2種類の無精(日経新聞のコラム 春秋 より)

今朝ホテルで「おはようございます」と日本経済新聞を手渡された。
いつもは朝日新聞の我が家だが、これも何かのご縁と思ってありがたく受け取った。
1面のコラムにとても興味のあることが書いてあった。
日本経済新聞 春秋 2010/8/31付

「自分で年を取ったなと思ったのはいつ?」。そう問われて、女優の高峰秀子さんは「明日にしよう、そう思った時ですね。前は、今日やるべきことは全部今日、済ませてた」と答えた。70歳を過ぎたころだという。(斎藤明美「高峰秀子の捨てられない荷物」)


▼「明日にしよう」。年齢にかかわらず、夏にはそんな気だるさがつきまとう。これを無精と称するのだと思っていたら、じつは無精に2種類あると知った。一つは「今日ノ所作ヲ明日作(ナ)スコト」だが、もう一つ「明日ノ所作ヲ今日作ス」のも無精であると、国文学者の故佐竹昭広さんが「古語雑談」に書いている。


▼はじめの方は懈怠(けだい)、あとは懶惰(らんだ)と呼ぶそうだ。どちらも今日からの逃亡であることに変わりはない、明日のことを行って一向に支障がないほどあいているのなら、今日自体が充実していないのだということになる――。佐竹さんはそう説明している。なるほど懶惰だって立派な無精である。


▼きのう、日銀がさらなる金融緩和を決め、政府は経済対策を発表した。民主党の代表選もあわただしい。懈怠はないか。懶惰は忍び込まなかったか。季節が移ろうとする今、そんな目でわが身と世の動きを見つめ直すことも必要だろう。「いちばんの大切は今の時間、卵抱く鶏(とり)がうつとりと目を閉づ」(河野裕子)

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コメント

  1. れっち より:

    おおきに、勉強になりました。

    けだい と らんだ

    明日の事を今日やる事はたまにありますね

    今を生きる、当たり前でなんとできていない事が

    あるんでしょうか。

    肝に命じておきます。感謝

  2. マクロ美風 より:

    れっちさん、こんにちは。

    >明日の事を今日やる事はたまにありますね

    れっちさんのお仕事柄、段取りを考えながら仕事を進めなくてはいけないので、そういうことは大いにあるでしょうね。
    ここではそれを踏まえたうえで、それでも今を生きることについて言いたかったのでしょう。
    私も「今」を大事にして明日につなげたいです。

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