上がって来ます。

その中でも1回目で及第点だったのはJさんのパスタくらいでしょうか。
写真撮影がもっと早かったらなお良し!

明太子パスタ じゅん子

 

一番早く作ったRさん。
中川さんからのTwitter指導があり、その後3回ほど作ったようです。
なんと、Rさんは「明太子はキライだけど中川さんのお料理は美味しいから作った」そうです(笑)
そして、案の定美味しかったそうです。
でも、大葉もすだちも・・・。

明太子パスタ 麗可

 

次はNさん。
この方はお子様用にパスタの量を減らしたと思われます。
でも、明太子が・・・。

明太子パスタ 夏目

 

夜になって別のNさんが。
あれれ? スダチが2枚ある!

明太子パスタ 直

 

翌日になって登場したのがKさん。
あれれ? 麺の太さが違いますね。

明太子パスタ けいたん

 

こんなふうに中川さんが写真と作り方を公開しても、作り手によって様々にアレンジされてしまいます。
そのことは常々むそう塾でお料理をお伝えして、その復習段階になると実にそれぞれの結果になる現実を知っていますので驚きませんが、その理由がとても面白いのです。
いえ、面白いなんて言っていては中川さんが悲しみますが・・。

ではその理由なのですが、
1 観察力が欠ける
2 繊細性が欠ける
3 アバウトである
4 まだ中川さんの料理の奥深さを知っていない
これらが主な理由です。
でもそれらは常々塾生さんを拝見していると、こういう間違いをするであろうことが予測出来てしまうのですが、それがあまりにも的中するので、それが面白いのです。

よく中川さんが愛クラスの時に初対面のかたに対して、「あなたがどんなご飯を炊いて来るか私にはもう分かっています」というのは、このような背景があってのことです。
お料理にはその人の人格や人柄や精神状態がすべて反映されます。
ですから、一つのお料理を教えても、作り手が変わると出来上がりに差がでます。
むそう塾では一人ひとりでお料理を完成させますので、その差がいつも歴然と現れます。

ちょっと各人のお料理写真から作り手の内面を覗いてみましょう。
上からいきます。
<Jさん>
日頃からの観察力がそのまま出た仕上がりになっています。
Jさんの観察力はかなり高くて、それでいてキュウキュウと神経質にならないところが良いです。
良い意味での大胆さがあるためです。
<Rさん>
早い(速い)けれどそそっかしい性格がそのままです(笑)
速いために見落としてしまうものが多いのですが、そのスピードがあちこちで活かされる場面が多いので、回数を重ねながらその点を補って行くのが良いと思います。
そんなに生き急がなくても良いではないか、くらいのおっとりさを育てましょう。

<Nさん>
いつものアバウトな性格がそのままです。(あぅ〜)
お料理にアバウトは大敵ですね。
繊細性も欠けます。
繊細さが不足している場合は、誰かに指摘されることによって気づきを得るので、少しずつ改善することが可能ですし学習効果もあります。
しかしアバウトは万事において共通するため、芋づる式にあちこちで顔を出してきます。
アバウトだとお料理は美味しいことから遠ざかりますが、人づき合いでは良い場合もあります。
お料理に出てしまうアバウトさは、心して自分を律することによって改善可能です。
そこにはそれを指摘する人と、律する自分の精神力が必要なのですが不可能なことではありません。

<すだち2枚のNさん>
スダチの量を考えた結果2枚になったのかも知れせんし、もしかしたらお疲れで酸味が欲しかったのかも知れません。
全体的に丁寧さに欠けるのは、生き方において不満のあることが多いです。
心を込めた仕上がりは、どんなお仕事でも気持ちの良いものです。
もちろん人間関係においても。
それがまたお料理に反映して更に美味しくなるという循環です。

<Kさん>
まだ中川さんのお料理に出会ってから日が浅いので仕方のないことですが、幸せコースを初めとして、中川さんから伝えられたお料理を復習する際の約束事があります。
それは指示されたとおりに作ることです。
それをむそう塾では「完コピ」と言っています。
完全コピーの意味ですね。
中川さんのお料理は実に微妙な加減が計算されているので、それをちょっとでも狂わせると似て非なるものになってしまいます。
それでも美味しいのですが、それは中川さんが伝えたかった味ではありません。
そこの厳密さがプロたる所以だと思ってください。

ということで、「材料が全部揃わなかったら作らない」がむそう塾の約束事です。
中川さんのお料理を完コピすれば、あなたに新しい道が拓けます。
不可能から可能を生み出します。
たかが料理と思わないで、お料理で自分を発見し、修正して、現状を打破したり、夢を実現させる踏み台にされることをお勧めします。
中川さんのお料理にはそれだけの力があります。
なぜなら、マクロビオティックの陰陽バランスを踏まえたお料理だからです。
マクロビオティック料理はその陰陽バランスをもって人生の陰陽バランスも調えてくれます。

