「盛り付け」以前・以後

この写真は先日の上級幸せコースで作ったArさんの金平牛蒡です。
ArさんがiPhoneで撮影しました。
盛付けのうまさを中川さんから褒めらた作品です。
褒められた時、ご本人は「ヘッ?」というような驚きのお顔をされていましたが、その無意識が良かったのだと思います。
わざとらしくなく、自然に伸びやかに盛れています。

むそう塾ではお料理の盛り付けも毎回ご指導していますが、なかなか皆さんが「盛り付けは難しい」とおっしゃいます。
それは普段から盛り付けの美しさを意識していない人が多いからですね。
盛り付けに関する好奇心と、きちんと盛り付けされたものに触れる機会があれば、盛り付けは少しずつでも前進するはずです。

ところで、「料理は買い物から始まる」と中川さんはいつも口にされています。
お店の選び方、食材の選び方はもちろんですが、その時にはすでに盛り付けも頭の中にあって、その盛り付けにふさわしい食材を用意することが重要だからです。
それはお料理をする腕以前の問題であって、逆にいうとお料理の良し悪しは材料に左右されるということになります。

この金平牛蒡は最高の材料で作りました。
そして、教えられたとおりに切り方をいっぱい練習してこの日に臨んだArさんがいました。
牛蒡のアクが出ないように手速く切る、
牛蒡の太さと人参の太さの差、
牛蒡の長さと人参の長さの差、
牛蒡と人参それぞれの太さに揃える。
その切り方が出来て初めて火を使う段階に入ります。

もしArさんがこの切り方の段階を疎かにしていたなら、この美しい盛り付けはなかったでしょう。
この盛り付けはすべての工程がちゃんと出来たことへのご褒美でもあったのです。

「盛り付けは難しい」というのは、単なるお皿への配置という面もありますが、お料理の出来上がりの状態を反映してしまう側面があるからなのでしょう。
しかし、栽培方法や店選びから始まって、最後の盛り付けでお料理が完成だと思ってはいけません。
それをテーブルまで運んで、食していただいて、お箸を置いた後も心地よさが続かなければダメです。
普通はそこで終わりですが、むそう塾ではその先に、食した人の健康までを考えてお料理をお伝えしています。
そこまでの一貫した流れの一部が盛り付けなので、ぜひもう一度盛り付け以前のことにも気を馳せてみてほしいと思います。

なお、過去にも盛り付けのことはたくさん記事にしてきましたが、もう一度お読みいただきたいものを大事な言葉とともにご紹介しておきます。
「盛り付け秘伝 中川善博」
「間違えるなら奥の方に間違え」
「盛付けは色気」
「盛付けに唯一無二の正解はないけれど、してはいけないことがあって、それを外せばどのように盛りつけても良い」
「盛り付け」
「心美人になれる常識」

<Arさんのブログより>
「2期 上級幸せコース  10月」
「きんぴらごぼうに 感動♪」

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コメント

  1. Ar より:

    ありがとうございます。

    美風さん、こんにちは。
    こんな、素敵な記事にしていただいて恐縮です&ありがとうございます。
    どんなに、一生懸命考えても手を加えても叶わない。
    当たり前ですが、長年積み重ねられた、
    現役の料理人の中川さんの手先は、魔法使いのようで、主婦の私には計り知れない世界が広がっています。
    そんな、中川さんに教えていただくことによって、お料理の過程はもちろんのことながら、様々な
    分野で、プロという世界の凄さを知る事となりました。
    「盛付」という世界もそのひとつです。
    この日は、本当に、ビックリしました。(笑)
    でも、とっても嬉しかったです。
    1000回盛りつけて、手直しなしで褒められた、この1回がとてもとても大きな宝物になりました。
    まだまだ、様々な事柄が繋がっていないと痛感する毎日ですが、少しでも、口伝していただいたことが
    身体で、お料理として再現できることが、日常生活の
    様々なことにつながっているんだな。と、
    目に見えないことの大切さを少し感じられるようになってきました。
    これからも、この記事を励みに、お料理の世界を楽しんでみたいです。

    日頃から、美風さんが沢山励ましてくださるお陰で頑張れます!いつも本当にありがとうございます。

  2. Ar より:

    訂正です。

    実際に1000回盛りつけて、見てもらったわけではないのですが、そんな感覚ですということを伝えたかったのですが、
    言葉が足らずに失礼いたしました。

  3. マクロ美風 より:

    Arさん、こんばんは。

    お子さんを育てながら、ご主人やお子さんの送り迎えをされながら、栃木県から京都通いをされるのは並大抵なことではないと思います。
    それでも3年間も続けてくださって感謝の気持ちでいっぱいです。

    3年目にしてやっと中川さんに「おっ!」と褒めていただけましたね。
    その時は私も凄く嬉しかったです。
    たまたままぐれの盛り付けというより、記事に書いたように切り方がきちんと出来て、加熱も美味しそうな仕上がりになって、それらがすべて出来た暁にあの盛り付けがあったからです。
    たくさん京都に通ったけれど、こんなふうに中川さんに褒めてもらえて本当に良かったですね。

    これからも教えていただいたお料理の完成度を上げて、盛り付けの腕も上げてください。
    それでこそ中川さんから習った甲斐があるというものです。

    それにしてもこの後の金平牛蒡の売れ行きは凄いですね。
    ご家族の皆さんの姿が目に見えるようです。

  4. マクロ美風 より:

    Arさん、ご丁寧に追加コメントをありがとうございます。
    でも、大丈夫ですよ。
    本当に1000回くらい盛りつけていますよね。
    主婦って毎日毎日盛り付けていますからね。

    なお、記事の最後にArさんのブログ記事をリンクして、トラックバックもさせていただきました。
    よろしくね。

  5. Ar より:

    再び失礼いたします。

    美風さん、こんにちは。
    もったいないお言葉の数々、ありがとうございます。
    きっと、日頃からちゃんと意識されていらっしゃる方は、1年通えば身につく学び方をされていらっしゃる
    塾生さんもいらっしゃると思います。
    その点、今までが「なんとなく」で生きてきた私は、
    たった一つの簡単な変更さえ、凄い時間がかかってしまいます。(苦笑)
    この、1回の盛付ができたのも、そんな私に、根気よくご指導して下さった中川さん、そして、いつも
    サポートしてくださる美風さん、お二人のお力が
    あってからこそです。
    感謝するのは、私のほうです。
    それに、お仕事も子育てもしながら、宿泊もからめて塾に通っていらっしゃる方も沢山いらっしゃいます。
    たまたま、日帰りで通える条件という環境にも感謝です。
    引き続き、よろしくお願いいたします。
    ブログのリンクとトラックバックもありがとうございます。

  6. マクロ美風 より:

    Arさん、おはようございます。

    みんなそれぞれのテンポがあります。
    みんな得手不得手があります。
    それぞれの環境もあります。
    「その時」がその人にとってのベストだと思えば良いのではないでしょうか。

  7. Ar より:

    はい。

    美風さん、こんにちは。
    そうですね。それぞれのテンポ、個性、得て不得手。
    みんな違うんですよね。
    常に自分にとっての「その時」を大切にできる人生を送れるように、意識します。

  8. マクロ美風 より:

    Arさん、おはようございます。

    はい。
    頑張ってください!

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