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塾生の声

「美味しい」と「美しい」 ロールキャベツのこと (36-6 舞) ()

5月の煮物コースのメニューに入っていたロールキャベツと、うすい豆のとろとろの仕上がりは
最初にブログで拝見したとき、私にはちょっと意外に感じられました。
それまで中川さんに教えていただいてきたお料理は、緑は彩度の高い緑のままだったからです。

 

前回の記事で、「美しい」からこそ「美味しい」のだな、と思っていたことを書いたのですが、
それだと少し語弊があって、
「美味しい」のために「美しい」があるのだとも感じています。
当たり前のことですが、やっぱりお料理に一番たいせつなことは「美味しい」であって
そのための仕掛けのひとつが「美しい」なのだな、と。

 

漠然とそう思っていたのですが、記事への美風さんからのコメント
>噛む音は聴覚での味覚、香りは嗅覚での味覚、温度や硬さ柔らかさは触覚での味覚であって直接的かつ陽性。色や光沢や形状は視覚の味覚で陰性。
というのを拝見して、なるほど、とようやく腑に落ちました。

 

美味しさにはいくつもの要素が絡み合っていて、
私にとって最初に感じられたのが「美しさ」という陰性の要素だったのですね。

 

中川式のロールキャベツは、中の具とキャベツの旨味とお出汁が調和して
お互いがお互いを支えあって高めあってしているように感じました。
ロールキャベツ本体ももちろん、お出汁もキャベツの甘味がたっぷりで美味しいのです。

 

そしてさらに中川さんのお料理のすごいところは、
緑の鮮やかさとはまたちがった美しさをちゃんと備えていることだなぁと思います。
だってやっぱり、「美味しい」のためには犠牲にできないものだから。

 

まるで木が広がっているような葉脈の自然な広がりと、メリハリのあるかたち、
そして、目立たないけれどよく見るとわかる隠し包丁のラインが美味しさと食べやすさ、
美しさを全部叶えているのだと思います。

 

 

 マクロビオティック京料理教室 むそう塾ロールキャベツ編jpg

(和風ロールキャベツ)

 

【2016.7.20 舞記】

 

 

<マクロ美風より>

舞さんが引用してくださった味覚の説明は、こちらの記事に私が書いたものですが、味覚を陰陽で考えると面白いものです。

直接的なものばかりに氣が行く人には陽性な人が多く、舞さんのように間接的なところに氣が行く人には良い陰性を持っている人が多いです。

だからこそ、舞さんはいつも美しいお弁当を作れる才能があるんですよね。
芸術家には陰性さが必要であるということを納得していただけたかしら。

 

ところで、中川さんのお料理の美味しさですが、見事に陽性と陰性の味覚を併せ持っていて、さすがによく計算されているなぁと唸りますね。

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