 

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コメント

  1. J より:

    美風さん、こんちには。
    記事にして下さってありがとうございます。

    はじめに中川さんのブログ写真を見た時、「大葉は細め、フワッとしている」というのが印象に残りました。

    普段からRさんの行動の速さを知っているので、見習って今回は私もすぐ作ろう!と、午前の用事が終わって買い物に出掛けました。

    途中大葉を切ろうとした時、twitterで中川さんから「2mm」と指示をいただいたので測ってみたら、思ったより細くないとわかり助けられました。(私は1mmくらいで細かくしようとしていたので)
    また、あとからその理由も聞いてすごく勉強になりました。
    写真も、もっと早く撮れるようにがんばります。

    時間が経つにつれいろんな塾生さんの作品がどんどんアップされていって、離れていても同じものを作っているという楽しさを感じました。
    またこのような機会があれば良いなぁ、、と思っています♩

    • マクロ美風 より:

      Jさん、おはようございます。

      タイムラインに次々とパスタがアップされて、なんだか面白かったですね。
      遅い時間ほど完コピに近くなるかなと思いきや、それでもまだ個性のほうが勝ってしまう現実に、私としても学びがありました。

      >またこのような機会があれば良いなぁ、、と思っています♩

      早速翌日紛らわしいメニューが(笑)
      罠がいっぱいメニュー(^o-)

  2. N より:

    美風さん、こんにちは。
    記事にして下さりありがとうございます。
    早速作った方の写真がtweetされていて、
    出先だったので、買い物を済ませて帰宅しました。
    先に作った方への中川さんからのアドバイスも読んだ
    上で作ったのですが、忠実に作るということが
    出来ていない自分がいました。
    アバウトな性格。。。
    お料理の際は自分を律すること。
    これから心していきます。

    • マクロ美風 より:

      Nさん、おはようございます。

      機動力も大事ですが、初めて作る場合は用意周到さも大事です。
      主婦慣れしているとこういうことが起きます。
      ベテラン主婦ほどその度合は大きいですね。
      いかに自分の癖を取り払って新しい自分になれるか。
      真っ白なカンバスに絵を描くつもりで取り組んでみましょう。
      果実は大きいですよ。

  3. より:

    美風さん、こんにちは。
    みんなの写真と分析、勉強になります。ありがとうございます。

    わたしは、初めて作るものは大抵途中で動揺してあたふたしてしまうので
    今回は作る前に写真を何度も見てシュミレーションしてから作りました。
    それでもやっぱりもたもたしてしまって(こんなに手順も少ないのに!)
    予想通りのところでやっぱり時間がかかりました。。

    アップした後に中川さんに「手の遅さを考えて・・・」と言っていただき、
    失敗するところはわかっていたのに具体的な対策が取れていなかった、と
    反省しました。
    他にご指摘いただいた大葉の刻みについても
    「失敗したくない」という気持ちがすごく出ていたし、
    本当に自分がよく出るな・・・と思いました。
    盛り付けもまあるくしたかったのにフラットになってしまったし。

    ご指摘いただいたところに気をつけて2回めを作った時に
    よくなったと言っていただけでとてもうれしかったです。
    と同時に、自分自身の課題への取り組み方をもっと意識しなくてはと思いました。

    ひとりひとりへの中川さんのアドバイスややりとりもとても勉強になりました。
    みんなと同じものを同じタイミングで作って共有できるのも
    とても楽しかったです。
    ありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      舞さん、おはようございます。

      あの日はもう可笑しくて回転劇場を観ている感じでした(笑)
      次々と個性豊かなパスタが登場するので、マンツーマンで教える必要性を改めて感じた一日になりました。
      あのパスタは中川さんによると「お料理のうちに入らない」というくらい工程の少ないものでした。
      ですから舞さんは工程が多い少ないではなくて、スピード料理が苦手なんだと思います。
      ということは、「複雑で急ぐ」料理になるとパニックになると思われます。
      これも回数をこなしながら改善して行くしかありませんね。
      ただし、闇雲に回数を多くするのではなく、今回のように適切なアドバイスがあればすぐ効果の出ることもありますから、スポーツと同じで良き指導者がつくことが重要なんだと思います。
      中川さんの存在を大いに活用して、お料理上手な舞さんになってください。
      成長を待っています。

  4. 麗可 より:

    美風さん、こんばんわ
    記事にして下さって、有り難うございました
    出先で記事を見て、明太子が苦手なのにも関わらず
    食べたみたいと思い、すぐに買い物してました

    早い(速い)ばかりで、そそっかしくて見落としばかりしてる
    本当におっしゃる通りです
    私達でも簡単に美味しく作れるように考えて下さっているのに
    自動変換ばかりで、中川さんには大変申し訳なかったです

    Twitterに写真を載せた事で、Twitterやブログでこうしてご指導頂ける事が、とても有り難いです
    他の方へのご指導も、とても勉強になりました

    中川さんにゆっくりしなさいと言われた事はあっても
    速くしなさいと言われた事はないので、もっと落ち着きます
    有り難うございました

    • マクロ美風 より:

      麗可さん、おはようございます。

      スピードの麗可さんがやはり一番乗りでした(笑)
      記事にも書きましたが、スピードは良い面も多いのであまり小さくならないでくださいね。
      お料理の場合は別の要素も必要になってくるので複雑になるのです。
      ちなみに中川さんは本来はせっかちと思われますが、お料理をするときには別人のように繊細で待ちますね。
      場面によって自由に変えられる幅が大きいためです。
      中川さんのようになることは難易度が高いですが、近づくことは可能です。
      頑張りましょう。

      • 麗可 より:

        美風さん、おはようございます
        尊敬して目標とする方に教えて頂けるのは、とても幸せな事です
        私の場合スピードが上達を阻む事、昨日思い知りました
        少しでも中川さんに近付けるように
        待てる陽性になれるように
        日々意識しながら頑張ります
        これからも、よろしくお願いします

        • マクロ美風 より:

          麗可さん、おはようございます。

          ありのままの自分で生きられたら楽チンでしょうが、対象によっては臨機応変に変えられたらもっと達成感が増しますよね?
          その部分のことなので、性格の全否定ではありませんから間違わないでくださいね。

          何年かかっても良いからその部分を開花させられたら、人生が格段に面白くなりますよ。
          可能性の範囲が広がるからです。

  5. ばんぶーん より:

    美風さん、おはようございます。

    目がフシアナのばんぶーんです。

    ブログにお写真も作り方も載っていて、Twitterでの公開指導まで!
    私も乗り遅れまい!と参加したはいいが、観察力不足がはっきりとしてしまいました。
    すだちの分量を間違えてしまいました。
    二回も!

    観察力不足は自覚もあり、十分気をつけているつもりなのにできていない。。。
    ちょっとしょんぼりしてしまいましたが、悩んでいてもお料理が上手になる訳でなし。

    さらに氣をつけて取り組んでいこうと思います。
    気づきの場をありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      ばんぶーんさん、おはようございます。

      本当に可笑しいくらい皆さんの個性が反映されたパスタが登場するので、あの日は楽しい一日でした(笑)
      ばんぶーんさん独特の話し方のテンポは、やはり思考回路と一致していることの証明だなあと妙に感心しています。
      フシアナも美人のお顔でごまかせるし(笑)、そのままほわわ〜んとした人生も可能なので、ま、ご愛嬌の範囲としておきましょう。
      でも、お料理を作るときには、もっと完コピを目指してね。
      せっかくの中川さんのお味が美味しさから遠ざかってしまうのでね。

  6. より:

    美風さんこんばんは。勉強になる記事をありがとうございます。

     うぎゃ!…あ、いえいえ、なんでもございません。

    この記事を読んで、「仁和寺の法師」を思い出しました。
    岩清水八幡宮へ詣でた法師が、山上の上院まで行かず、麓の別の寺院で満足して帰ってしまったお話です。
    本来は「どんな小さなことでも、教示をうけるべき」という教訓だと解釈されるのですが、私には十分な準備や観察力乏しく実行しても、完全には至らない、という話に受け取れます。

    むそう塾に出会ってから
    これまでの人生で思っていたよりも、世界も、お料理の世界もずっと奥深いものだということを、学ばせていただきました。
    これまでの自分は、一部を知るだけですべてを分かったつもりでいました。
    なかなかそのくせは抜けませんが、気づけたからには諦めず、変わっていきたいと思います。

    • マクロ美風 より:

      直さん、おはようございます。

      >うぎゃ!

      っていうお気持ちも分かります(笑)
      きっと量を考えられた結果なのだと想像しています。

      >これまでの人生で思っていたよりも、世界も、お料理の世界もずっと奥深いものだということを、学ばせていただきました。

      中川さんが伝えようとされているお料理は、食材を操るのではなく、心を織り込む世界のような気がします。
      つまりお茶の世界に通じる精神料理とでもいいましょうか。
      ですからその辺で奥深さを感じてくださったのかも知れません。

      「仁和寺の法師」は直さんの解釈もいいですね。
      未完には未完になるだけの理由がありますから、そこを意識しながら改善できると完成に近づきますね。
      しかし、それも言うは易し行うは難しといったところでしょうか。

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